今日はこの話題です。


12月19日午前、河野外務大臣は、東京都内の飯倉公館で、来日した韓国の康京和外相と会談しました。その概要は外務省のサイトで公開されていますけれども、会談は昼食会を含めて約3時間にも及びました。
事前の報道では、康京和外相は慰安婦合意について韓国内で検証している現状を説明した上で、あわよくば再交渉を狙っているのではないかと随分報じられていましたけれども、外務省によれば実際の会談の多くは北朝鮮の核・ミサイル問題についての議論だったようです。
ただ、外務省発表を読む限りでは、北朝鮮の核ミサイル問題について一致できたのは「中国に更なる役割を求めていく必要がある」という部分くらいで、その他は議論したとしか書かれていません。つまり、平行線とはいわないまでも、意見の一致までは至らなかったということですね。
両外相は北朝鮮問題以外では、日韓関係の改善を目指すことで一致したものの、注目された慰安婦合意については、河野外相が合意の実施を強く求めたのに対して、康京和外相は「慰安婦合意検討タスクフォース」の議論の現状について説明したというのみで、こちらも意見の一致には至りませんでした。
このように、外務省発表を見る限りでは、余り多くの実りはなかったというべきでしょうね。
康京和外相は午後に安倍総理を表敬訪問していますけれども、安倍総理から、北朝鮮に圧力を掛けていくことと、慰安婦合意を履行するようにと念を押されています。
康京和外相は、慰安婦合意について安倍総理にも「慰安婦合意検討タスクフォース」の議論内容を説明したのみで、再交渉云々などの文字は見当たりません。
もっとも、康京和外相は来日の際、メディアに対し「検証結果が韓国政府の立場と必ずしも一致するわけではないと日本側に説明する」とコメントしていますから、或いは慰安婦合意の再交渉など、ハナからする気がなかったのかもしれません。
尤も、日本も慰安婦合意の再交渉など行う積りはありません。19日午前、菅義偉官房長官は記者会見で、慰安婦合意について「最終的、不可逆的な合意だ。韓国側に対し、粘り強く合意の着実な実施を求める」と改めて強調しています。
今回の康京和外相の来日について、青山繁晴参院議員は「本当は韓国は追い込まれて日本に来る。米国に無視され、中国に苔にされ、今、当てに出来るのは日本しか無い。安倍政権は何と中国と関係改善しようとしてる。韓国の外相は慰安婦の話なんかするつもりは無い。振りをするだけ。米、中に口を効いてもらいたくて来るのが本当だ」と指摘していますけれども、確かにその公算は高いでしょうね。
というのも、韓国は文大統領の早期訪日を求めているからです。
17日、ユンヨンチャン青瓦台国民疎通首席は「もし韓・中・日首脳会談が遅れる場合、ムン大統領が日本を別途で訪問する部分についても検討があると思う」と文大統領が別途、訪日することを検討すると明らかにしています。
日中韓首脳会談は、日本、中国、韓国が持ち回りで開く三ヶ国首脳会談で、2008年から始まった会議です。今年は日本が議長国で、元々は7月の開催を目指していたのですけれども、中国が難色を示し、伸び伸びになっています。
先日、文大統領は訪中し習近平国家主席と北京で会談しましたけれども、共同声明すら出せませんでした。それに加え、国賓待遇とは名ばかりで、「ぼっち飯」を喰わせるなど、文大統領の扱いは冷遇そのものでした。
はっきり言って、相手にされなかった訳です。
こうした状況で韓国が、中国と再び話す機会を得ようと思えば、日中韓首脳会談を使おうと考えるのも自然なことです。けれども、年内の日中韓首脳会談は難しくなっている。
そうした事情を考えると、やはり青山繁晴参院議員が指摘するとおり、中国と話が出来るよう安倍総理に縋ろうとしていると見るのは当っているのではないかと思いますね。
勿論、日本とて、そんな韓国の都合の良い願いをホイホイと聞くほどお人よしではありません。
共同通信は「文大統領の早期訪日を受け入れることは、『慰安婦日韓合意を守ることが、事実上の条件になるだろう』という解釈が支配的」だと伝えています。まぁそうでしょうね。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラと蝙蝠外交を続けた韓国ですけれども、正に八方塞がりの状況に追い込まれてきました。けれども、それは自業自得の面が相当にあります。約束を守らない国、嘘をつく国は信頼されないのです。
日本は慰安婦合意の履行を盾に、静観するだけでよいと思いますね。
この記事へのコメント
戦時は便依兵
今後、ますますカルマの刈り取りが進むだろうよ。
やらかしてきたことに対し、きっちり責任を取ってもらいます。
暇工作
日韓合意の重要な点は、1965年の日韓基本条約の穴(旧条約無効問題の先送り)を上書きし、不可逆的に解決したところにあります。
この点をマスコミは報道していません。知らないのか、理解できないのか、あるいは知っていて大韓民国の為にカードを作り、ミスリードをしようとしているのか。
しかしながら、安倍総理の戦略には驚きます。戦術として理解している保守系の日本人には評判が悪いですが、米国オバマ大統領の戦術を逆手にとって、日米にとってはプラス、大韓民国にとってはマイナスの仕掛けをやるのですから。
朝鮮半島は、じわじわと真綿で首を締められるように追い詰められています。彼らは、斜め上の予想外の行動に出ますから、益々内外共に注視していかなければいけません。