昨日の続きです。


12月20日、日本を訪問している韓国の康京和外相は東京都内のホテルで開かれた韓国記者団との懇談で、文在寅大統領の早期訪日は推進していないと述べました。
康外相は文大統領の訪日について「考慮することは可能だが、平昌五輪前に単独で日本を訪問する日程を政府内で議論したことはない……訪日期間に行った対話について報告してから大統領が決めることだが、韓中日首脳会談に合わせて日本を訪問する方向で推進している」と単独訪問を否定しましたけれども、その一方で「文大統領は環境が整えば早期に日本を訪問する意志を持っている」と含みを持たせました。
昨日のエントリーでも紹介しましたけれども、康外相が来日する前の17日の段階では、ユンヨンチャン青瓦台国民疎通首席が「もし韓・中・日首脳会談が遅れる場合、ムン大統領が日本を別途で訪問する部分についても検討があると思う」と文大統領の単独訪日を検討すると述べていたのです。
それが、急に手の平を返して、議論したことはないと言い出しました。おそらく日本側から断られたのでしょうね。或いは、慰安婦合意を履行せよ、話はそれからだとでも言われたのかもしれません。
実際、康外相は19日に安倍総理と会談した際、平昌冬季五輪への安倍総理の出席を求めています。けれども、安倍総理は「国会日程などを踏まえた検討になるが、平昌五輪の成功は祈っている」とだけ応じ、出席するとは答えませんでした。
本番まで2ヶ月を切ったこの時期になっても、出席するとはいわないのです。実質断りの返事だと見ていいでしょうね。おそらく康外相は安倍総理の平昌五輪出席の感触を得た上で、五輪前に文大統領を訪日させる腹案を持っていたのだと思われます。
五輪前に文大統領が訪日すれば、その返礼で安倍総理が訪韓するという形になりますから。
ところが、安倍総理からは色良い返事は貰えなかった。それで急に文大統領の早期訪日の計画はない、と翻したのでしょう。
安倍政権は韓国が慰安婦合意を履行しない限り相手にしない、という態度をすっかり固めています。
今年中に日本で行う予定だった日韓財務対話も開催が見送られました。その理由は無論、韓国との歴史問題の溝が埋まらないからです。政府はとても金融協力を話し合う環境が整っていないと判断したようです。
撤去どころか増えていく慰安婦像に、徴用工問題。当然でしょうね。
今や韓国政府は度重なる反日と裏切りを重ねてきた御蔭でにっちもさっちもいかない状況に追い込まれています。
康外相は先の韓国記者団との懇談で、慰安婦合意検証のタスクフォースについて「慰安婦合意の経緯や内容に関する評価を出すが、政府に『合意をこうすべきだ』などとの政策を建議する内容は盛り込まれない……政府が被害者や被害者団体、学者らの意見を聴取しながら確立していく」と検証はするが、政府の公式見解だと受け止められないように逃げの手を打つ一方、「『ろうそく革命』で誕生した政権として韓日間の合意があるという外交上の現実と、国民が受け入れていない事実とのジレンマをどう解決するかが問題」と泣きを入れています。
また北朝鮮の核・ミサイル問題に関しても、「北の問題で政策連携をすることと、軍事同盟へと進むことには実質的に大きな差がある……これまで行ってきた安全保障での協力は続けていくというのが政府の立場」と、日本と連携はするが軍事同盟は結ばないと、微妙な距離を取った発言をしています。
これは、当然、韓国が中国に結ばされた「三不」原則の一つである「日米間3ヶ国軍事同盟の不推進」を意識しての発言でしょうね。
日米中、そして国内と全てにいい顔をしようとした結果、身動きが取れなくなっているのですね。
その結果、北朝鮮による半島危機を前にして、韓国政府は、何もしない、何も出来ないということにもなりかねません。
ですから、日本政府、とくに在韓邦人の方々には、有事になっても韓国政府は何もしてくれないことを想定した上で、対策を考えておくべきではないかと思いますね。
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