今日はこの話題です。


12月22日、韓国大統領府は、訪問先のアメリカで受けたNBCのインタビュー内容全体を公開しました。
それによると、緊張高まる半島情勢の中、来年2月に開催される平昌冬季五輪について「トランプ米大統領から平昌冬季五輪の安全な開催に向けて最善を尽くし、協力するという約束を取り付け、さらには平昌五輪の安全を米国が責任を負うという確約まで取り付けた」と語りました。
こんなことをいうのは失礼ですけれども、彼の国は自分の都合のよいことを先走って勝手に喋ってしまうことが多いですから、これもまたブラフ発言で、またいつもようにアメリカから「そんなこと言ってない」と真っ向否定されるのではないかとも疑っていたのですけれども、今の所、そのような発言はありません。
まぁ、五輪開催期間前後に戦争というのは、余程の事がない限り、ないと考えるのが普通でしょう。寧ろこの場合は、北朝鮮の工作員が第三国を経由して、韓国に入国してくることでしょう。入管でしっかりチェックできればいいですけれども、五輪期間中に観光客を装って紛れ込まされてしまえば、発見は困難です。
半島有事については、12月22日、安倍総理は都内の会合の挨拶で、「基本的には平昌冬季五輪があるから、大丈夫だ。緊張状態はあるが、韓国に行く分には何の問題もない」と述べています。
けれども、一国の総理が、こんな重大な発言を軽々と出来る筈がありません。何らかの裏付けがあり、自信があるのでしょうね。あるいはトランプ大統領から、五輪が終わるまでは武力行使はない、とでも伝えられているのかもしれません。
筆者は「ティラーソン国務長官の無条件対話発言について」のエントリーで、半島有事について、あるとすれば、平昌オリンピック、パラリンピック終了後の3月後半から4月辺りではないかと述べましたけれども、何からそれを暗示させるような発言ですね。
ただ、気になるのは安倍総理は「大丈夫」の枕詞に「韓国に行く分には」を付けている点です。これは裏を返せば、「韓国から帰って来る分については大丈夫ではないかもしれない」ということです。帰りの保証はできないということですね。
韓国政府は非戦闘員退避活動(NEO)について、アメリカ以外とは各国軍の活動に関する協議を拒否しています。これが五輪が終わるまでに全て解決するとも思えません。となると、やっぱり韓国に行ったはいいが、いざ有事が発生すれば「帰ってこられない」という可能性があるということですね。
選手団とその関係者は仕方ないのかもしれませんけれども、今の情勢を見る限り、はっきり言って行かない方がよいと思いますね。
アメリカは五輪に配慮するかもしれませんけれども、北朝鮮にしてみれば、そんな義理はないからです。
北朝鮮に対する経済制裁は確実に影響を与えています。いつ暴発しないとも限りません。
11月21日、アメリカ財務省は北朝鮮船舶が国連安保理の制裁決議に違反して、石油とみられる物資を他の船舶から移し替えているとしてその画像を公開しています。
どうやら北朝鮮は9月の安保理決議で石油精製品の輸入を大幅に制限された為、東シナ海の公海上などに輸送船を送り込み、海上で別の船に横付けして積み荷を受け取る「瀬取り」を繰り返しているようなのですね。
日米関係筋は、その中には中国の船も含まれていると見ているそうで、これらの抜け穴を防ぐべく、取り締まりを強化する方針を出しています。
12月初旬にアメリカのティラーソン国務長官は、「北朝鮮から、もしくは北朝鮮向けの物資の海上輸送を禁止する権利を含む、海上安全を強化する追加措置を講じなければならない」との声明を出していますけれども、当然これら、北朝鮮の海上密輸を睨んでのことです。
アメリカは、圧力を掛ける余地があるうちはジワジワと、圧力を掛け、自身で設定しているであろうデッドラインのギリギリまで圧力による解決を目指しているようにも見えます。
ただ、それでも、デッドラインまでそうそう時間が残されているとも思えません。やはり五輪が終わった後から、尤も警戒すべき時期に突入するのではないかと思います。
けれども、先にも述べたとおり、平昌五輪に行ったはいいが、帰って来るリスクを考えると、気軽に南大門を「通りゃんせ」とはいかないと思いますね。
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