日米同盟プラス英
今日はこの話題です。
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この度、1989年におきた中国の天安門事件の使者が少なくとも1万人に上るとするイギリスの公文書が公開されました。
これは、当時の駐中国アラン・ドナルド大使が本国政府に宛てた外交機密電報で、弾圧が起きた翌日の6月5日にアラン大使は「最低に見積もっても一般市民の死者は1万人」と見積って、報告しています。
これまで報じられた死者数は数百人から1000人余りで、中国共産党の公式発表では「事件による死者は319人」となっています。中国共産党による報道規制によって客観的な調査が行われていないこともあり、当時、中国人民解放軍の手によって死体が集められ、その場で焼却されたなど、諸説入り乱れている状況でした。
フランスの中国研究家ジャンピエール・カベスタン氏は、最近機密解除されたアメリカの文書も類似した死者数を割り出していることから、当時のイギリス大使によるこの推定値には信憑性があるとコメントしています。
イギリスはメイ首相になってから急激に親中路線の見直しを図っています。
メイ首相は「媚中派」とされるのオズボーン前財務相を更迭し、今年5月の「一帯一路」首脳会議への参加も見合わせています。
メイ首相は、昨年6月の国民投票でEU離脱が決まった後に就任した首相です。今更EUに戻る訳にもいかず、EUとの関係以外の国々との外交関係強化を模索していました。
メイ首相は、今年1月、アメリカのトランプ大統領の就任直後に会談。関係強化を図ると共に、アメリカと共に中国を警戒する日本に接近を始めています。
特に軍事・安保面での強化が顕著で、今年1月には日本と、物品役務相互提供協定(ACSA)を結び、3月には次世代ステルス戦闘機開発に関して共同研究する覚書を締結。7月には、2018年に南シナ海へ新造空母を派遣し「航行の自由」作戦を実施すると宣言しています。日米同盟にイギリスが一枚噛んできそうな勢いです。
日本も共同訓練の強化に向け、イギリス政府との「地位協定」締結に向けた準備を始めました。
河野外相は日英安保協力について、「パートナー国から同盟国へ関係を強化していくことになった」と述べていますから、日英同盟復活の期待の声も上がっているようです。
これは日本にとっても悪い話ではありません。というのも、イギリスとの同盟は、安倍総理が打ち出している「自由で開かれたインド太平洋戦略」に大きく力を与えることになるからです。
インドは勿論のこと、ニュージーランドやオーストラリア、シンガポールなどかつての大英帝国と繋がりのある国々が「インド太平洋戦略」に関係しているからです。イギリスを楔として彼らとの協力関係が強化されることも期待できますね。
実際、中国は「日米のように英国が『よけいなおせっかい役』をこの地域で演じ始めた」と猛反発していますから、相当警戒しているでしょうね。
また、イギリスは諜報活動も手慣れたものです。今回の天安門事件に関する公文書公開も、中国を牽制すると同時に、世界に向けた諜報活動の意味合いもあると思いますね。人権意識に問題があるだけでなく、それを隠蔽し続ける国だ、とイギリス経由で宣伝されたら、その影響力は馬鹿になりません。
更に、イギリスが国連常任理事国であるというのも地味に大きいです。
常任理事国のうち日本はアメリカとだけ同盟を結んでいますけれども、ここにイギリスが加われば、常任理事五ヶ国のうち二ヶ国を抑えることになりますから。
この線でいくと、次にターゲットになるのは、フランスかもしれません。日米同盟プラス英に仏を引き込めることが出来るなら、五ヶ国のうち三ヶ国を抑えることになりますからね。
当然中国も黙っていないでしょう。経済協力をチラつかせて、日英離反を図り、フランスを引き入れる工作をしてくることも考えられます。
その意味では、イギリス、フランスを巡って日中が自陣営の取り込みを図って綱引きするのかもしれませんね。
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