高まる北朝鮮の脅威と板挟みの中国
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12月2日、アメリカのマクマスター大統領補佐官は、カリフォルニア州で開かれた安全保障に関する会合で「ミサイルを発射し核実験をするたびに成功でも失敗でも技術が上がっていく。そしてわれわれへの脅威が増す」と指摘。
そして、韓国で多くの人命が犠牲にならずに済む軍事攻撃オプションは存在しないと強調した上で、国際社会が一致して北朝鮮に強い経済的圧力をかける必要性を述べ、特に中国に対し、国連安全保障理事会決議に基づく制裁以上の圧力をかけるよう要求しました。
アメリカは国連の場でも、中国に北朝鮮への石油禁輸を含めた制裁を名指しで要求していますけれども、ここにきてはっきりと中国に圧力を掛ける動きを見せています。
ただそれで圧力が掛けられるか、特に石油禁輸にまで踏み込めるかどうかは疑問です。
石油という対北最大のカードを手放すことになりますし、その時はその間隙を縫ってロシアが北朝鮮への石油輸出量を増やして影響力を増していくことも予想されます。
11月29日、国連安保理の緊急会合でヘイリー国連大使は「全ての国々は北朝鮮との外交関係を断ち、軍事、科学、技術、商業上の協力を制限すべきだ」と関係断絶と輸出入の遮断を呼び掛けてましたけれども、この発言について、ロシアのラブロフ外相が翌30日、「否定的に受け止めている」と述べ、拒否する考えを示しています。
北朝鮮に肩入れする気満々ですね。
恐らく、アメリカも中露のどちらがより北朝鮮への圧力を掛けてくれそうかを天秤に掛けた上で、中国に絞って圧力を掛けるよう要求しているのではないかと思いますね。
無論、それ以外にも昨年の北朝鮮の対中貿易は全体の92.5%、3年連続で90%以上と北朝鮮の生命線は中国が握っている状況ですからね。中国に要求するのは当然の選択といえます。
ただ、マクマスター大統領補佐官が指摘したとおり、北朝鮮の脅威が高まっているのは確かです。
アメリカでは、先月29日に北朝鮮が発射したICBMの分析を進めていますけれども、それによると弾頭部が大気圏に再突入する際に分解していた可能性があり、ミサイルの誘導技術にも課題があるとしているようです。
今回発射されたのはダミーの弾頭を搭載した2段式ミサイルで、1段目は他のミサイルよりはるかに大型で、今後更に改良されると見られています。
現時点で、北朝鮮がレッドラインを超えたと見做すかどうかについては判断が分かれるところですけれども、どんなに甘くみたとしても、最終誘導と大気圏再突入の課題がクリアされれば、アメリカによっても脅威は切実なものとなります。狙ったところに落とせる訳ですから。
いずれにせよ、北朝鮮がICBMを完成させるまで時間がないことは確かですね。
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