今日はこの話題です。


韓国が慰安婦合意の蒸し返しに力を注いでいます。
日韓関係者によると、12月下旬に韓国の康京和外相が初来日する方向で日韓両政府が調整していると報じられています。
河野太郎外相との会談では、北朝鮮の核ミサイル問題や来年1月に開催を目指す日中韓首脳会談について話し合う見通しとのことですけれども、康京和外相は慰安婦合意の蒸し返しも行うようです。
韓国外務省は7月31日に慰安婦問題に関する日韓両政府合意の協議過程などについて検証するタスクフォースを設置。知日派で革新系ハンギョレ新聞の論説委員室長を務めた呉泰奎氏を委員長とし、元外交官や学者ら計9人のメンバーで、検証を進めています。
タスクフォースは合意に関連した外交部の極秘文書を閲覧する一方、合意当事者を対象に聴取を進め、「被害者の意見を十分に聴取したか」、「日本の法的責任をなぜ明記できなかったか」、「最終的・不可逆的解決という文言が入れられた背景は何か」、「日本政府の拠出金10億円という金額は誰が先に提案していつ確定したか」などを検証しているようです。
タスクフォースは年内に検証結果に関する報告書を発表し、その後、韓国政府として合意の取り扱いを決める方針としています。
また、先月29日には、韓国野党、国民の党のチョ・べスク議員など19人の議員が日韓合意について、日韓政府間合意が被害当事者の意思を十分に反映しておらず、人間としての尊厳と価値を保証され、国家と外交的に保護されなければならない権利を侵害したため、無効だとする決議案を発議。韓国政府は日本との合意過程の文書を直ちに公開し、合意に対する即時廃棄を確認した後、迅速に再交渉することを呼びかけています。
どうやら康京和外相は韓国での慰安婦合意の検証結果や政府方針について説明するようです。
まぁ、韓国政府が検証をやるのは勝手ですし、韓国国会で合意破棄の決議案を出すのも自由です。韓国の国内でやる分には好きなだけやればいいと思いますけれども、それは合意になんら影響を与えるものではありませんし、あってはなりません。日本だって「河野談話」の再検証はしていますけれども、河野談話そのものは破棄していません。
いくら慰安婦合意が被害当事者の意思を十分に反映していない、と叫んだところで、民主国家において、国民の投票によって議員を選んだ以上、合意を含めて議員に信託したことになります。今頃になって不満をいってもどうにもなりませんし、その不満は次の選挙で示すしかありません。その結果誕生したのが文大統領の筈ですね。
検証結果が気に入らないからといって、その度に過去の合意を反故にしてしまうのならば、韓国と国家間合意する意味がありません。
11月24日、河野太郎外相は産経新聞のインタビューに答え、「韓国政府としても反故にはできない。『ゴールポスト』はもう固定されている。韓国政府がきちんと合意を履行することを期待する……韓国政府の中には、やや問題のある行動があるかもしれない。おかしなことがあれば、きちんと指摘して直してもらう」と述べています。
更に河野談話についても「別の河野さんが出したものだ……河野談話への評価は本人に聞くべき……安倍晋三首相が出した戦後70年談話と日韓合意に尽きる。それ以上でもそれ以下のこともない」と釘を指しています。
随分とはっきりとしたもの言いですけれども、国際社会ではこれくらいでないといけません。日本が合意を守り、韓国は守ってない。少なくとも日本に非はない。それだけのことですね。
もしも韓国の康京和外相が慰安婦合意の検証結果を日本に伝え、合意の見直しなり再交渉なりを言い出すのであれば、それこそ河野外相は「河野談話」の検証結果を韓国に伝え、その見直しなり、破棄を通告してもよいことになります。
まぁ、日本はそこまで非常識なことはやらないでしょうけれども、ロジック的にはそういう無茶苦茶なことを韓国はやろうとしているということです。
もっとも、韓国政府自身もそのことは自覚しているようで、韓国の政府関係者は「タスクフォースが慰安婦合意に対して否定的世論の多い国民を納得させる結果を出す一方で、対日外交を大きく損なわない範囲を探るために苦心しているようだ……矛先を日本に向ければ対日関係は大きく悪化するだろう」と述べています。
議論は平行線で終わるでしょうけれども、河野外相には、ゴールポストは動かないこと。合意を履行するようしっかりと伝えていただきたいですね。
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