今日はこの話題です。


イギリスのサンデー・タイムズは12月3日付の記事で、中国指導部は北朝鮮の核保有を現実として受け止める方向でいると報じました。
記事によると、北京のシンクタンクである清華-カーネギーグローバル政策センターの趙通研究員の見方を引用し、「中国とアメリカは北朝鮮の核開発の意図とそれに伴う脅威についてそれぞれ解釈が異なる……中国指導部は北朝鮮を軍事的に止めることができるタイミングは過ぎたとみており、中国はアメリカもそうした現実を受け入れるべきだと考えている」と指摘。
更に「中国としては核を持つ北朝鮮が良いはずはないが、現時点で北朝鮮との貿易を全て中断し、北朝鮮が崩壊する可能性の方をより懸念している。それは数百万人の難民が国境を越えることや、アメリカの軍事力が中国との国境に配備されることを意味するからだ」と分析し、北朝鮮の核保有が核拡散につながる懸念については、「中国は北朝鮮が核保有国の地位を得れば、核技術を拡散させ、国際社会の報復を招くようなことはしないとみている」としています。
とうとう中国も匙を投げたようです。
けれども、核保有を認めても、北朝鮮は核技術を拡散させることはないだろう、という中国の見方については首を傾げざるを得ません。百歩譲って核技術を拡散させなかったとしても、核をカードにこれまで以上に恫喝をしてくることは目に見えています。
もしも、アメリカが北朝鮮の核保有を認め、北朝鮮と平和条約を結ぶような事態となれば、金正恩は、国内にはアメリカに勝ったと喧伝し、国外には経済制裁解除は勿論のこと、経済援助や在韓米軍の撤退を要求してくるでしょう。
アメリカも、朝鮮半島に在韓米軍を置いておく意味もなくなりますから、名実共に韓半島から撤退する可能性は高い。
仮にそうなったとき、その次に金正恩が狙うのは、北朝鮮による韓国の占領、半島統一です。無論、その際は、在日米軍の介入を阻止するために、同時に日本を核ミサイルで脅しつつ「アメリカのせいで、戦争に巻き込まれるのだ」と工作して、日本のマスコミに宣伝させることが考えられます。
要するに日米同盟を断ち切るということですね。これは中国にとっても都合のよいことですから、この工作には中国も後押ししてくるのではないかと思われます。
よしんば、日米同盟が解消されることがあったなら、日本の危機は一気にレッドゾーンに達します。
アメリカの国営放送ボイス・オブ・アメリカの中国語版サイトは、この程、アメリカが北朝鮮に核兵器開発を放棄させることはもはや不可能であるとする記事を掲載しています。
記事は、アメリカが中国に北朝鮮への石油供給停止を求めていることについて、専門家から「たとえ中国が同意したとしても、アメリカには北朝鮮の核兵器プロジェクト完成を阻止する時間はすでに残されていない」との指摘が出ていることを紹介。
更に「少なくとも核兵器計画が完了する、あるいは完了間近になるまで、北朝鮮は協議を受け入れようとしないだろう……北朝鮮は協議を望み続けてきたが、まず核兵器を放棄せよというアメリカの条件に問題があった……金正恩はイラクやリビアが核兵器を放棄した後の命運を見ており、先に核を放棄することはあり得ない」との指摘があると述べています。
そして「北朝鮮に核の放棄を要求するよりも、核保有国としたうえでその行為を制御した方が良い」という考えを示す人が増えてきているとしています。
では、北朝鮮の核兵器計画が完了するのはいつなのか。
12月4日、アメリカ・コロンビア大学のマーク・セドン客員教授は、イギリスのガーディアン紙への寄稿記事で、アメリカのジョン・ボルトン元国連大使がロンドンを訪れ、英議会下院の議員と対面した際、「CIA首脳部はドナルド・トランプ大統領に、北朝鮮のICBMプログラム開発を中止させられるリミットまで3カ月しか残っていない……3カ月たったら北朝鮮はワシントンDCを含むアメリカの諸都市を核ミサイルで攻撃できる能力を有するようになるだろう、とトランプ大統領に告げた」と述べていたことを紹介しています。
これが本当であれば、残された時間はあと3ヶ月しかないことになります。
北朝鮮が核を保有したら、その次には日米同盟の解消、北朝鮮による半島統一、中国の南シナ海から西太平洋の支配確立と、ドミノが倒れるように勢力圏が塗り替わっていく危機に晒されます。
今や、日本の危機が目前に迫っていることを知らなけばならないと思いますね。
この記事へのコメント
金 国鎮
最初はシリアで巡航ミサイルを反体制政治勢力に使った。
トランプのそれ対する反応は無表情な素人の演説だった。
要はその場その場の場当たり的な反応をしている男だ、東京都の小池と同じレベルだ。
これは朝鮮半島情勢が読めてくる。
在韓米軍をできるだけ早期に引き上げて韓国軍に指揮権を戻し、アメリカはこの地域の軍事紛争にかかわらないという政策にいくだろう。
アメリカの労働者に約束したオバマケアの見直しと大型減税のみがトランプの関心だ。
日本には在日米軍を引き続き置くだろう、安部晋三の努力だね(笑)。
朝鮮半島の情勢を読みにくくしているのは日本の大手メディアの狂気乱舞だ、恐らく先の戦争でも連日連夜鬼畜米英を叫んでいた連中だ。
北朝鮮の反体制政治勢力とヤクザ組織の情報を韓国が正確につかんでいるのであれば
次に韓国軍と彼らの協力が朝鮮半島の新しい契機を作るだろう。
米軍はどうでもいい話だそして米軍の関与しない朝鮮半島は核があろうとなかろうと中国・ロシアそしてトランプにとって彼らは歓迎すべき政治勢力だ。
韓国が北の人民に食糧援助をするという。
正しい政策だ。
問題は北の誰に渡すかが問題だ、そこさえ正確に押さえることができればアメリカ・日本が何を言おうと無視すればいい。
北の食料の配給のラインを握っているのは北のヤクザ勢力だ。
問題はそこに尽きる、彼らの情報を全く知らないアメリカ・日本が朝鮮半島の安定というのは
単なる理屈にしか過ぎない、勿論北の金正恩のいう核ミサイルも同様だ。
朝鮮半島の冬は厳しい。
戦時は便依兵
日本全体が目覚めるきっかけとなることを祈りたい。