南北対話は米朝戦争を引き寄せる

 
今日はこの話題です。

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1月4日、アメリカのトランプ大統領と韓国の文在寅大統領は電話会談を行いました。

会談の中で、文大統領は南北対話の現状について説明し、「アメリカと緊密に協議する。南北対話が北朝鮮の核問題解決のための米朝対話の環境づくりの助けになると確信する」と述べ、「北朝鮮が挑発しない場合、演習延期の意思を示せば、平和五輪の成功に助けになる」と五輪期間中の演習中止を要請しました。

これに対し、トランプ大統領は「私に代わって五輪期間の演習はないとおっしゃっても構わない」と応じ、南北対話が「よい結果になることを望む……対話の過程でわれわれの助けが必要ならいつでも教えてほしい。米国は百パーセント、文大統領を支持する」と述べました。

北朝鮮の金正恩は南北対話をするために、米韓合同軍事演習の中止を要求していましたから、文大統領は其の為の条件を整えようと動いて、五輪期間中の米韓合同軍事演習中止をトランプ大統領と掛け合った訳です。

本来であれば、米韓合同軍事演習中止に見合うだけの何かを北朝鮮から引き出せないといけないと思うのですけれども、そこまで持っていけるのかどうかについては疑問が残ります。

北朝鮮は、核・ミサイル開発の"凍結"の見返りに韓国に経済援助を求めてくるのではないかと思いますけれども、北朝鮮は核・ミサイルを表向き"凍結"するように見せるだけで、手放すことは決してない。それはこれまでの言動から明らかです。仮に北朝鮮が核・ミサイル開発を"凍結する"といったところで、1年や2年の話ではないかと思います。北朝鮮の大陸間弾道弾の完成までの期間を考えると、その程度あれば十分ではないかと思います。

ですから、結局のところ、南北対話は北朝鮮の時間稼ぎに使われるのではないかと思いますね。

それは安倍総理も認識しています。

先日、安倍総理は、ジャーナリストの櫻井よしこ氏ら女性論客4人を首相公邸に招き、対談を行ったのですけれども、櫻井氏が北朝鮮に対する国民の意識の変化は感じるかという質問に対して、「随分理解は深まったと思いますが、まだ北朝鮮と話し合った方がいいという方はたくさんおられます……北朝鮮と単なる話し合いをしても時間稼ぎに使われてしまうわけです。核開発計画を完全に放棄し、検証可能な形で不可逆的に廃棄していくことにコミットさせる。それを行動に示していくことが必要だと思っています」と述べています。

安倍総理が指摘する「核開発計画を完全に放棄し、検証可能な形で不可逆的に廃棄していく」ことを親北派である文在寅大統領が成し得るとはちょっと思えません。

それどころか、逆に南北対話にかこつけて、北朝鮮をサポートする可能性も考えられます。

評論家の石平氏は南北対話について「結局韓国は金正恩に騙されたふりをして、米国の軍事攻撃を封じ込めて北朝鮮を救い、そして北朝鮮の核保有既成事実化に手を貸そうとしている」と述べていますけれども、その可能性は否定できません。北朝鮮に時間を与えれば与える程、北朝鮮の核およびミサイルは完成に近づきますからね。

おそらく、トランプ大統領もそのことは知っているのではないかと思います。

1月4日のエントリー「ロケットマンは韓国と話がしたいと言い始めた」で、アメリカは北朝鮮の内部崩壊を狙っている節があると述べましたけれども、もしも韓国が北朝鮮に経済援助でもして、今の北朝鮮に対する経済制裁に穴を開けるようなことになれば、その分だけ北朝鮮の内部崩壊は遠ざかることになります。

そうなると、次の焦点は核・ミサイル開発について"凍結"ではなく"廃棄"を求め日米と北朝鮮との間で丁々発止のやり取りが行われるでしょう。万が一、それが不首尾に終わったら、残るオプションは軍事攻撃しかなくなります。

その意味では、文在寅大統領が南北対話に前のめりになることは、逆に米朝戦争を引き寄せる切っ掛けになるかもしれませんね。

この記事へのコメント

  • kazusa

    こんにちは。
    時間が欲しい北朝鮮から見れば話合いという形で時間が担保されることが満点ではないかと思います。
    のらりくらりと話を引き延ばし、その間にICBMを量産し、ある日突然主要都市をを狙える数のICBMがずら~と並んだ映像を配信するのではないかと懸念します。
    2018年01月06日 10:12

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