対話は交渉ではない

 
今日はこの話題です。

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2月14日、アメリカのペンス副大統領はワシントン市内で開かれた米ニュースサイト「アクシオス」のイベントで北朝鮮との直接対話について「常に前向きだが、対話は交渉ではない……揺るぎない米国の政策を伝える機会がもしあるのならば、対話に臨むという立場を大統領ははっきりと言ってきた」と語りました。

ペンス副大統領は平昌五輪の開会式出席後、韓国からの帰路の機中でワシントン・ポスト紙のインタビューで「北朝鮮が望むのならば、我々は対話する」と述べていました。

これを受けて、朝日新聞は、南北対話の進展によっては、非核化が進まない場合でも北朝鮮と直接対話する可能性があるとしていたのですけれども、北朝鮮が核放棄するまでは圧力を掛け続けるというトランプ政権の方針に変更がないことを確認した形です。

ペンス副大統領の一連の発言について、日本政府の反応は従来通りで変わりません。

河野外相は13日の閣議後の記者会見で、「日米韓は極めて緊密に、圧力の最大化を続けていかなければいけないというところで連携ができているから、特に政策に変更はない」と無条件対話を否定していますし、また、16日からドイツのミュンヘンで行われているミュンヘン安全保障会議に出席し、北朝鮮の脅威や中国を念頭に置いた懸念を表明しています。

尤も、会議では専ら中国の海洋侵略の話題で持ち切りだったそうですけれども、多くの有識者が北朝鮮の核問題に言及し、主要な話題の一つであったようです。

米朝対話について、河野外相は現地で記者団に対し「北朝鮮に対して今、圧力をかけるというのが大事なことだ。ただ、北朝鮮に対してきちんと核とミサイルを放棄して、対話のテーブルにつけということを伝える、あるいはそれに対する北朝鮮の反応を聞くという意味で"接触"というのは大事だと思う。ペンス副大統領が"talk"と言ったものを、"対話"と訳したメディアがあったが、正確には接触」というふうに訳すものだと思う。そういう接触を否定するものではないが、今、対話をすることに得るものはないというのが日米韓共通の認識であることで変わりはない」と述べています。

ペンス副大統領は平昌五輪の開会式で、北朝鮮の金与正氏の近くに座ったのですけれども、言葉を交わすことはありませんでした。これについてペンス副大統領は「独裁者の妹を避けることはしなかったが、あえて無視した」と述べています。無条件の対話はしないというメッセージは送っていることになります。

これに対し、北朝鮮外務省のチョヨンサム局長は、「韓国滞在中、アメリカ側と会う意図はない……こちらからの協議の申し出は一切ないが、どうなるか様子を見るつもりだ」と述べたと朝鮮中央通信が伝えていましたけれども、現時点で米朝が接触したとの報道はありません。

このように核放棄してから対話がある、というのが日米の方針です。

では、当の韓国はどうなのか。

先日、北朝鮮の金与正氏から平壌での首脳会談に招待する旨の金正恩からの親書を受け取った韓国の文在寅大統領は、17日、首脳会談開催に関し「南北首脳会談に対する大きな期待があるが、私は少し急ぎすぎだと思う」といきなりの首脳会談は時期尚早だとの見解を示しました。

おそらく、ペンス副大統領、安倍総理からの釘指しが多少は効いているのでしょう。先日の日韓首脳会談の様子についてチラチラと報じられていますけれども、安倍総理からは相当厳しい事を言われたようです。

もっとも、それで文大統領が言う事を聞くとは思いませんけれども、時期尚早だと言わせるくらいにはブレーキを掛けたということです。

ただ文大統領は「われわれは南北間で現在行われている話し合いが米国と北朝鮮の対話に発展し、さらに非核化につながることを待ち望んでいる」とも述べているのですけれども、こちらが本音でしょうね。

文大統領の北朝鮮の核については、まず対話があって、その次に非核化があるという流れです。これは日米の対話の前に核放棄だという方針の逆ですね。

先日の日韓首脳会談で、北朝鮮について、安倍総理は文大統領に「そう簡単な相手ではない。過去に何度も対話でだまされた経験を忘れてはならない」と忠告しています。それを受けていながら、対話を先に持ってくる発言をしているのですから、暗に日米の方針に従わないと宣言したも同然です。

表向きは日米韓が連携して北朝鮮に最大の圧力を掛けるとなっていますけれども、実際は連携しているのは日米で韓国は半分以上北朝鮮に繋がっているとみて、対応しなければいけないと思いますね。

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