昨日の続きです。


コインチェックからNEMを盗んだ犯人ハッカーのものと思われる口座から、不可解な送金が行われたことが追跡されました。
これは、26日の事件発覚後、色んな一般人の口座から犯人の口座に少額の入金や、チャットメッセージの送信が行われていたそうなのですけれども、犯人はそれに対する返信として、30日夜からNEMを送付したとのことです。額は100XEM(数千円程度)と少額で、9つのアカウントに対して、計14回送付しています。
1月29日のエントリー「コインチェックハッキング犯とNEM財団の攻防の行方」で、「初代2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が『犯人は小さい額をまったく関係ないアカウントに送りつける』のではないかと予想している」ことを紹介しましたけれども、見事にその通りになった形ですね。
もっとも犯人はそれ以外にも、最初に分散送金した9口座のひとつから別の口座に11億円相当を移し、その直後に全額を元に戻した形跡もあるようです。更には、2月1日午前3時前に初めてアメリカの取引所に送金されたことが明らかになりました。
犯人は「送金の監視・追跡態勢を確認する」、「流出したNEMを受け取った口座数を増やし追跡を攪乱」、「NEMの流通システムを混乱させ監視不能に陥らせる」といった狙いがあるのではないかと見られていますけれども、そうだとすれば、犯人はなんとかして換金できないかチャンスを窺っているということになります。
犯人の口座が分かっている以上、他の取引所が犯人の口座からの換金を受け付けない限り、犯人は動きづらいでしょうね。
事件から日にちが経つにつれ、ネット上ではコインチェックの和田社長の過去の発言が掘り起こされるなど、色んな議論が交わされています。
そんな中、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)で、元社員と名乗る人物から「今回の事件は自作自演で計画倒産をしようとしている」などと内部告発と思しき書き込みがあると一部で騒ぎになっています。更には「今週末の金曜日に破産申告を予定している」とも書き込まれているようです。
勿論、この書き込みの真偽は分かりませんし、現時点ではただの「噂」に過ぎません。
ただ、去年の7月にジャーナリストの山岡俊介氏は「なぜ今? 某仮想通貨取引業者に『自主廃業』説」とした記事を書いています。
記事では、その自主廃業を考えている会社は"かなりの大手"の取引所で、昨年の段階で、ビットコインの換金にも中々応じて貰えず、取引所としての登録についても、調べられたら困る事情があるらしく登録申請をしないようだと述べられています。
この記事では、その自主廃業を考えている会社名は勿論伏せられているのですけれども、なぜか「仮にC社とする」としているのですね。AでもBでもなくC社です。無論「C」はただそうしただけで頭文字でも何でもないかもしれません。けれども、それならばA社、B社とアルファベット順に使っていくのが自然です。それをいきなりC社というのは少し違和感があります。
仮に「C」が該当会社の頭文字だとすると、色んな事が繋がってきます。
下の図は日本の取引所のシェアを示したグラフですけれども、頭文字"C"で"かなりの大手"となると、もう大分絞り込まれてしまいますね。
残念ながら、内部告発の"噂"を抜きにしても、コインチェック社は相当に怪しいという感触を抱かずにはいられません。
犯人が自首するなり、捕まるなりして、盗まれたNEMが戻って来ることを祈りますけれども、万一、コインチェック社が倒産ということになれば、その背景と合わせて相当荒れるのではないかと思いますね。
この記事へのコメント