通商拡大法232条と制裁される韓国

 
今日はこの話題です。

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2月16日、アメリカ国務省は、通商拡大法232条に基づく調査報告書を発表し、いくつかの制裁案についてトランプ大統領に提案しました。

制裁案は三つあり、次の通りです。
1)追加関税案 :全ての国を対象に最低24%の追加関税を適用
2)輸入条件枠案:全ての国に2017年比63%水準の輸入上限枠を設定
3)特定国案  :中国、ブラジル、韓国、ロシア、トルコ、インド、ベトナム、タイ、南アフリカ、エジプト、マレーシア、コスタリカを対象に53%の関税を課し、その他の国には17年実績と同水準の上限枠を設定
トランプ大統領は、報告を元に90日以内に輸入制限発動などの制裁措置を判断することになります。

2016年のアメリカの鉄鋼およびアルミ製品の輸入額は、年間約748億ドル(約8.2兆円)。中国、カナダがそれぞれ全体の約20%を占め、この二ヶ国で4割になります。続いてメキシコ(8%)、韓国(5%)、日本(5%)、ドイツ(4%)、ロシア(4%)、ブラジル(3%)となっています。

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この通商拡大法232条は、大統領の職権で特定の輸入品がアメリカの安全保障を侵害しているかどうかを調べた後、輸入を制限したり、高率の関税をかけたりする貿易制裁措置です。

けれども、これは、WTO協定に基づく輸入制限措置などとは異なり、アメリカの国内法に基づく措置です。WTOの輸入制限措置は、「輸入の急増が国内産業に損害を及ぼしている」ことを証明しなければならないのに対して、アメリカの通商拡大法232条は「輸入の量」あるいは「輸入の状況」が「アメリカの安全保障に脅威をおよぼしている」ことをアメリカが証明するだけで発動できます。

アメリカ国内法ですから、その通りといえばその通りなのですけれども、問題なのは「アメリカの安全保障に脅威である」が何であるかの定義がないことです。

これは裏を返せば、恣意的な運用も可能であるということです。

例えば、仮に北朝鮮がアメリカに鉄鋼製品を輸出していた場合があるとすると、アメリカに輸出して設けた金でミサイルを開発している。これは安全保障に脅威である。従って輸入制限等の制裁を行う。とまぁ、こういうロジックで適用してくる訳です。

尤も北朝鮮の場合は、誰が見ても脅威になっていますから、こうした輸入制限をしても文句は出ないでしょう。ただ、そうした明確な脅威が見えない相手に輸入制限を行うとなると、それなりの説明が必要になるでしょうね。

取り分け、今回提出された制裁案の中の「特定国案」は、12ヶ国を名指しで高関税を掛けていますから、掛けられた方は何故なんだ、となるでしょうね。

特定国案は12ヶ国を名指しして高関税を掛けるとしているのですけれども、それは必ずしも輸入額の多い国という訳ではありません。

20%の中国はありますけれども、同じく20%のカナダは入っていませんし、5%の韓国があって、同じく5%の日本は対象外です。

要するに、これらの国は単純な輸入額以外のところで「アメリカの安全保障に脅威である」と判断された訳です。

そして、この特定国案に反応して噛みついている国の一つに韓国があります。

韓国は、特定国の中に、カナダ、日本、ドイツなどアメリカの伝統的な友好国を対象から除外しているにも関わらず韓国が除外されていないのは何故だと叫んでいます。

仮に、アメリカが恣意的に通商拡大法232条を行使しているとするならば、韓国が対象に入っている理由はいうまでもありません。文在寅政権の北朝鮮べったり政策とそれに伴う裏切り以外に考えられません。

因果応報というか、やったらやりかえされるのが国際社会です。文在寅政権もこれをアメリカのメッセージとして受け取っているでしょう。

ただ、それで文在寅政権の態度が変わるとも思えないですけれども、このままでは北朝鮮諸共制裁が課される流れになるかもしれませんね。

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