今日はこの話題です。


2月7日、安倍総理は来日するアメリカのペンス副大統領との会談後。北朝鮮の圧力強化を維持し、日米韓の連携をより一層強固にする内容の共同文書を発表することで調整中であることが明らかになりました。
政府間の首脳会談後に共同声明が発表されるのは、別段不思議なことではありません。
外交文書において会談内容や合意事項を記した共同文書には、条約以外には「共同宣言」、「共同声明」、「共同発表」といくつかありますけれども、条約を除けば一番ランクが高いのは「共同宣言」で、法的拘束力を伴うものもあります(伴わないものもある)。その次にランクが高いのは「共同声明」で、法的拘束力は持たないものの、その内容は道義的な拘束力があるとされます。その次が「共同文書」で、「共同声明」と比べてより記録的な意味合いの強いものになります。
ただ、共同文書は、通常、国家のトップ同士の会談で交わされるもので、ナンバー2である副大統領との会談で共同文書が発表されるのは、異例のことなのだそうです。
その意味ではペンス副大統領は、大統領名代としての権限を持って安倍総理との会談に望むとも言えるわけです。
今回の共同文書が「共同声明」レベルなのか「共同発表」レベルに止まるのか分かりませんけれども、もしも「共同声明」が出されるのであれば、日米間の二国間の意思をして発表することになり、韓国に対して相当な圧力になることは間違いありません。
2月2日、ペンス副大統領はペンシルベニア州ピッツバーグで行った演説で「新しくなったアメリカの力でアメリカ政府は北朝鮮を以前になかったほど孤立させるという真の成果を出しつつある……戦略的忍耐の時代は終わったという簡単で明瞭なメッセージを伝えるためオリンピックに行く……北朝鮮が弾道ミサイル実験を続けてアメリカを脅迫する時、我々はあらゆるオプションがテーブルにある事実を明確にするだろう」と発言しています。
また、4日にはペンス副大統領の側近がニュースサイト「アクシオス」に対し、ペンス副大統領は「五輪での北朝鮮の行動は全て、地球上で最も専制的、抑圧的な体制という現実を隠すための誤魔化しだということを、世界に思い知らせる」とし、五輪が発信するメッセージを北朝鮮が「乗っ取る」ことは許さないと述べています。
ペンス副大統領は、平昌五輪開幕前日の8日に韓国に乗り込み、翌9日には。2010年3月に沈没した韓国の浦項級コルベット艦「天安」がある京畿道平沢の海軍第2艦隊司令部の西海守護館を、脱北者らを同行させて訪問する予定ですし、更には、昨年6月に解放された後1週間で死亡したアメリカ人大学生オットー・ワームビア氏の父フレッド氏を平昌冬季五輪の開会式に招待したようです。
いわば北朝鮮の残酷な人権弾圧の証拠を世界にアピールする訳で、平昌五輪を政治利用する北朝鮮に対する明らかなカウンターですね。どちらも政治色を前面に出しての対立となります。果たして、日本のマスコミ、特にテレビ局が、故ワームビア氏の父、フレッド氏を報じるのかどうかは一つのポイントになるのではないかと思いますね。
韓国の文大統領は8日にペンス副大統領と会談を行う予定となっていますけれども、ペンス副大統領は相当に強力かつ明確な要求を文大統領に突き付けるものと思われます。
文大統領は翌9日に安倍総理と首脳会談を行うことになっていますけれども、安倍総理とペンス副大統領は共に日本で会談をしています。当然細かいところまで打ち合わせを済ませているでしょうし、なんとなれば、ペンス副大統領が、文大統領との会談内容を、即、安倍総理に伝えることだって可能です。
もし、文大統領が二枚舌を使って、安倍総理とペンス副大統領それぞれに違う事を伝えることがあったとしても、直ぐにバレますし、その時は増々、信用ならない相手であると判断されるでしょうね。
いずれにせよ、今回の米韓、日韓首脳会談は、巷で指摘されている通り、韓国への最後通牒になることは間違いないでしょうね。
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