アメリカの本気と準備が進む半島有事即応体制

 
台湾花蓮地震。大変な被害が出ているようです。お亡くなりになられた方には心よりお悔やみ申しあげます。

昨日の続きです。

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2月7日、安倍総理は来日中のペンス米副大統領と会談しました。会談で両氏は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、日米が協力して圧力路線を維持する方針を確認しました。

その後の共同記者発表でペンス副大統領は北朝鮮について、五輪に向けた南北対話は評価する一方、「日米、日米韓で連携してあらゆる方法で圧力を最大限まで高めていく……微笑外交に目を奪われてはならない」と述べ、北朝鮮は日米や世界全体を依然、脅かしており、核を放棄するまで孤立させ続けると強調。

「すべての選択肢が検討されている」として、近くアメリカが「最も厳しい制裁」を発動することも明らかにしています。

尤も厳しい制裁とは何かは分かりませんけれども、アメリカが昨年9月に国連安保理に提出し、決議された制裁案には、当初目指していた石油禁輸と金正恩の資産凍結が最終的に除外されていますから、或いはこれらの制裁を行うのかもしれません。

ただ、ペンス副大統領のいう「最も厳しい制裁」がそのまま国連安保理で決議されるとは限りません。おそらく中露が反対に回るでしょうし、仮に新たな制裁案が決議されたとしても、それで北朝鮮が核開発を放棄するとも思えません。

ペンス副大統領は日本に来る前、記者団に「誰が来ようと、私のメッセージは同じだ。北朝鮮は核開発計画と弾道ミサイルの野望を捨てなければならない」と話し、ホワイトハウス当局者は「ペンス副大統領が、北朝鮮側との面会を求めることは確実にない」としています。こうした、ペンス副大統領の本気振りを見るにつけ、既にホワイトハウスの腹が決まっているかのようにさえ見えます。

そのことはアメリカの新しい駐韓大使の人事にも見て取れます。

去年10月の段階で、ホワイトハウスは韓国系アメリカ人で、ジョージタウン大学教授のビクター・チャ氏を駐韓大使に内定、韓国に伝えていました。それが急遽取り消しになりました。

ビクター・チャ教授はアメリカ学界における朝鮮半島に関する有力な専門家です。

ビクター・チャ教授は先月31日にワシントン・ポストに寄稿し、「北朝鮮は止めなければ米国本土を脅かすことを狙った複数の核ミサイルで軍備を増強し、アジアにおけるわれわれの同盟国を見捨てるよう脅迫するだろう……だがその解決策は、一部のトランプ政権当局者が提案しているような予防的軍事攻撃ではない」と主張しました。

ビクター・チャ教授は、北朝鮮の核問題の解決策として「軍事的解決よりは外交的解決」を強調し、今回の北朝鮮への軍事攻撃についても反対の意向をホワイトハウスに伝え、就任を固辞たようです。

そこでトランプ政権が駐韓大使に指名したのが、元在韓米軍司令官、陸軍大将のウォルター・シャープ氏です。

シャープ氏は2008年から2011年まで在韓米軍司令官を務め、2010年には対北朝鮮軍事作戦「オペレーション5029」を策定した人物です。つい最近まで在韓米軍司令官だった人物を駐韓大使に据える。思い切った人事です。もう誰がみても半島有事に備えた体制です。

シャープ氏は、在韓米軍は元より、自衛隊首脳ともホットラインを持っているでしょうから、有事の際の連絡・連携もより円滑に行われるでしょう。

何より元在韓米軍司令官を駐韓大使に据えた事実が非常に大きな外交メッセージですね。これは北朝鮮は勿論のこと、対韓国にも向けたメッセージにもなるでしょうね。

それだけではありません。トランプ大統領は更に畳みかけます。

2月6日、トランプ大統領は、国防総省に大規模な軍事パレードの開催を要請しました。

報道では、大統領に就任する前から首都ワシントンで軍事パレードを開催する案を温めていたらしいのですけれども、それがこのタイミングで発表される理由は、北朝鮮に対する牽制以外考えられません。

北朝鮮の金正恩は、平昌五輪開会式の前日に軍事パレードを行うと見られています。2月5日、アメリカの北朝鮮研究機関は、平壌郊外の様子をとらえた衛星写真を解析した結果、軍事パレードの準備を拡大させていると発表しています。

トランプ大統領の軍事パレード要請は、この北朝鮮の軍事パレードに対抗する動きでしょうね。そっちがその気ならこちらは黙っていないぞ、ということです。これは、仮にブラフであったとしても、そう発表するだけで、一定の牽制効果が望めると思いますね。なぜなら、トランプ大統領ならやりかねない、というイメージを持っているからです。

まぁ、仮にアメリカの軍事パレードが虚報だったとしても、駐韓大使に元在韓米軍司令官を任命したのは事実です。それだけでもアメリカの本気度が窺えますし、その上で、ペンス副大統領が韓国に乗り込んで、文在寅大統領に最後通牒を突き付ける。最も厳しい北朝鮮制裁を課す。

いよいよ半島情勢も煮詰まりに煮詰まったのではないかと思いますね。

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