ティラーソン国務長官解任
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3月13日、アメリカのトランプ大統領はティラーソン国務長官を更迭し、後任にポンペオCIA長官を充てると発表しました。
トランプ大統領は解任の理由として「長い間話し合ってきたことだ……われわれは実際には非常にうまくやってきたが、複数の案件で意見が異なった」と説明しました。
ポンペオ氏は陸軍士官学校卒業後、機甲部隊に所属し東西冷戦の最前線でも任務に当たった人物。退役後、ハーバード大法科大学院を修め、カンザス州で企業経営に乗り出し、2010年の下院議員選で初当選しました。
下院議員時代はイラン核合意の破棄を主張したほか、2012年に起きたリビア東部ベンガジのアメリカ領事館襲撃事件をめぐり、特別委員会でクリントン元国務長官の対応を厳しく追及。CIA長官就任後も強硬発言を貫いています。
2017年7月には安全保障関連のフォーラムで、北朝鮮について「最も危険なのは、支配している人物だ……最も重要なのは、そうした能力から使用の意図を持つであろう者を分離することだ」と、金正恩の排除を示唆したと受け止められ、北朝鮮の強い反発を招いたこともあります。
そんなポンペオ氏はトランプ大統領の最側近で、CIA長官として機密情報に関する状況説明をするだけでなく、内政課題に関しても相談に乗っているのだそうです。トランプ大統領は、ポンペオ氏とは考え方が一致していると強調し「彼とは相性が合う」と述べています。
首脳会談が行われる前には事前協議として実務者レベルでの会合が行われるのが普通です。そのタイミングで対外強硬派のポンペオ氏を国務長官に据えた。もう明らかに意図が感じられますし、外交メッセージも含んでいるものと思われます。
実際、ホワイトハウス高官によると、トランプ大統領は金委員長との会談前に自身の新しいチームを整えたかったと述べていますから、そういうことでしょうね。
ところが米朝首脳会談合意が報道されてからは、何時どこで行うのかといった具体的な動きはまだありません。
12日、韓国統一部の白泰鉉報道官は定例会見で、米朝首脳会談について「北の当局がまだ公に反応を示していない……北なりに立場を整理する時間を必要とするなど、慎重なアプローチをしていると思う……南北間で日程など実務的な協議が必要だ。そうした部分で立場を整理しているのではないだろうか」と述べています。
ただ、14日になって朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、「アメリカが武力を南に駐留させるのは、朝鮮半島と北東アジアで、みずからの侵略的な目的を実現するためだ……南の人民が望むのは、朝鮮半島の平和と安全を脅かすアメリカ軍の無条件撤収だ」と非難する論評を掲載しました。
先日、金正恩は韓国の大統領特使と会談していますけれども、その際、「軍事的な脅威が解消されて体制が保証されるならば、核を保有する理由はない」と表明したということで、北朝鮮が非核化の条件として、アメリカ軍の撤退を要求するのではないかという見方が出ています。
それをこのタイミングで改めて出したということは、前日13日にポンペオ氏の国務長官就任に対する牽制の可能性があります。対北強硬派が出てきたとて、要求は従来通りだ、妥協はしないぞ、という訳です。
既に水面下で米朝双方の牽制が始っています。米朝首脳会談が実現したとしてそれで問題が解決するとは限りませんし、そもそも首脳会談が流れる可能性だってないとはいえません。
しばらくは米朝双方の牽制含めた外交戦に注目する必要がありそうですね。
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