本当に秘密の半島有事シミュレーションとは何か

 
今日はこの話題です。

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2月28日、ニューヨーク・タイムズ電子版はアメリカ軍が朝鮮半島有事を想定した秘密の図上演習をハワイで実施していたと報じました。

これは、北朝鮮核問題をめぐる外交努力が失敗した際に備えてのことで、2月18日の週に行われました。

図上演習には、ミリー陸軍参謀総長やトーマス特殊作戦軍司令官らが参加し、数日間行われました。

演習は中東やアフリカから派遣した偵察機を地上部隊の支援に充て、在韓・在日米軍も展開するシナリオで、特殊作戦軍による北朝鮮の核施設への攻撃や、トンネル内での戦闘に関して具体的な部隊規模を協議したようです。

その結果、最初の数日間だけで約1万人のアメリカ人が戦闘で負傷し、民間人の死傷者は最大数十万人に上る可能性もあるとの推計も出て、ミリー陸軍参謀総長は、「兵士たちが体験したこともない厳しい戦いになる」と述べたとしています。

ただ、こんな図上演習が行われたと報じられることで既に「秘密」でも何でもなくなっています。本当に秘密であれば、外に漏れる筈もない。ブラフの匂いがしますね。

前にも何回か書いたと思いますけれども、"後の先"というか、やはりアメリカは北朝鮮に先に手を出させようとしているようにも見えます。開戦の為の大義名分を得る為には攻撃されたという事実は誰にも分かりやすいですし、説得しやすいですからね。

なので、図上演習をして、1万人の米軍兵士が負傷し、それ以上の負傷者が民間人に出る。米軍兵士は"体験したこともない厳しい戦いになる"と宣伝してみせているのではないか。そうすることで、北朝鮮に、「アメリカはビビッている。韓国に手を出して被害を出して見せれば、意外と講和に乗り出してくるのではないか」、とまぁ、こういう風に思わせようとしているのではないかとも思えてきますね。

もし、そうだとすれば、"本当に秘密"の半島有事シミュレーションは、これと反対の所にあると思いますね。

元陸自の陸将で、国際大学国際関係学研究科教授の山口昇氏は、ソウルは無傷では済まないが、火の海にはならない、と指摘しています。

山口氏によると、今や、米韓連合軍の精密誘導兵器の質と量は北朝鮮を圧倒しており、これまで蓄積してきた情報と相俟って1000発を越える精密誘導弾が、北朝鮮の砲撃前に制圧する、と述べています。

筆者も山口氏の指摘が実際のところではないかと思いますね。

更にCNNは、トランプ政権は、北朝鮮がアメリカを攻撃可能な核ミサイルの開発に成功した場合の軍事行動を検討していると報じています。

それによると、アメリカの国家安全保障当局者は、アメリカ本土に到達するミサイルの脅威だけでなく、核ミサイルの技術拡散の可能性にも言及し、イランやパキスタン、リビア、 非国家勢力の手に核ミサイル技術が渡りかねないとも危惧しています。

こうしたことから、現在、アメリカ政府は、 北朝鮮の核開発を阻止するため通常の軍事行動に踏み切った場合に軍民双方で多数の犠牲者が出るリスクと核技術が世界に拡散する危険を天秤にかけ、究極的には、技術拡散の可能性の方が危険性が大きいと見ているようです。

となると、トランプ政権は、金正恩が核ミサイルを捨てない以上、軍事行動を起こすしかなくなります。それが何時になるかは分かりませんけれども、少なくとも、北朝鮮がアメリカにまで届くミサイルを手する時までには、何らかなアクションがあるのではないかと思いますね。

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