自らの最大の武器を捨てた文在寅

 
今日はこの話題です。

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3月1日、韓国の光化門広場・教保ビル・東和免税店・大漢門・ソウル駅付近で保守系の7団体による文在寅大統領に対する大規模デモが行われました。

これは、平昌五輪閉会式に出席した、韓国海軍「天安」撃沈事件の主犯とされる金英哲・朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長を韓国政府が歓待したことに対する反発が理由のようです。

デモ参加者は「戦犯を歓待するなんて、国を守ろうとして亡くなった天安の兵士たちに合わせる顔がない」とか「自国軍の兵士を殺した人物を歓迎する国なんて、国ではない」などと憤りを顕わにしています。

警察が前日にデモの参加人数は1万5000人と予測していたのですけれども、太極旗を持ったデモ隊は、光化門広場から大漢門前までの世宗大路約900メートルを埋め尽くし、予想を上回る人々が集まったようです。光化門広場が太極旗デモの参加者で埋め尽くされたのは、文在寅政権発足以来、初めてのことですから、相当民衆の怒りを買っていますね。

実際、文大統領の支持率は下がっています。

2月26~28日に掛けて、世論調査専門機関リアルメーターが、全国19歳以上の有権者1503人を対象に調査した世論調査では、文大統領の支持率は前週に比べて0.2%pダウンの65.5%。

また、世論調査専門機関「韓国ギャラップ」が2月27~28日に行った世論調査でも文在寅統領の国政遂行に対する支持率は、一週間前より4%ポイント下落して64%。

文大統領に否定的に評価した人の回答の内訳は「対北朝鮮関係・親北朝鮮の性向」が先週より14%上昇した25%で1位です。ギャラップは「これは、平昌冬季五輪の閉会式出席など2月25日から2泊3日の日程を終えて帰国した北朝鮮高官級代表団長金英哲の影響とみられる」と説明しています。

文大統領はつい2ヶ月前まで高い支持率を誇っていました。

同じく「韓国ギャロップ」が1月12日に発表した世論調査では文在寅大統領の支持率は73%ありました。

更に、就任後6ヶ月となる2017年11月の調査でも支持率は73%でした。これは、歴代大統領の同時期の支持率と比較しても、金泳三元大統領の83%に続き2位に入る数字だそうです。

1月時点での世論調査で、文大統領を肯定的に評価した人の回答の中で最も多かったのが「コミュニケーション・国民に対する共感の努力(15%)」でした。

昨年5月18日の光州民主化運動記念行事では、文大統領は遺族を抱きしめましたし、セウォル号沈没事故についても、その遺族を直接労わりました。

これらはメディアによって大きく報じられましたけれども、こうした姿は"ウケ"がよいのも確かです。それが高支持率に繋がっていたのでしょう。

まぁ、多分にパフォーマンスである可能性も考えられますけれども、兎にも角にも高支持率をキープしていた訳です。

ところが、今回の平昌五輪を口実にした北朝鮮優遇政策は、その"国民ウケ"を考慮しないものでした。女子アイスホッケーの南北合同チームについても、国内で大きな反対の声が上がったにも関わらず、そのまま強硬しました。

冒頭で述べた、金英哲・朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長を韓国政府が迎え入れ、歓待したこともそうですね。

「コミュニケーション・国民に対する共感の努力」が自身への肯定的支持の最大のものであるにも関わらず、文大統領は北朝鮮政策において、それを怠った。彼は自らの最大の武器を捨てたのですね。

したがって、支持率が下がるのは当然の結果といえます。

これを立て直すに最も手っ取り早いのは、やはり反日です。3月1日の「3・1運動」記念式典で文大統領が演説を行い、日本を批判しましたけれども、国内支持を回復させるという意味では一番のカンフル剤であることには違いありません。

これで、何処まで支持率が回復するのか分かりませんけれども、もしもそれで回復するようであれば、それは文大統領の政策というよりは、そのパフォーマンスが支持されたのだという他ありません。

なぜなら、政治・経済状況は何も良くなっていないからです。確かに北朝鮮に対する融和政策で、北朝鮮との距離は縮まったかもしれません。けれども、その反面、日米との溝は深まりました。

それはそれで韓国の国家としての選択なのかもしれませんけれども、その道を選んだことによる結果については、彼ら自身で受けて貰わなければいけません。

文大統領の支持率が今後どう推移していくのか。今回のような文大統領に対する大極旗デモが今後も何度も行われるようであれば、彼の足元は益々危ういものになっていくでしょうね。

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