北朝鮮に操られる文在寅

 
今日はこの話題です。

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3月3日、韓国の文在寅大統領は、北朝鮮に特使を送ることを決定したと韓国メディアが報じました。

文大統領は、特使派遣は北朝鮮の金正恩の妹、金与正・党第1副部長らの高官が平昌冬季五輪にあわせて訪韓したことに対する返礼としていますけれども、その目的は米朝対話の橋渡しです。

文大統領は3月1日に行われたアメリカのトランプ大統領との電話会談で特使を派遣する計画を伝えたそうです。

これだけ見るとまるで韓国がいなければ、米朝対話の可能性などないように見えるかもしれませんけれども、実際は全然そうではありません。米朝単独の交渉チャンネルは存在しています。

昨年末、アメリカのティラーソン国務長官は「北朝鮮と2-3の対話チャンネルを稼働させている」と述べたことがあるのですけれども、米朝両国は、北朝鮮の国連代表部があるニューヨークを常時接触窓口として利用しています。ですから、北朝鮮がアメリカに何かいいたければ、直接言えるのですね。韓国を噛ませる必要はない訳です。

それをわざわざ韓国を間に入れる狙いは、韓国をいわば「使いぱしり」にして自分の都合のよいように持っていきたいからですね。

実際、北朝鮮は、韓国が特使を派遣するとしたことに対して、米韓合同軍事演習の中止を要求しています。

朝鮮中央通信は、「米国が戦争をもたらす凶心を示した……軍事訓練を強行した場合、北韓式の対応方式で治めるだろう」と批判。朝鮮中央テレビも「朝鮮半島情勢を意図的に悪化させようとする米国の対朝鮮敵視政策に追従してはならない…」とし、対南宣伝メディア「わが民族同士」も、「北南対話が継続するか、対決と緊張に戻るかは合同軍事訓練にかかっている……合同軍事訓練が再開すれば北南関係は取り返しのつかない破局に突き進むことになる」と述べています。

韓国に米朝対話して欲しいのなら、米韓合同軍事演習を止めさせよと脅迫している訳です。

韓国の文大統領は、自分がいいように使われているのか自覚しているのかしていないのか分かりませんけれども、アメリカに対して「北朝鮮との対話のハードルを低くしてほしい」などと要請しています。

無論、アメリカは、そんな北朝鮮の狙いを分かっています。

2月28日、アメリカのマーク・ナッパー駐韓代理大使は記者懇談会で、米朝対話の可能性について「非核化につながり得る、意味のある真剣な立場を打ち出せば対話に加わりたいが、そういったことが見られなければ対話に向かう道は難しいだろう……北朝鮮は、対話の機会を核・ミサイル開発のための時間稼ぎに活用してきた前歴がある。われわれは過去の誤りを繰り返したくない」と答えています。

この懇談会は韓国の文大統領が「北朝鮮との対話のハードルを低くしてほしい」と要請した直後に行われたのですけれども、それでこの発言ですからね。要するに、韓国の要求を即却下した訳です。

そんな中で北朝鮮からは、米韓合同軍事演習を中止せよ、と要求される。北朝鮮にとっては、アメリカとの直接交渉のパイプがニューヨークにある訳ですから、韓国からの特使受け入れと拒否して、対話を中断しても痛くも痒くもない。

ですから、言葉は悪いですけれども、傍から見ると、文大統領はいいように踊らされているようにしか見えません。

その意味では、韓国の国益、という視点から文大統領の方針でよいのかという疑問は残りますね。

アメリカが予定通り、米韓合同軍事演習を行い、北朝鮮が韓国特使の受け入れを拒絶した場合、今度は韓国世論が騒ぎ出すことが考えられます。あれほど北朝鮮に入れ込んだ結果何も得られなかったではないか、それどころか日米との関係も悪化した、どう責任を取るのかと、保守派から一段と迫られることになるでしょうね。

文大統領は自らの支持率を落としてでも、北朝鮮側にチップを賭けた。それがどういう結果を招くのか。半島情勢は不安定さを増していくと見てよいと思いますね。

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