北朝鮮の非核化プロセスを如何に進めるか

 
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安倍総理が北朝鮮問題の解決に向け、奔走しています。

28日、安倍総理はアメリカのトランプ大統領と約30分間電話会談しました。安倍総理は会談後「南北首脳会談は北東アジアの平和と安定に向けた歴史的な一歩であるとの認識で一致した……基本的な日米の方針は変わらない」と述べ、北朝鮮が非核化に向けて具体的な行動をとるまで最大限の圧力を維持する事を確認しました。

同日、ホワイトハウスが声明を発表し、電話会談でトランプ大統領が「日本の拉致問題を即座に解決するよう北朝鮮に促す」と伝えたことを明らかにしていますから、拉致問題も確認したということですね。

続く29日、安倍総理は韓国の文在寅大統領と電話会談を行い、南北首脳会談の内容について説明を受けました。その中で、文大統領は北朝鮮の金正恩委員長に日本人拉致問題と日朝関係に関する安倍総理の考えを伝えたと説明したことが明らかになりました。安倍総理は「詳細は現段階では申し上げられない。私から要請したことについてしっかり提案をしていただいた誠意に感謝したい」と述べているところを見ると、伝えるべきは伝えたようです。

昨日のエントリーで、北朝鮮が日本と対話の用意があると答えたのは、拉致被害者の帰国と引き換えに多額の経済援助を引き出す狙いがあるのではないかと述べましたけれども、朝鮮労働党内部では、米朝首脳会談後に日朝首脳会談を行う方針が説明されていると伝えられています。

複数の北朝鮮関係筋によると、北朝鮮内部では「安全保障はアメリカと、経済は日本と主に協議する」との戦略が検討されていて、日朝国交正常化が実現すれば、100億~200億ドル(約1兆90億~2兆180億円)の経済支援が望めると計算しているようです。

となると、昨日のエントリーでも述べた通り、拉致被害者の即時一括返還を実現し、北朝鮮に時間稼ぎをさせないようにする必要があります。

拉致被害者の帰国および核の完全な放棄を実現するまで経済制裁を緩和するべきではありません。

29日、アメリカのボルトン大統領補佐官は、アメリカのFOXテレビに出演し、北朝鮮の非核化について「米朝首脳会談で、北朝鮮側が核の放棄という決断の証拠を示せるのか確認したい。歴史的な合意となる可能性もあるし、ならない可能性もある……リビアでは、アメリカとイギリスの監視団がすべての核関連施設への立ち入りを認められたので、リビアへの疑念が消えていった」とリビアを前例に挙げ、国際社会の制裁を維持しながら北朝鮮が、まずは非核化を着実に実行することが欠かせないと強調しています。

けれども、あの北朝鮮がそんなに素直に核放棄するとも思えません。

実際、アメリカの情報当局者らは、北朝鮮が廃棄方針を示した豊渓里の地下核実験施設について、今もなお利用可能で容易に閉鎖も撤回できるとの認識を示しています。

当局者らによると、トンネル1本が崩壊したとしても他のトンネルが使え、また核実験施設が閉鎖されていても比較的短期間で再稼動が可能と分析しています。

当局者は「恒久的に使用不能にしたのか、閉鎖しただけなのかを既存の監視体制で突き止めることは可能だろう」と述べていますけれども、果たしてどこまで検証できるのか。

それに、もしも北朝鮮が核ミサイルの開発を完了していたならば、核実験施設の必要性は下がることになります。やはり短中距離含めたミサイルの完全廃棄が確認できない限り、北朝鮮リスクは残り続けると見るべきでしょうね。

既にトランプ政権は日本に対し、米朝首脳会談が決裂したら、軍事攻撃に踏み切ると伝え、それをリークすることで、北朝鮮にプレッシャーを与えていますけれども、一方、韓国も同じような牽制をしています。

30日、韓国の文在寅大統領が首席補佐官会議で、「ノーベル平和賞を取ってください」という故金大中元大統領の李姫鎬夫人の祝電が紹介された際、文大統領が「ノーベル賞はトランプ大統領が受賞しなければならない。われわれは平和だけ、もらえればいい」と語ったそうです。

これは、トランプ大統領を持ち上げている風でいて「ノーベル平和賞に値することをしているのだから、軍事攻撃など以ての外だ」と牽制していることは明らかですね。

トランプ大統領がノーベル平和賞に目が眩んで判断を誤る事はないとは思いますけれども、米朝首脳会談に向けて周辺国の様々な思惑を受け、水面下の攻防が激化していきそうですね。

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