近づいてきた日本の出番
更に続きです。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
5月27日、韓国の文在寅大統領は、記者会見を行い、前日に行った二回目の南北首脳会談について説明しました。
この中で文在寅大統領は「われわれ、南北首脳は、6月12日の米朝首脳会談が成功裏に行われなければならず、朝鮮半島の非核化と恒久的な平和体制のため、われわれの取り組みはけっして中断できないことを確認し、緊密に協力していくことになった。また、先月の南北首脳会談での合意を速やかに履行することを再確認した」と述べました。
南北会談を実施したことは北朝鮮内でも公表されています。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は会談の模様について金正恩委員長が満面の笑みでテーブルをはさんでムン大統領と向かい合って会談する様子などの写真を交え報じました。
会談では先月の南北首脳会談で合意した共同宣言の履行と朝鮮半島の非核化を実現するために解決する問題、それに米朝首脳会談を成功裏に開催することについて深く意見が交わされ、「南北の首脳は、朝鮮半島の非核化を実現するために共同で努力していく立場を表明した」としています。
金正恩委員長は、「来月12日に予定されている米朝首脳会談のために多くの努力を傾けてきたムン大統領に感謝の意を示し、歴史的な米朝首脳会談に対する確固たる意志を表明した……米朝関係の改善と、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制を構築するために今後も積極的に協力していこう」と述べたということで、米朝首脳会談の開催に向けて韓国に協力を求めました。
更に中断していた南北の高位級会談を、来月1日に開催することで合意したとしています。
それにしても、「来月12日に予定されている米朝首脳会談」などという辺り、会談したくて堪らないという焦りを隠せません。そして、自分から一方的に中断した南北会談を再開する、と韓国にまでも手の平返しなど、形振り構わないほど慌てていますね。
けれども、決まったことはそれだけで、米朝首脳会談については、会談したいと願望を述べただけで前回の「板門店宣言」から一歩も進んでいません。
前回、米朝首脳会談が中止になった経緯を考えると口先だけでアメリカが信用する筈がありません。また、会談開催に向けて協力するとした文大統領も同じくトランプ大統領の信用を無くしてますから、南北会談を重ねようが、宣言をいくつだそうが、それだけで首脳会談が行われるとは思えませんね。
まず間違いなく、完全非核化の意思と証拠を見せろとアメリカは迫るでしょう。それ以前に、文大統領の取次をトランプ大統領が受け入れるかどうかという話もあります。
案の定、文大統領の仲介が功を奏さなかったときは、金正恩は三度中国を訪れ、習近平主席に頭を下げることも考えられます。
けれども中国とてどこまで頑張れるか分かりません。昨日のエントリーでも触れましたけれども、中国はアメリカとの貿易問題解決に必死でした。それなのに、北朝鮮の為に動いてアメリカに睨まれでもしたら、また貿易問題再燃にも成りかねません。
イラン合意離脱に見られるように、国益の為ならば躊躇わず合意を破棄するトランプ大統領です。ZTE制裁解除を停止するなどとも言いかねませんし、そうでなくても中国は特に著作権絡みでは脛に傷を抱えています。口実をつけようと思えばいくらでもできるでしょうね。
下手をすれば、トランプ大統領にもっと制裁を強化しろと要求されて終わることだってあります。
それを考えると、中国は北朝鮮の為に体を張る理由はありません。おそらく金正恩が期待する程の働きは望めないでしょうね。金正恩にしても、中国に頼りきることのリスクも計算に入っている筈です。
24日、ウォールストリートジャーナル紙は米政府関係者の発言を引用して「24日に開かれたホワイトハウス国家安保会議(NSC)で、今後あるかもしれない軍事行動や新しい対北朝鮮制裁などについての議論があった……来週初めに出す北朝鮮への数十種類の新しい制裁を考慮中」と伝えています。
既に新たな追加制裁の準備に入っているのですね。そして同時に「トランプ大統領は会議で『必要な場合、米国の軍隊は準備ができている。もし不幸な事態が起こる場合、軍事的な対応についても韓国・日本政府と対話した』で述べた」とも報じています。
このようにアメリカは経済・軍事の両面で北朝鮮にジワジワと圧力を掛けているのですね。
米朝首脳会談開催に当たって、韓国が役に立たず、中国も期待外れとすれば、金正恩は行き詰ります。
そこでクローズアップされてくるのが、日本。安倍総理の存在です。
今現在、トランプ大統領に影響を与えることのできる数少ない首脳の一人が安倍総理です。こと北朝鮮問題においては特にそうであることは論を待ちません。
最早、トランプ大統領を動かせるのは安倍総理だけ。金正恩がそれに気づいた時に始めて日本の出番がやってきます。
自民党の青山繁晴参院議員によると、これまでの米朝間の水面下交渉で、アメリカ側は、日本人拉致被害者解放をずっと要求してくれているのだそうです。
中国、韓国に頼れなくなり、北朝鮮が苦渋の思いで日本を頼る時、その時こそ拉致被害者解放の最大のチャンスが訪れます。
つまり、北朝鮮から、拉致被害者を解放するから、なんとかトランプ大統領に米朝首脳会談を開いてくれるよう取り次いでくれ、と日本に泣きつかせるということです。
昨日のエントリーで、北朝鮮問題について菅官房長官が日本が考えている方向に回り始めてきていると述べたことを紹介しましたけれども、筆者は、北朝鮮が拉致被害者解放カードを日本に切らざるをえないようになるまでじっと待っているのではないかと思うんですね。
北朝鮮が進退窮まって日本に泣きついてくる時がくる。そうして漸く日本の拉致被害者解放の交渉が始まる。安倍総理とトランプ大統領が、最初からそこまでの構想を持っていたのかどうかは分かりませんけれども、菅官房長官のコメントを見る限り、ある程度は想定にあったことは間違いないと思いますね。
幸いなことにトランプ大統領は米朝首脳会談を中止した御蔭で、米朝首脳会談開催というカードの値段はうんと跳ね上がりました。
26日深夜、トランプ大統領は来月に予定される米朝首脳会談について「多くの人々が努力している。とてもうまく進んでいる」と会談日取りや場所に変更はないと述べました。
北朝鮮に揺さぶりを掛けていますね。主導権の握った感があります。
あとはトランプ大統領が韓国の取次や中国の口添えを適当にいなしていればOKです。そうすれば、自動的に北朝鮮は日本を頼らざるをえなくなります。
ようやく日本の出番が近づいてきたようですね。
この記事へのコメント
戦時は便衣兵
トランプが最終的に目指すのは中共の解体であり、北朝鮮問題は、その経由地に過ぎないと考えます。
この点に於いてトランプは一貫しておりブレがありません。
安倍さんの出番があるとするなら、その途上で、トランプから見て利用価値がある場合に限られるのではないでしょうか。
例えば、中共解体にあたって、日本に正式な軍隊及び核兵器を持たせることが、米中枢部で既に決定している。その為の一手として、外交成果を安倍さんに持たせる……とかですかね。
なので、特亜三国が日本を頼らざるを得なくなったのなら、それは、トランプがそう決定しただけのことだと考えます。
少なくとも、中共解体の脚本を書いているのはあくまでトランプ側であって、安倍さん、ましてや特亜三国は、脚本に添って動くことしか出来ないものと考えます。