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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
5月28日、安倍総理はアメリカのトランプ大統領と電話会談を行い、調整が進む米朝首脳会談を前に、日米の首脳会談を行うことで一致しました。
電話会談で安倍総理は、トランプ大統領から、一旦は会談を中止する考えを示した米朝首脳会談の背景や経緯について説明を受け、米朝首脳会談の前に行う日米首脳会談については、来月上旬にカナダで開かれるG7での開催を目指し、調整を進めるようです。
安倍総理はトランプ大統領に拉致問題について「解決が絶対に必要だ」と重要性を訴え、また、北朝鮮の核兵器に加え、生物、化学兵器と弾道ミサイル計画の完全かつ恒久的な廃棄の実現をめざす事を確認したようです。
核だけでなく、生物、化学兵器の廃棄も実現すれば、北朝鮮の脅威もこれまでよりは大分下がります。尤も、日本にとっては、中距離ミサイルのノドンなどは依然脅威ですから、これらの対処も追々必要となるでしょうけれど。
ただ、北朝鮮の専門家達の間では北朝鮮が本当に非核化すると思っている人はいません。
28日、米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカは、「韓半島専門家30人からアンケート調査の回答を受け取った結果、非核化の可能性を明るく見ている回答者は一人もいなかった」と報じています。
専門家らは、北朝鮮が過去、約束を全て破ってきたことを取り上げ、核を完全放棄するという証拠が何もない点を指摘しています。
タフツ大学のイ・ソンユン教授は「北朝鮮が今回の米朝首脳会談を通じて得ようとしているのは非核化ではなく、『完全かつ検証可能で、不可逆的な核保有国』という点を認められること」と皮肉なコメントを残しながら、「米朝首脳会談が実現したとしても、挑発以降の平和術策と退屈で出口のない交渉手続きという『続編』を演じることになるだろう」と予測しています。
まぁ、それはそうでしょうね。これまでの北朝鮮をみれば誰だってそう思うでしょう。
けれども、北朝鮮は此の後に及んで、まだ米朝首脳会談を盾にアメリカに要求をぶつけています。
29日、朝鮮労働党機関紙の労働新聞は論評で、米朝首脳会談に向けた協議が行われる中、米国が韓国との合同軍事演習を実施しようとしていると非難し、「会談を真に望むなら相手を力で威嚇する芝居を演じてはならない」と演習中止を要求しました。
日本人の感覚でいけば、身の程知らずに厚顔無恥としかいえないのですけれども、どうやら彼らにとっては、これが普通の交渉のようなのですね。
2000年代に拉致問題や核開発をめぐる北朝鮮との交渉を担当した藪中三十二氏は、北朝鮮流の交渉について次のように語っています。
交渉の過程で、彼らと最もズレがあったのが、時間の感覚でした。時間軸の捉え方が、北朝鮮は非常に長いのです。成程、北朝鮮の時間感覚がここまでズレているのであれば、「退屈で出口のない交渉手続き」を延々とやったところで、彼らにしてみれば、一向に構わない訳です。また、同じ要求を執拗に繰り返してこちらが根負けするのを待つのも彼ら流のやり方なのでしょうね。
日本では、交渉が始まるとマスコミに連日、成果を質されます。また、総理や外相の任期も長くても数年、それよりも短いことが多かった。どうしても、その中で成果を出そうとする心理が働きます。しかし、北朝鮮にはマスコミの追及もなく、トップに任期もない。1年、2年かかろうと何の問題もないのです。交渉の最中、私は日本の記者さんに対して「あなたがたは今日1日のことを質問するが、彼らは1年単位で考えているかもしれません」とよく言ったものです。
さらに、彼らは自分たちの要求について、長い時間、執拗に同じ主張を続けます。日本人には「同じ主張を何度も言うのは恥ずかしい」という感覚がありますが、北朝鮮にはそれがない。どれだけ過大な要求でも、とにかく同じことを飽きもせずにくり返します。やがて相手がくたびれてきて、徐々に「受け入れてもいいかな」と思うようになりかねない。
今回も其の手に飲みこまれてしまったら、これまでの繰り返しです。過去の過ちを繰り返さないと公言しているトランプ大統領もそこは考えているでしょう。
交渉担当に元CIAのポンペイオ氏、補佐官に過去北朝鮮との交渉を担当し、北朝鮮からクズとまで嫌われているボルトン氏を配置しているのもその表れだと思いますね。
北朝鮮も強気なことをいいつつも、高官をアメリカに派遣しています。
29日、北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が中国の北京国際空港に到着。30日のニューヨーク行き便に搭乗することが明らかになっています。
アメリカと事前協議するのでしょうけれども、果たして何処まで歩みよれるのか。双方の隔たりを考えると余り期待できないのではないかと思いますね。
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