巧みな外交をみせる北朝鮮

 
今日はこの話題です。

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6月19日、北朝鮮の金正恩委員長は中国を訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行いました。首脳会談はこれで3度目。矢継ぎ早やの訪問です。

中国中央テレビによると、習国家主席は先日行われた米朝首脳会談で金正恩委員長とトランプ大統領が朝鮮半島の非核化の実現について原則的な共通認識に達したことを「とてもうれしく思う」と歓迎し、「中国は今後も建設的な役割を果たすことになる」と述べました。

これに対し、金正恩委員長は「非核化の推進のために中国が果たした役割に感謝し、高く評価する」と述べたようです。

会談では非核化をめぐるアメリカとの交渉の進め方についても意見交換したものとみられています。

習近平国家主席は首脳会談後は晩餐会を開くなど、最高級のもてなしをしたようです。

また、滞在中、中国側は金正恩委員長を最新の農業技術の研究所や、鉄道の指揮センターに案内し、今後、北朝鮮の経済発展に全面的に協力していく姿勢を示しました。

中国は北朝鮮の指導者が訪中しても、帰国した後にそのことを報道するのが慣例でした。けれども、今回は金正恩の入国と同時に速報で伝えるという異例の対応をしています。それは何故なのか。

これについて筑波大学名誉教授の遠藤誉氏は、元中国政府高官への取材を通じ、中国は、国際社会に対して、半島問題の解決には、絶対に中国を欠かすことはできないとアピールしたい思惑があったのだ、と指摘しています。

確かに、米朝首脳会談では、金正恩のシンガポール入りに中国の専用機を使ったものの、会談そのものについて中国の影は見られませんでした。

そのタイミングで金正恩は中国入りした。無論経済援助ないしは支援の段取りをしにいったのでしょう。

習近平は金正恩に「中国は今後も中朝関係を重視し、朝鮮への支援を今後も続けていくことに変わりはない……特に朝鮮の民生の発展を支援したい」と告げたと伝えられています。

絶妙に中国の足下を見た動きですね。中々どうして侮れません。

また、今回の米朝首脳会談の実現で、北朝鮮国内で金正恩委員長の人気が急上昇しているという情報が流れています。

両江道のデイリーNK内部情報筋によると、これまで芳しくなかった金正恩の評判が「元帥様は、人民の生活のために世紀の大英断をお下しになった」などの声が上がり、また「党、軍、政府の幹部はもちろん、大学教授や大学生の間では13日の労働新聞に掲載された米国との会談と写真の話でもちきりだった。若い人たちは、すぐにでも統一するかもしれないという期待に胸を膨らませている」とか、更には国内の民衆からは「豊かな暮らしができる条件が整って欲しい」という期待の声すら上がっているそうです。

現時点では、米朝首脳会談を行い、「非核化する」と宣言・署名した段階で、具体的にどうするかはこれからです。無論、期待値込みでしょうけれども、それでも、会談から二週間も経っていないのに、北朝鮮に対する世界の見方というか流れを少し変えてみせた感があります。

果たして北朝鮮は本当に非核化できるのか。

警戒を怠らず、注意深く見守らなければならないですね。

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