冊封体制復活を目論む中国を警戒するアメリカ

 
今日はこの話題です。

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6月27日、中国の習近平国家主席は訪中したアメリカのジェームズ・マティス国防長官と会談しました。

会談でマティス国防長官は米中両軍の対話の重要性を指摘。習主席は会談で「中米関係は世界で最も重要な二国間関係の一つ」と協力の必要性を強調し、マティス国防長官も「両軍の関係は、米中関係において極めて重要だ」と応じました。

その一方、南シナ海問題については平行線。会談後に出した声明で、習主席は、周辺国が領有権を争う南シナ海の島々について、中国は「祖先が残した領土は一寸たりとも失うことはできない」と表明しました。

一体、いつから南シナ海の島々が「中国の祖先が残した領土」になったのでしょう。

中国の古代では、中原から遠く中華文化の影響が薄かった台湾・海南・新疆などは「化外の地」と呼んで関与しませんでした。

台湾にしても、清朝末期には政庁も自治政府もなく朝貢関係もありませんでした。1871年に台湾原住民が琉球の漁民を殺害するという所謂、宮古島島民遭難事件が起こった際、日本政府が清朝政府に責任を問うと、「台湾は化外の地である。関知しない」と突っぱねています。

それを「祖先が残した領土」というのですから、領土的野心を"公式"に表明したことになります。

けれども、マティス国防長官にとって、そんな中国の傲慢な態度は想定内のことです。マティス国防長官は、"中華思想"を知っています。

マティス国防長官は、トランプ大統領が「将軍中の将軍」と呼び、古今の外交史、戦略史など7000冊をマスターしていると言われています。

マティス国防長官は、昨年2月に訪日した際、「いまの中国は明王朝の冊封体制を復活させようとしているかのようだ。周辺を全て自分の勢力圏にするつもりなのかも知れない。だが現代の世界では、そんなことは絶対に通用しない。米国は南シナ海でこれまでのような寛容な態度はとらない。航行の自由を守るために行動する」と述べています。

更に、マティス国防長官は、今月15日、ロードアイランド州ニューポートにある海軍大学の卒業式での挨拶で「世界は再び、大国による競争の段階に突入している」と指摘。中国、ロシア、北朝鮮および「暴力的過激主義組織」を、アメリカに対する3つの脅威のカテゴリーに分類した上で、中国について「既存の国際秩序の書き換えが中国の宿願だ……明王朝が中国のスタイルだ……他国に対し、中国の朝貢国になり、叩頭するよう求めている……南シナ海を軍事化し、他国を借金漬けにする侵略的経済活動を続けている」などと非難しています。

アメリカ軍のトップが中華思想を理解し、警戒を募らせている。この認識は重要だと思いますね。

米中貿易戦争が囁かれている昨今ですけれども、仮に朝鮮問題がうまく片付けることが出来たとしても、その次には米中対立がかなりの確率で起こり得ると考えたほうがよいと思いますね。

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