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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.沼津市議に噛みついた琉球新報
8月9日、静岡県沼津市の小澤隆市議が、8日に死去した沖縄県知事の翁長雄志氏についてツイートした記事が話題になっています。
件のツイートは次のとおり。
「翁長知事の政治姿勢にはどうかと思うところが私もあったし、前回の知事選挙においても中国の支援を受けていることが確定だったといわれている。ツイートの主旨は、「本人の政治姿勢と人間としての生き方は区別するべきだ、亡くなった事を喜ぶかのような発信はいけない」というもので、しごくまともな書き込みだと思います。
それでも亡くなったことを喜ぶかのように平気で発信する人がいるのは悲しくなる。ひとりの人間として精一杯生きたではないか。なぜ区別して考えぬのか」
これが何故話題になったかというと、このツイートに琉球新報が噛みついたからです。
琉球新報は17日の記事で「前回の知事選挙においても中国の支援を受けていることが確定だったといわれている」の部分の根拠を示していないと小澤市議を批判しました。
ツイートの主旨は後段の「亡くなった事を喜ぶかのような発信はいけない」という部分であるのに、その前段の"中国の支援を受けている"という文言に噛みついたという訳です。
記事では、この部分の根拠について小澤市議に質したところ、「どのメディアで誰が発信したのかは思い出せていませんし確認も出来ない、とメールで回答を得た」と鼻息も荒く記していますけれども、その小澤市議から「一次情報を持っているわけではありませんから、沖縄県内で取材なさったほうが真実に近づけるのではないでしょうか」と提案された部分については、回答していません。
まぁ、貴方自身が取材すればいいだろうと反撃されたことを記すだけでもマシなのかもしれませんけれども、この記事がネットで叩かれています。
曰く「反応しちゃうのがまたね」とか「受けてなかったこと証明してみせろよ 、疑惑はかけられたほうが晴らすんだろ」とか、これまでモリカケで散々安倍総理を叩いていたロジックをそのままやり返されている形です。
一年以上も散々その理屈でバッシングしていましたからね。逆の立場になって、自分がその理屈で叩かれないと思うのは自分勝手というものです。
2.翁長知事の県政はどう判断されるのか
先日、翁長知事が亡くなられたと報じられたときは、彼の功績を讃える報道やらコメントやらが流れていたように思いますけれども、では具体的にどんな功績があったのかと問われると、浅学の筆者では、辺野古移設に反対し続けたという以外にこれといった印象は残っていません。
こちらの2014年の沖縄知事選まとめサイトを見る限りでは、翁長知事の政策は、沖縄振興予算と海外資本の参入によって地域振興し、米軍基地の縮小整理をする、というように読めます。
また、こちらのサイトでは翁長県政について「普天間基地の辺野古移設を阻止することに3年を費やしてきた。しかし、他の問題にはまったくと言っていいほど、手をつけていない」と事例を挙げて批判しています。
これら含めて、翁長県政についての審判は次の沖縄県知事選で下されるでしょうけれども、9日、菅義偉官房長官が翁長知事の訃報に接した際、「謹んでお悔やみを申し上げたい。知事になられてからは政府と立場が異なる場面もあったが、2人になると沖縄の発展について話し合いをよくした……翁長知事の沖縄にかける思いを受け止めて、目に見える形で実現するという思いで取り組んでいきたい」と述べていますから、全く何もしていない訳ではないと思います。
それでも、翁長氏を振り返ってみると、やはり中国に偏っていたという印象は拭えません。
例えば、その一つが龍柱、です。
翁長氏は那覇市長時代、那覇市が中国・福州市との友好都市締結から30年の記念事業として平成24年度に設置を決定し、交付金事業として建設したものです。
総事業費は最終的に約3億3000万円にも上ったのですけれども、龍柱事業をめぐっては、中国産の石材を使って中国の業者が製作し、事業費も中国側に流れるため、交付金事業としてふさわしくないとの批判があがっていました。
自国の事業を中国に全部やらせるというやり方は、昨今、中国が一帯一路の名のもとに周辺国、またはアフリカにやっている手口と同じです。市の予算で全部行うのならともかく、国の交付金で行うのは確かに疑問が残ります。
また、設置当時、龍柱の龍の爪が4本しかなかったのですけれども、5本爪は中華皇帝しか使えず、周辺国は4本以下の爪しか使えなかったことから、中国の属国になる気なのかとの批判も受けていました。
もっとも、沖縄では龍柱は全然珍しいものではなく、こちらのブログでは、沖縄各地の龍柱を紹介しています。
それによると、中華の龍柱と沖縄の龍柱はそもそもデザインが異なり、爪の数にしても既にある龍柱や京都の龍柱にも4本や3本のものがあると述べています。
那覇市によると龍柱のデザインは、首里城正殿の龍柱を参考にデザインしたそうです。首里城の龍柱の爪は4本ですから、単純に真似た結果だけかもしれません。
ただ、首里城が建設された当時の琉球王朝が、完全ではないにせよ中国の冊封体制の影響下にあったことを考えると、配慮に欠けた部分もあると言えるかもしれません。
3.翁長知事を支援した勢力と分断
翁長氏は那覇市長時代の2006年11月、「友好の翼」訪問団を引きつれ、中国の福州市を訪問しています。
こちらに当時の訪問の様子を記した福州市の記事がありますけれども、福州市では、袁栄祥・福州市党委員会書記や鄭松岩・福州市長をはじめとした市の幹部が勢ぞろいで那覇市の訪問団を迎えたそうです。
ちなみに、この時、翁長氏が会談した袁栄祥氏は現在、中央軍事委員会副委員長になっているそうですから、見方によっては、翁長氏は中国人民軍の中枢にまでパイプがあると言えなくもありません。
では、翁長氏は実際に中国の支援を受けていたのか。
これについては、青山繁晴参院議員が2015年に明かしています。
そこには、翁長知事が2015年9月に行った国連演説は中国の後押しで実現したこと、沖縄の次期県知事候補は、中国共産党が決めていたこと、県知事選を中国の福岡総領事が直接指揮したこと。そして、翁長氏を知事に擁立した中国の真の狙いについて綴られています。
冒頭に述べた沼津市の小澤隆市議のツイートに琉球新報が噛みついて、根拠を示せと批判していますけれども、ネットにこうした情報が普通に転がっている状況で、琉球新報がそれを知らない筈はありません。
モリカケで安倍総理を批判するロジックに倣えば、疑惑はかけられたほうが晴らさなければならないのですから、琉球新報はこれらネットに反乱している情報も含めて、「翁長氏が中国の支援を受けていない」ことを証明しなければなりませんね。
実際に琉球新報がそうすることはないと思いますけれども、先に紹介した青山繁晴氏の記事で、一つ面白い指摘があります。
それは、沖縄の二大紙である琉球新報と沖縄タイムスでは、沖縄タイムスの方が「日本を愛する」という立場の記事も、琉球新報よりは載せようとする傾向がある、という事です。
青山氏によれば、青山氏自身が日頃訴えている「中国の脅威」を沖縄タイムスも現実に感じ取っている為、紹介という形で青山氏の講演を記事にしたのだそうです。
これが本当だとすれば、反日と言われる沖縄二大紙でもそのスタンスに微妙な違いがあることになります。さすれば、保守派の人達は、琉球新報と沖縄タイムスを反日新聞だと十羽一絡げに批判するのではなく、沖縄タイムスの愛国記事についてはきちんと評価してやることで、両者のスタンスの違いを明確化、可視化してやることも一つの有効打であるように思われます。
兵法でいうところの分断、孤立化しての各個撃破ですね。
翁長知事死去に伴い、行われるであろう次の沖縄県知事選に向けて、どのような勢力がどんな候補を立ててくるか。そしてマスコミはどのように彼らを扱っていくのか。
それらを慎重に見極めていく必要があると思いますね。
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