中国の産業スパイがアメリカに逮捕された意味
今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
10月10日、アメリカ司法省はアメリカの航空・宇宙関連企業から機密情報を盗もうとしたとして、中国の情報機関の当局者を逮捕・起訴したと発表しました。
逮捕・起訴されたのは中国国家安全省職員のシュ・ヤンジュン被告。シュ被告は2013年以降、ゼネラル・エレクトリック傘下のGEアビエーションなどアメリカの航空・宇宙関連の複数の企業から機密情報を盗もうとしたとされており、今年4月1日、アメリカの令状に基づきベルギーで逮捕され、今月9日にアメリカへと身柄を引き渡されました。中国情報部員が他国から犯罪容疑者として引き渡されるのはこれが初めてのことで、FBIの担当者は「中国政府がアメリカに対する経済スパイを直接、管理していることが明らかになった」と指摘しています。
これについて、自民党の青山繁晴参院議員はGEアビエーションがゼネラルエレクトリックの航空部門の輸出入に関する企業であることから「安全保障関係の情報も民間ルートで漏れているのではないかということも捜査しているだろう」とし、シュ・ヤンジュンと容疑者の名前まで出していることについても「キーマンのひとりなので名前を敢えて晒すことで、水面下で動くエージェントもみんな把握しているぞという脅しをかけている」と指摘しています。
10月4日、アメリカのペンス副大統領がハドソン研究所で行った中国に対する厳しい批判演説が注目されていますけれども、その中でペンス副大統領は、中国政府はあらゆる手段を使ってアメリカの知的財産を手に入れるよう指示しており、安全保障に関わる機関が「窃盗」の黒幕だ、と述べていましたけれども、今回逮捕した中国国家安全省職員のシュ・ヤンジュン被告は、それを裏打ちしている可能性が高いと思われます。
つまり「黒幕」を逮捕することで、そこからぶら下がる"配下"もいつでも一斉検挙できるぞ、と言っている訳です。先に述べた青山参院議員の指摘のとおりですね。
11日、中国外務省の陸慷報道局長は記者会見で、アメリカが「根拠のないでっち上げを行っている……アメリカ側が法に従って解決するよう願う」と批判していますけれども、法治国家が法に従って解決することは当たり前のことで、反論にも何にもなっていません。
法を自分の都合でいくらでも変えてしまう中国ならではの理屈かもしれませんけども、あまり有効ではないと思いますね。
ペンス副大統領は演説で中国の手口を多岐に渡って指摘した上で、トランプ政権はアメリカの利益と雇用、安全保障を守るために断固として行動すると述べています。その観点から見えば、今回の逮捕はほんの一端にしか過ぎないでしょうね。
シンクタンク、パシフィック・アライアンス総研所長の渡瀬裕哉氏は、トランプ政権を理解しているアメリカ政治の分析家達は、言動が二転三転するトランプ大統領よりも、発言した内容が着実に実行される傾向のあるペンス副大統領の動向に注目していると述べています。
だとすると、ここまで多方面かつ包括的に中国の手口を暴露し、公然と批判したペンス演説はそのまま今後のトランプ政権の方針を示すものであり、やはり米中冷戦に突入したと見るべきではないかと思いますね。
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