火を噴く中国の人権問題

 
今日はこの話題です。

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アメリカによる中国に対する人権批判が高まっています。

8月29日、アメリカ議会超党派議員団は中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル人の強制収容に関わっているとして、ポンペオ国務長官とムニューシン財務長官に宛てた書簡の中で、中国当局者7人と監視装置を製造する2社に制裁を科すよう求めました。

フロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員はツイッターで、「私と超党派議員16人から成る議員団は本日、新疆ウイグル自治区の収容施設にイスラム教徒を大量収容した中国当局者らの資産を凍結し、同当局者らの入国を禁止するためにグローバル・マグニツキー法を利用するよう大統領に要求した」と明らかにしています。

マルコ上院議員は、7月26日に開かれた、新彊ウイグル自治区に暮らすイスラム教徒のウイグル族の状況について公聴会で議長を務めていました。

公聴会には、中国問題の専門家とウイグル族の現場目撃者が証言しています。

米中関係のオンライン雑誌「チャイナファイル」の上級編集者であるジェシカ・バッケ氏は、信条を理由に100万人のウイグル族を抑留している「再教育による改心」のための収容所で行われている残虐行為について報告。ウイグル族の状況に関する国連での話し合いを中国が妨害、あるいは回避するのに成功していることを非難しました。

また、ケリー・カリー国連経済社会理事会・米代表は、アメリカがウイグル族の状況について国連で問題提起すると約束したものの、中国による政治的経済的圧力により、支持する国は非常に少ないと報告。

アンガス・キング上院議員は、現在、西側諸国が中国に対して黙認する様子は、1930年代にホロコーストについて黙認していたときに酷似していると批判しました。

更に、ニューオリンズのロヨラ大学で新彊ウイグル自治区を専門とする歴史学者ライアン・サム教授は、中国政権が「再教育による改心」のための収容所を新設して数を増やし、または既存の収容所を増設している様子を写真を交えて証言し、これらすべての収容所を明日閉鎖しても、新彊ウイグル自治区の問題は解決しないとし、新彊ウイグル自治区では、収容所の外にも警察が随所に配備された「地上で最も厳重な警備体制が敷かれた場所」であり、その状況は北朝鮮よりもひどく、文化大革命が最も悲惨だった頃を再現しているようだと述べています。

続いてルビオ上院議員は、中国がアメリカの大企業に対して、中国政府とのビジネス取引に悪影響を及ぼすとして、アメリカ政府が中国の人権問題や信教の自由を認めていないことに対する批判に関与しないように、「偽善的ロビー活動」を繰り広げていることを強く非難。このようなロビー活動が成功した折には、私たち全員が中国共産党の「共犯」となるだろうと主張しています。

ルビオ上院議員ともう一人の議長であるクリス・スミス議員は数多くのアメリカ大企業の名前を挙げ、スミス議員が「これらの企業がどれほどの収益を減らすことになろうと、中国独裁政権がどれほどの著名なロビイストを雇おうと関係ありません」と述べると、ルビオ上院議員は「これは狂気に満ちている」と応じ、これらの残虐行為を組織的に行うために使われている技術を中国政府に販売しているアメリカ企業に対して措置を講じることを提案しています。

アメリカ議会超党派議員団が、中国当局者と監視装置を製造する2社に制裁を科すよう求める裏にはこうした背景があり、思い付きで出しているものではないのですね。

ルビオ議員はウイグル自治区で行われている強制収容について「空前の弾圧」だとして対中制裁を促す法案を議会に提出することを明らかにしています。

更に、10月10日、ルビオ上院議員とスミス下院議員は記者会見し、中国の人権状況に関する年次報告書を発表。中国政府が新疆ウイグル自治区でおよそ100万人のウイグル族を不当に再教育施設に収容しているとしたうえで、拷問や虐待が行われ、死者が出ているという情報もあると指摘しました。

ルビオ上院議員は、人権が侵害されている中国でオリンピックが開催されるのはふさわしくないとして、2022年の冬の北京オリンピックの見直しをIOCに求めていくことを明らかにしています。

既に、中国の人権問題を調査しているアメリカ議会の委員会は、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に対して「中国政府は、人権を保護しあらゆる差別を認めないオリンピック憲章を尊重すると約束していたが、守られていない。中国政府の人権侵害にIOCは対応する必要がある」と、4年後の冬のオリンピックの開催地を中国から変更するよう見直しを求めるよう書簡を送った事を明らかにしています。

もしも、一度決まった冬季五輪の開催地が北京から変更されるようなことがあれば、面子を重視する中国には大きなダメージになります。

国連の人種差別撤廃委員会なども、中国政府にこの問題で正確な情報を公開するよう相次いで要求していて、人権問題でも中国にたいする批判が高まっています。

これに対し、中国外務省の陸慷報道官は、11日の記者会見で、「嘘や事実でない批判が絶えず捏造されていて、われわれは断固として反対する……過激な思想を予防して取り除く措置は、社会の安定を守るために有益だ」と反発しています。

けれども、中国は、そうやって反発するだけで、自身は情報公開も説明もしている訳ではありません。

ウイグル自治区の地元政府は、宗教の過激化を防ぐためとして、過激思想の宣伝を禁止し、違法な宗教活動を取り締まることなどを定めた条例を去年から施行しているのですけれども、こを11日までに、過激思想の影響を受けた人物に再教育を行い、社会復帰を支えるとした「職業技能教育訓練センター」を設置することを可能にする新たな規定を設けたことが明らかになっています。

国際的な人権団体からは、ウイグル族を収容する施設に法的な根拠を与え、正当化しようとする動きではないかと警戒していますけれども、もうこれだけで、再教育の根拠がなかったと自分で白状したようなものですね。

利権組織ともいわれるIOCが人権という錦の御旗に対して、どのような判断を下すのか。成り行きに注目です。

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