中国の報復に折れたカナダ
今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
12月11日、カナダの裁判所は拘留されているファーウェイの孟晩舟CFOに対し、3日目となる審問を再開しました。その結果、、国外逃亡の恐れはないとして、1000万カナダドル(約8億5000万円)の保釈金の納付と、パスポートの提出、所在地を確認する為のGPSを身につけることなどを条件に保釈を決定しました。
中国の脅しにカナダが屈した形となりました。ただ、中国政府が求める釈放ではなく、保釈ですから最後の意地は見せたというところでしょうか。
それでも、裁判所は国外逃亡の恐れはないといっておきながら、GPSを装着させるのですから、本音では逃亡を疑っているのではないかと思えます。GPSを装着させる以上、おそらくは何処かから常時監視しているのではないかと思いますね。
それにしても、少し性急な保釈決定に見えなくもありません。一体何があったのか。
一部では中国の報復があったからだという憶測も流れています。それはカナダ人の人質です。
12月11日、国際危機グループ(ICG)は声明を発表し、カナダの元外交官で国際危機グループ(ICG)の北東アジア上級顧問であるマイケル・コブリグ氏が中国で拘束されたことを明らかにしました。
国際危機グループ(ICG)とは、ルワンダやボスニアの危機をきっかけに1995年に発足した国際シンクタンクです。ベルギーのブリュッセルに本部を置き、紛争が発生すると、研究者や元外交官、ジャーナリストらからなるスタッフを紛争地域またはその周辺に派遣。情報収集を行います。
スタッフらが集めた情報に基づき、分析を行い、「Crisis Watch (クライシスウォッチ)」なる月刊紙を発行しています。
拘束されたマイケル・コブリグ氏は、カナダ外交官として北京と香港に駐在した経験があり、中国語にも堪能な人物です。彼は外交官の職を辞した後、2017年2月から国際危機グループ(ICG)に所属しています。
国際危機グループ(ICG)によると、コブリグ氏は12月10日の夜、北京で中国国家安全保障局に拘束されたとし、彼に関する情報を集めているとのことです。
中国外務省など当局は、問い合わせに応じておらず、拘束の理由についても不明です。
コブリグ氏は定期的に中国職員にインタビューを行って、彼らの意見をヒアリングするなど、北東アジア、特に中国、日本、朝鮮半島に関する安全保障上の問題に注目し調査を行っていました。
最近ではアフリカにおける平和と安全保障における中国の役割の拡大と北朝鮮核問題への貢献に関する報告を行っており、コブリグ氏はその中で、中国がアフリカ諸国と軍事面の協力を加速させ、安全保障分野でも影響力を強めようとしているとし「中国がアフリカに及ぼす政治や経済の影響は、中国側の目的にかかわらず、アフリカ各国の格差の拡大や政治の腐敗、圧政の助長につながりかねない」と批判しています。
その他に7月24日の報告では、「一帯一路」を掲げる中国が主導してパキスタンで進めている開発について、地元から強い反発の声が上がっていることを伝え、自身のツイッターでも、各国の中国に対する批判的な記事を自らのコメントを加えて投稿しています。
中国でこんなことをしていれば、当然ながら中国当局からはマークされていたと思われます。
11日、カナダのトルドー首相は記者団に対し「カナダ人が中国で拘束されたことは承知している。外交ルートを通じて中国側と連絡を取り合っている……この件に政府としても関わっており、深刻に受け止めている」とコブリグ氏が中国で拘束されたことを確認していると明らかにしています。
先日「継続する米中対立」のエントリーで、アメリカのシンクタンク、戦略国際問題研究所が「中国は報復のために、人質を取るだろう」との予測を紹介しましたけれども、やはりというか、やっぱりというか、カナダ人の拘束という形となって現れました。
カナダは全面ではないにせよ、保釈という形で折れてしまいました。
ただ、中国はこれで終わりにはしないでしょう。コブリグ氏をカードにして、孟晩舟CFOの釈放を求めて更に脅してくるのではないかと思いますね。
11日、アメリカ国務省の報道官は会見で、コブリグ氏拘束の知らせに懸念を示し、カナダによる孟晩舟CFOの拘束については、法廷文書からみて正当な理由があることは明らかだと述べています。
その一方、ロイター通信によると、トランプ政権が国内の企業幹部や市民に向け、中国への渡航に注意するよう促す新たな勧告を検討しているとしています。
けれども、中国当局はコブリグ氏と同じく、何かあったらいつでも拘束出来るようにマークしている世界各国の人物がいると思います。ですから、これから渡航に注意ではなく、既に中国に入国している人物に注意を呼び掛けるべきだと思いますね。
それでも、アメリカ人を人質に取ろうものなら、トランプ大統領の即時報復は目に見えています。ですから、アメリカ人には直接手を出さず、アメリカの同盟国や友好国を狙う可能性の方が高いのではないかと思います。
その意味では、中国に滞在している邦人は特に注意が必要だと思いますね。
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penguin