排除されていくファーウェイ

 
今日はこの話題です。

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日本政府は、省庁の調達品についてファーウェイ製品を排除する方針を示していた事について、それを民間事業にも拡大することが分かりました。

日経新聞によると、ファーウェイ製品の排除は政府から次の14分野について「要請」という形で行われたようです。

「情報通信」、「金融」、「航空」、「空港」、「鉄道」、「電力」、「ガス」、「行政」、「医療」、「水道」、「物流」、「化学」、「クレジット」、「石油」

一見して、全て重要インフラであることが分かります。政府も、排除要請の理由として、これら14分野はそれぞれ重要なインフラをになっており、システムが脅威にさらされた際の影響が大きいから、としています。

ファーウェイ排除では主に5G対応基地局向け製品が話題になっていますけれども、ソフトバンクは4Gの基地局の約6割にファーウェイとZTE社の製品を採用していると言われています。

14日、日本経済新聞は、ソフトバンクが次期5Gのみならず、既存の4G基地局からもファーウェイとZTE製設備を無くす方針を固めたと報じています。その理由は、法人などの大口顧客の流出対策で、数年かけてエリクソンとノキアに置き換えていくそうです。

ソフトバンクはアメリカ携帯電話会社のスプリントを子会社として持っているのですけれども、4月に同じく携帯電話会社Tモバイルと合併で合意しています。

残るはアメリカ司法省と連邦通信委員会(FCC)の合併承認を待つだけの状態でした。

ところが、8月に成立した2019年度の国防権限法(NDAA2019)によって、再年の8月以降、ファーウェイ、ZTE、Hytera Communications、Hangzhou Hikvision Digital Technology、Dahua Technology Companyの5社の製品を採用し続ける企業はアメリカ政府との取引ができなくなることになりましたから、そのリスクを避ける意味でも、5G、4Gからファーウェイ、ZTE製品を無くしていくことにしたのでしょうね。

ちなみに、2019年度の国防権限法は、次のように段階を分けて発動されます。
第一段階(発効日の1年後=2019年8月13日以降)
アメリカ政府機関が5社の製品や、5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止

第二段階(発効日の2年後=2020年8月13日以降)
5社の製品を社内で利用している世界中の企業との取引を禁止
※アメリカ政府機関に収めている製品・サービスが通信機器とは一切関係のない企業でも、5社の製品を使っていれば禁止
第一段階ではアメリカ政府機関だけが対象なのですけれども、第二段階が発動した後は、通信機器と関係なくても使っていればアウトになります。これは厳しい内容です。

ソフトバンクは数年でファーウェイ製品を他社製品に置き換えるとしていますけれども、おそらくは第二段階発動までには全部置き換えるのではないかと思いますね。

ただ、ファーウェイが市場に出してる製品は通信基地局向けだけはありません。スマートフォンを始めとして、タブレットやPC、モバイルルータ等多岐に渡っています。

これらの製品は、携帯メーカーは勿論のこと、多くの物流企業や化学メーカーでも使われていますから、こちらでも排除の動きが出てくると思われます。

また、それとは別に、政府から排除要請が出た14の重要インフラ分野でもファーウェイ、ZTEの製品は排除されていくでしょうね。

NTTの澤田純社長は産経新聞のインタビューで、ファーウェイ製品は5Gの基地局で採用しない方針を改めて示した上で、NTTドコモが投入しているファーウェイのスマートフォンについても、「個人データを抜かれているかはわからないが、抜かれているならば、そういう端末は売らない方がいい」と排除する方針だと述べています。

今後、ファーウェイ、ZTEなどの中国製品を巡って、日本だけでなく、他の国もアメリカと中国のどちらを選ぶかという選択を迫られることになると思いますけれども、米中冷戦が世界を巻き込んでいく可能性が高まってきたようにも思いますね。

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