韓国との国際情報戦と瀬取りへの踏み込み

 
今日はこの話題です。

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1月19日、防衛省は、韓国駆逐艦による海自のP1哨戒機への火器管制レーダー照射問題に関し新たな証拠を公開することが分かりました。

公開するのは、P1哨戒機が探知したレーダーの電波信号を音に変換したもの。

防衛省幹部は「捜索レーダーと火器管制レーダーでは音の強弱や連続性が全く違う。軍事関係者が聞けば火器管制レーダーであることは明白だ」と客観的証拠だと強調しています。

捜索レーダーと火器管制レーダーの波の違いについては既に防衛省が参考資料として、その違いを公開しています。

捜索レーダーは、レーダーアンテナを回転させるため、レーダーが照射された相手は、周期的にレーダー波を検知するのに対して、火器管制レーダーは目標を追尾しながら照射し続けるため、強いレーダー波をずっと検知することになります。

これについて軍事ブロガーのJSF氏は「擬音的に表現するなら捜索レーダーは『ピッ ピッ ピッ』という感じになりますが、火器管制レーダーは『ピー』という感じになります。電波の当たり方が全く異なるのです」と述べていますけれども、これなら確かに軍事関係者なら直ぐに分かるでしょうね。

18日、韓国国防省関係者は北朝鮮漁船を探索中だった海洋警察の警備救難艦が現場海域で当時、レーダーを稼働していたと明らかにした上で「日本がレーダーの資料を公開し、どこから出たかを確認する必要がある。まずはレーダーの周波数を確認しなければいけない」と、日本側が海洋警察の探索レーダーだと誤認したのだと匂わせましたけれども、防衛省がレーダーの電波信号を音に変換したものを公開することで、誤認かどうか直ぐに分かります。

先に紹介した軍事ブロガーのJSF氏は、韓国海洋警察が持っている航海用水上捜索レーダー「シャープアイ」はSバンドおよびXバンドの周波数を使用し、韓国駆逐艦の火器管制レーダーである「STIR-180」はXバンドを使用するため、周波数だけを見れば誤認説はもっともらしく見えるが、それぞれアンテナが常時回転する・しないという単純な機械的特性から誤認の可能性は真っ先に除外されると指摘しています。

単純に周波数を公開するだけだと、波形違いまでは分かりませんからね。韓国が海洋警察のレーダーと誤認したのだという主張が本当なのかどうかを確認するにはよいデータだと思います。

防衛省は韓国側のレーダー照射をめぐる「虚偽発信」への反論声明文も発表するそうで、その内容は、韓国駆逐艦による火器管制レーダーの照射を改めて主張するとともに、韓国側の不適切な対応や虚偽発信を強く批判する内容となる方向のようです。

政府高官は「これは韓国との国際情報戦だ。音や声明文を出しても韓国は非を認めず、事実を歪曲した情報発信をしてくる可能性が高いが、一歩も引くわけにはいかない」と述べていますから、韓国がそれでも認めないと想定した上で、徹底的にやる積りなのでしょう。

ネット等では韓国がここまで頑なに照射の事実を認めないのは、北朝鮮船への瀬取りをやっていたからだという声が上がっていたのですけれども、先日の小野寺前防衛相の発言といい、一般マスコミも含め、段々とそちらへの言及も増えてきたように思います。

既にレーダー照射問題については日米両政府で情報を共有し、詳細に情報解析を進めているのですが、遭難したとされる北朝鮮漁船への疑問が浮上していると伝えられています。

日米情報当局関係者によると、「北朝鮮の通常漁船より、サイズが4倍ほど大きい。『漁船団の母船では』と報じられたが、専門家が形状などを分析したところ、これまで確認された『北朝鮮工作船』とよく似ていることが分かった」とのことで「現場で何をやっていたのか、それが我々にとっても最大の関心事だ。日本のEEZ内だったが、その船からの救難信号は自衛隊も海上保安庁も受信、感知していない。韓国側が知っていたというのは不審な部分がある」と述べています。

そして、メディアは、韓国側がレーダー照射を否定していることに注目しているが、重要なのは『北朝鮮漁船の正体』と、『韓国側が、どうやって北朝鮮船の救難信号を受けて、自国から遠く離れた、日本のEEZ内にいたか』だ。文政権の対応次第では日韓関係だけでなく、米韓同盟にも大きな影響が出てくる可能性がある」と指摘しています。

日米政府は韓国側の発表および巷の報道に惑わされることなく、一番肝心な部分に着目しているということです。

日本政府は当然、それに対する対応も進めています。

先日、安倍総理はイギリスのメイ首相と会談し「北朝鮮に圧力を加えるためイギリスの護衛艦を日本近海に配備したい」と述べ、翌日行われた日本とフランスによる外務・防衛閣僚協議(2プラス2)でも、フランス軍の海上哨戒機とフリゲート艦を日本に派遣することが決まりました。

日本の哨戒機には火器管制レーダーを照射できても、イギリス、フランスの護衛艦に同じことは出来ないでしょう。日本の様に"やさしく"応対してくれるとは限りませんから。

また、昨年11月に日本政府が北朝鮮が関与した疑いがある2件の「瀬取り」の事例を安保理の北朝鮮制裁委員会に書簡で通報したことが報じられています。

昨年11月の話を今のタイミングで報じるということは、韓国、北朝鮮に対する警告の意味合いもあるのではないかと思いますね。つまり、レーダー照射を認めて謝罪しないならば、瀬取りについても追及していくぞ、と圧力を掛け始めた現れではないかということです。

朝鮮日報は、これら英仏海軍艦艇が日本周辺に配備される事について、日本が中心になって動かしていることが気にいらないと不満を露わにしていますけれども、既に日本の圧力を感じているということですね。

週明けに公開されるとされる防衛省の新たな証拠と声明がどんなものになるのか分かりませんけれども、早くもネットでは、韓国がどんな斜め上の言い訳をするのか楽しみだ、なんていう書き込みも見られているようです。

もう、新しい証拠をつきつけても、韓国は自分の過ちを認めないという前提で、議論されているのですね。絶望的なまでに信用がありません。

ただ、これまでも何度もいっているように、この問題について韓国が言い訳をすればするほど、彼の国の正体が広く日本に知れ渡ることは間違いありませんし、日本政府に対しても生温い対応で終わらせるなという圧力が高まることは確実です。

これまで口を噤んでいた、野党立憲民主党の枝野代表ですらとうとう「いま我々が承知している範囲では、明らかに我が方に理があると思っている」とのコメントを出さざるを得なくなっていることがその一端を表わしていると思いますね。

政府高官が述べているように、韓国との国際情報戦が行われていると自覚して、最後まできっちり対応していただきたいですね。

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