昨日の続きです。

1月24日、韓国は、日本のP-3哨戒機が23日に威嚇飛行したとされる写真5枚を公開しました。
昨日のエントリーでも取り上げましたけれども、その写真は海面も映っておらず、距離も高度も分からないいい加減なものです。
けれども、証拠を積み上げて、客観的に証明することで、相手を理性的に説得することを好む日本は、文民問わずその証拠の検証を行いました。
防衛省幹部は「この写真が脅威の証拠と主張すること自体、到底理解できない」とバッサリ。
また、赤外線で撮影したとみられる白黒写真についても、哨戒機とみられる機影が写っているものの撮影日時があるだけであることから、海自幹部は「赤外線画像には武器の選択に必要な自艦から探知目標までの距離・高度のデータが右下に表示されるはずだ。日時だけの表示は不自然」と疑問を述べています。
ネットではもっといろんな検証がされています。
噂になった、「200 ft」の記載についても、画像を拡大したら「うっすら0が見えるんですが」と指摘する人もいれば、同じように見えるようにフライトシミュレータで再現したら、韓国の主張どおり高度60mであれば、海面が映ってないとおかしいとか、果ては画像解析ソフトにかけて、哨戒機そのものが加工されているとか指摘しているのもあります。
もし、これら指摘のように韓国が公開した証拠画像が加工したものであるとするならば、当初は映像を公開するといっていたのが画像となったのも分かります。おそらく映像を出そうものなら一発でバレてしまうからでしょうね。
まぁ、韓国は証拠画像の信憑性をどんなに指摘したところで、決して認めないでしょうし、そうすることで、レーダー照射から論点ずらしを狙っているのだという指摘もあります。
24日放送のフジ「プライムタイム」では産経新聞ソウル駐在の黒田勝弘記者による「韓国人の交渉術」として、「強い言葉で威圧」、「周囲にアピール」、「論点ずらし」の三点をフリップで紹介。
MCの反町氏は「韓国人の行動パターン、国にも当てはまるとは限りませんが、黒田さんは『レーダー照射に関して言えば、韓国政府は自衛隊機の低空での威嚇飛行を新たにポイントとして出すことによって、論点をずらし、韓国国内ではもはやレーダーの話は消えた』と」とコメントしています。
黒田氏が指摘するように韓国国内でレーダーの話が消えたのであれば、少なくとも韓国では「論点ずらし」は成功したといえます。
これについて筆者は、論点ずらしに付き合うよりも肝心要の「瀬取り」疑惑に踏み込むべきだと何度か述べてきましたけれども、果たして、防衛省はそこにも踏み込み始めたようです。
1月24日、防衛省は、1月18日午後、北朝鮮船籍タンカー「AN SAN 1号」と船籍不明の小型船舶が、東シナ海の公海上で接舷していることを海上自衛隊第1海上補給隊所属「おうみ」が確認したと発表しました。
現場海域は上海の南約410㎞の沖合。北朝鮮船籍タンカー「AN SAN 1号」は、平成30年3月に国連安保理北朝鮮制裁委員会から資産凍結・入港禁止の対象に指定された船舶で、両船舶は互いにホースで接続されていたことから「瀬取り」を実施していた疑いがあるとしています。
瀬取りを確認したという18日は、韓国が日本の哨戒機の近接飛行を受けたと批判した日と同じ日です。
まぁ、穿ち過ぎているかもしれませんけれども、これは韓国に対して、レーダー照射を認めないならば、瀬取りの情報を公開するぞ、という警告のようにも見えます。
既に瀬取りについてはアメリカ軍、オーストラリア軍とカナダ軍の哨戒機が監視を行い、更に今年になって、イギリス海軍がフリゲート艦を派遣。フランスも哨戒機1機と軍艦1隻を派遣することで合意しています。
日本対北朝鮮、あるいは日米対北朝鮮ではなく、多国籍対北朝鮮という構図をつくってじわじわと包囲していく体制を構築していくことで逃げ場を無くしている訳です。
おそらく、防衛省は瀬取りに関しても相当な情報を持っているのではないかと思われます。
まだまだカードを持っているであろう防衛省ですけれども、ある幹部はレーダー照射で揉めている現状について「韓国疲れだ。嫌だと思ってもお隣さん。日本列島をカリフォルニア沖に移したい……そうすれば北朝鮮ともさよならできる」と述べたそうです。
気持は重々分かりますけれども、これで終わってしまっては韓国の思い通りになってしまいます。日本政府も腰砕けにならないよう踏ん張っていただきたいですね。
この記事へのコメント
ス内パー
ただあれもこれも論点ずらしで(レーザーサイトつきモデルガンを人の頭部に突きつける画像を流しつつ)
我々は火器管制レーダーでロックオンされた被害者です。これを人に例えるならこういうことです。
と突きつけるくらいのインパクトは普通に必要だよなぁと。