徴用工判決問題で差し押さえの強制執行はされるか
今日はこの話題です。
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昨年12月31日、新日鉄住金に韓国人元徴用工への賠償を命じた判決に関し、被害者側の弁護団が裁判所に資産の差し押さえを申し立てを行いました。
弁護団が差し押さえを申し立てた資産は新日鉄と韓国鉄鋼最大手・ポスコの合弁会社、PNRの株式110億ウォン相当で、差し押さえの申し立てはPNRの管轄地裁に行ったと見られています。
資産差し押さえについては、昨年12月24日、原告の支援団体が新日鉄住金から協議に応じる意思表明がなかったとして、韓国内の資産を差し押さえる手続きを近く始めたいとの考えを示していました。
その当時、原告側は「依然として新日鉄住金との協議による問題解決を望んでいる」とし、原告弁護士も「強制執行手続きは、あくまで協議実現のための手段であり、目的でない」と状況を見守る姿勢も示していました。
年が明けても、新日鉄住金が判決を履行しないため手続きに踏み切ったと見られています。
これに対し、新日鉄住金関係者は「事実であれば極めて遺憾だ。日本政府にも相談の上、適切に対応する」とコメント。会社としてはコメントせず、日韓両国の政府間交渉に解決を委ねる考えを表明しています。
当然の対応です。
これらを受け、4日、河野外務大臣は、韓国の康京和外相と電話で会談。康京和外相の差し押さえについての説明に、河野外相は「この問題は日本として非常に深刻に捉えている。日本企業に不当な不利益が生じれば、日本政府として対応策を取らざるを得なくなりそういうことがないようにしっかりと早期に対応してほしい」と答えました。
河野外相は会談後記者団に対し「当分、静観したいと思っているが、必要な時には国際法に基づいた毅然とした措置を取らざるを得なくなる。その準備だけはしておきたい」と述べています。
河野外相は「準備はしておきたい」などと述べていますけれども、既に昨年12月24日の段階で「韓国政府が日本企業に不利益が生じないような対応をとってくれるものと考えているが、万が一の場合は、対抗措置や国際裁判を含めた手段をとる用意はできている」と述べているのですね。
準備は既に完了している。それなのにわざわざ「準備だけはしておきたい」と一歩引いたような表現になっているのは、韓国は最終的に差し押さえはやらないという感触を得たのかもしれません。
この電話会談事態も韓国側の要請で行われたことを考えると、韓国は日本に対抗措置に踏み切らないで欲しいと泣きついたのかもしれません。けれども、河野外相は「日本企業に不当な不利益が生じたら対応する」と明言しています。
つまり差し押さえの強制執行がそのレッドラインだと念を押した訳です。
このような日本の姿勢が功を奏したのかどうかは分かりませんけれども、申し立てを受けた韓国裁判所の腰は急に引け始めています。
3日、大邱地裁浦項支部の広報担当者は申し立てについて「一般的には2、3日程度で速やかに決裁されるが、今回の事案は考慮しなければならないことが多く、いつ決裁が出るかは不透明だ」と述べました。まるで放置するといわんばかりです。
筆者は昨年12月18日のエントリー「河野外相の融和発言と文在寅の策略」で「文大統領は、強制執行の執行文を出させないように圧力を掛けて放置して時間稼ぎをし、ほとぼりが醒めるのを待とうとしているのではないか」と予想しましたけれども、何やらその方向に進んでいきそうな雰囲気を感じますね。
今のところ、日本政府の姿勢は揺らいでおらず一貫しています。差し押さえの強制執行をしたら、反撃するとレッドラインを設け、一歩も譲っていません。
これに対する韓国側の腰砕けの態度を見る限り、やはり、彼の国には下手に妥協しても意味がないことが分かります。
今、問題になっている、火器管制レーダ照射問題についても、意味のない妥協など決してしないでいただきたいと思いますね。
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