共闘しきれぬ野党と亥年選挙の行方

 
今日はこの話題です。

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2月10日、自民党は都内で第86回となる定期党大会を開きました。

安倍総理は演説で「わが党は(2007年の)参議院選挙におきまして、惨敗をいたしました……わが党の敗北で政治は安定を失い、あの悪夢のような民主党政権が誕生しました。あの時代に戻すわけにはいかない」と強調。「厳しい戦いになりますが、まなじりを決して戦い抜いていく、先頭に立つ決意でございます」と決意を述べました。

今年は参院選と統一地方選が重なる、12年に一度の所謂「亥年選挙」になるのですけれども、12年前の「亥年選挙」は奇しくも、第1次安倍政権下で実施されました。

結果、自民は改選64議席が37議席になる大敗北。特に改選1の1人区で6勝23敗と大きく負け越しています。

当時、自民党は厚生労働省で杜撰な年金記録が発覚。いわゆる「消えた年金問題」が大きな打撃となり惨敗したとも言われています。その結果、衆参両院の多数が異なる「ねじれ国会」が生まれ、後の民主党政権誕生に繋がっています。

今回は安倍内閣の支持率が安定している点において12年前とは違うとは言えます。ただ、偶然なのか、またしてもなのか、厚労省の「毎月勤労統計」の不適切調査問題が発生したことを受け、与党内には「年金問題の二の舞にはしたくない」との警戒感があるそうです。

党大会では、平成31年運動方針を採択。総力を挙げて統一選の必勝を期し、勢いを加速させ参院選で勝利を得るとして、参院選では改選1人区を「最大のポイント」と位置付けました。

自民党の加藤勝信総務会長が長野市での講演で「参院選は1人区が、32選挙区あります。そこでどういう勝敗になるかが、参院選の帰趨を決めていく」と述べていますけれども、自民党が1人区に力を入れるのは、12年前もさることながら、2016年の参院選で青森や岩手など11選挙区で野党統一候補に敗れているためです。

そこで、今年の参院選では前回敗れた11選挙区を最も厳しい「激戦区」、接戦に持ち込まれかねない10選挙区を「警戒区」に指定。人員を集中的に配置するなど梃子入れを図り、野党の統一候補擁立に注意を向け、また、改選数2以上の複数区でも追加候補の擁立を模索するなど、議席の積み上げを目指すとしています。

党大会後、甘利明選対委員長は、記者団に「野党が選挙のためだけに『野合』をするのであれば、勝つためにあらゆる手段を取る」と衆参同時選挙の可能性を示唆しています。

その野党の「野合」、いわゆる統一候補についてですが、今の所必ずしも足並みは揃っていません。

自由党の小沢一郎代表は、比例区の共闘策として野党統一候補の実現を画策。国民民主に接近して、先月24日、衆参両院での統一会派を組むことで合意すると、今月11日には、自身の政治塾での講演で、国民民主党と政策協議を始め、参院選への準備を進めることを明かしています。

小沢代表は、政権奪取には、7月の参院選で野党が過半数を獲得することが重要だとし、「枝野代表が声をかけりゃ、その場でまとまる……国民民主の力を付け、参院選前に立憲も含めて一体的な連携を作り上げたい」と野党共闘に立憲民主も参加するようラブコールを送っています。

けれども、その立憲民主の枝野代表は今ひとつ野党共闘に乗り気ではありません。

1月30日、枝野代表は記者会見で「立憲が統一名簿に加わることはあり得ません。やりたい方は、我が党以外で進めてください。これ以上、我が党に持ちかけられるのは迷惑だ」と強く拒否しています。

枝野代表の頭には何某かの勝算があるのかもしれませんけれども、2月11日に都内で行った全国幹事長・選挙責任者会議では、衆院選の候補者擁立作業も急ぐよう指示すると共に、参院選改選定数1の1人区で、他の野党と候補者一本化を目指す方針を改めて説明しています。

比例では統一名簿は拒否するが、一人区では候補者を一本化するというのが立憲民主の作戦のようです。

これらを受け、一部週刊誌では早くも参院選の議席の予測を開始しています。

サンデー毎日は、選挙プランナーの三浦博史氏による参院選124議席の予測を行っています。

その予測は、1人区では野党候補の一本化は進むものの、比例では野党統一名簿など一本化ができないという前提ですけれども、自民は選挙区で38議席、比例で16議席を獲得し、非改選と合わせると14議席減の110議席で、単独過半数割れながら、公明は3議席増で、非改選と合わせて28議席と健闘し、合わせて138議席と過半数を上回るとしています。

ただ、改憲となると、日本維新の会や希望の党が加わったとしても152議席で、発議に必要な3分の2に当たる163議席には届かないと見ているようです。

一方、野党は、立憲民主党が選挙区、比例で計21議席を獲得。非改選と合わせて12議席増の35議席。国民民主党は非改選合わせて増減ゼロの22議席、共産党は1減の13議席、日本維新の会は1増の12議席と予測しています。

選挙プランナーの三浦氏は「野党が分裂している状況で、候補者調整が遅れている。選挙区では自民候補者の準備が進んでおり、野党が一本化したとしても厳しいでしょう。しかし、選挙区で自民候補者に投票したとしても、参院選は政党の人気投票の側面もあることから、比例では安倍批判票が立憲など野党に流れる可能性が高い」と述べています。

注目の一人区については「青森、岩手、山形、福島など東北で野党が優勢で、愛媛、長野でも野党に勢いがある。無所属候補を野党が推薦する大分、野党系候補である沖縄社会大衆党の沖縄、三重民主連合の三重でも、自民党は厳しい戦いとなりそうです」としながらも自民党の「22勝10敗」と、前回2016年の参院選より、1勝上積みすると予測しています。

まぁ、今の段階で議席予想云々しても仕方ないとは思いますけれども、安倍総理にしてみれば、参院で3分の2を確保できないとなると、改憲は厳しくなります。

夏の参院選で安倍総理が退陣する事態にまでなるとは考えにくいですけれども、改憲まで視野にいれているとするならば、相当に厳しい戦いになる可能性は高いと思いますね。

この記事へのコメント

  • 小春

    消費税増税を撤廃し、米国同様に減税へと舵を切れば、アベノミクスも息を吹き返し、選挙戦に向けて盤石になるんじゃないですかね。
    2019年02月16日 17:57

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