在韓米軍撤退とリンクする半島有事

 
今日はこの話題です。

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画像「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!

3月5日、韓国の国会情報委員会の委員長ら記者会見で、国家情報院が、北朝鮮の寧辺の5メガワット原子炉は昨年末から稼動が停止された状態で、現在再処理施設の稼動兆候は見られない一方、平壌郊外の山陰洞にあるミサイル総合研究団地で物資運送用車両の活動が確認されたと報告していたことを明らかにしました。

また、7日、アメリカの北朝鮮分析サイト「38ノース」は、北朝鮮のミサイル発射施設である「西海衛星発射場」の発射台再建作業が急速に進み、「正常な稼働状況」に戻ったとみられることを明らかにしました。

「38ノース」とアメリカ戦略国際問題研究所(CSIS)は、商用衛星画像を使い、発射場での活動を追跡。6日に撮影された画像では、ロケットをレールに乗せて発射台に移動させるための構造物が完成し、「稼働可能である可能性」と分析。発射台からはクレーンが外され、ロケットエンジン試験台の支持構造物も再建が進んでいるとしています。

作業は2月16日から3月2日までの間に始まったとみられるそうですから、本当であれば、ハノイでの米朝首脳会談と並行して工事を進めていたことになります。

もしかしたら、金正恩委員長は、経済制裁解除を当て込んで、即ミサイル発射できる態勢を整えるように指示をしていたのかもしれません。だとすると、寧辺以外の核施設といい、アメリカを騙す気満々だったことになります。

6日、トランプ大統領は、北朝鮮がミサイル関連施設の復旧を進めているとの情報について「もし事実なら非常に失望するだろう……まだ非常に初期段階の報告だ。(事実であれば)金正恩朝鮮労働党委員長に非常に失望するだろう。そうならないとは思うが、様子を見てみよう」とホワイトハウスで記者団に語っています。

北朝鮮のミサイル関連施設の復旧については中国も鋭く反応。同じく6日、中国外務省の陸慷報道局長は「2回目の米朝首脳会談の後、双方が対話を続ける意向を示した。こうした姿勢が建設的だと考える……互いに向き合いながら朝鮮半島の非核化と平和、安定に向け共に努力してほしい」と述べました。

けれども、今まで、そうやって話し合いだ、話し合いだで、ここまで北朝鮮を増長させてきたのも事実です。永遠の話し合いで、いたずらに時間稼ぎさせるのは愚策というものでしょう。

もっとも、これまでと違うのは経済制裁を掛けていることです。時間が経てば経つほど、北朝鮮が苦しくなる状況に追い込んでいえば、今度は逆に時間が味方してくれることになります。要するに、北朝鮮いつかは何等かのアクションに出ざるを得なくなるということです。

その意味では経済制裁の網に穴を空けてはいけないと思いますね。

そうなると、チェックを入れないといけないのはやはり韓国です。文在寅大統領の北朝鮮傾斜は一向に収まる気配はなく、ハノイ会談決裂の翌日、三・一節演説で「開城工業団地と金剛山観光の再開をアメリカと協議する」と述べ、翌4日の国家安全保障会議全体会議では「昨年合意した南北協力事業を迅速に準備してほしい」と指示。趙明均統一長官は直ちに「開城工業団地・金剛山観光再開案を出して対米協議を準備する」と答えたそうです。

全く、清々しいほどの対北従属政権です。

流石に韓国野党は反発。

自由韓国党・北核外交安保特別委員会の金栄宇副委員長は「交渉が決裂したにもかかわらず、『生産的だった』などという外交修辞があるものか。結局は今、南北経済協力などの交流を続けようという話をするなんて、全国民をバカにしているのか」と批判。

同じく自由韓国党・北核外交安保特別委員会の元裕哲委員長は「文在寅大統領と政府は国際社会に対して常に北朝鮮制裁緩和を訴えてきたが、すべて失敗した。今は方向性を変えて、金正恩朝鮮労働党委員長と北朝鮮を説得し、核なのか経済なのかを選択させなければならない」と主張。

更に、国会外交統一委員長の姜碩鎬議員は「納得するに値する非核化が行われていないのに、急いで南北交流を推進することがどれだけ危険なのか気付くべきだ」と批判しています。

至極真っ当な意見です。

先日の米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」の終了が発表されましたけれども、6日、韓国軍関係者が明らかにしたところによると、「乙支フリーダムガーディアン」が廃止されたようです。

これが本当であれば、例年行われてきた、三大米韓合同軍事演習が全て無くなることを意味します。

これらのことから、米韓同盟がすでに有名無実化しているのではないかと指摘する声もあるようです。

韓国国防安保フォーラム大量破壊兵器対応センターのヤン・ウク所長は「大韓民国における安全保障の基盤は韓米合同戦力だが、この合同戦力が事実上、機能しない状態になった……有事に備えた米軍の増員訓練も事実上できないだろう」と指摘。

また、ある国立シンクタンクの関係者は「演習が廃止されると、その次は米軍の撤収が当然議論されるようになるだろう」とコメントしています。

まぁ、誰が見てもそう受け取るでしょうね。

もっとも、大規模な米韓合同軍事演習が無くなったからといって、軍事演習が何もかも無くなったわけではなく、大規模指揮所演習「キー・リゾルブ」に代わる演習として、規模を大幅に縮小し、期間も半分に短縮した「19-1同盟」を4日から実施。

更に、米韓合同指揮所演習「フリーダムガーディアン」についても、それに代わる新演習として「19-2同盟」が8月から9月ごろに実施されると韓国の政府消息筋が明らかにしています。

ただそれでも、期間も規模も縮小しての実施ですから、以前よりもその抑止力が落ちることは否めません。

アメリカ上院軍事委員会で民主党の幹事を務めるジャック・リード議員はアメリカ政府系放送局のラジオ「自由アジア」とのインタビューで「米韓合同軍事演習の中止は有事における訓練不足を招き、その結果、重大な問題となりかねない……今後数ヶ月は特に大きな問題はないだろうが、その期間以上に長引けば問題が起こるだろう」と指摘しています。まぁそういうことです。

このように米韓合同軍事演習は縮小または廃止していく流れなのですけれども、北朝鮮は演習を全部やめさせようとしています。

3月7日、北朝鮮の朝鮮中央通信は4日から行っている「19-1同盟」演習について朝鮮半島の平和と安定を望む全民族と、国際社会の意向と願いに対する真っ向からの挑戦」と反発しています。

昨年の米朝共同声明と南北宣言を盾にして、半島から在韓米軍を追い出そうというわけです。仮に北朝鮮が韓国を攻めようとしたら、斬首作戦なり、ミサイルで脅すなりいくらでも方法があります。怖いのは在韓米軍の介入くらいで、それさえなければなんとでもなると考えているのかもしれません。

そのためには、半島から在韓米軍を追い出し、米韓同盟を破棄させる。そうしてから韓国政府を脅して無条件降伏させる。そうすれば、韓国の富は全部北朝鮮のものとなります。派手にミサイルを打ち上げたり、ドンパチをやろうとすると、トランプ大統領が日本海に空母打撃軍を覇権し、空爆をちらつかせることになりますから、やるとすれば、隠密での斬首作戦か、スーツケース核爆弾、または飛行機に核ミサイルを積んでの自爆攻撃辺りになるのではないかと思います。

ようするに近距離で寝首を掻くという作戦です。長射程の攻撃に優位を持っているアメリカとて、斬首作戦を防ぐのは難しいのではないかと思われます。

普通であれば、北朝鮮の韓国侵略など日米が黙って見ていることはないと思いますけれども、今の韓国では、それもちょっと怪しい。

またぞろ、半島有事が近づいたと警戒レベルを上げておいた方がいいかもしれませんね。

この記事へのコメント

  • 金 国鎮

    在韓米軍約2万人等どうでもいい数字だ。
    韓国軍の予備役は100万を超える数だ。
    そのの中に米軍の指揮系統に関係する数百人が非常に重要だ。
    彼らは北の軍事情報を正確に把握している。
    韓国軍がその情報を独自に米軍抜きで把握できるのであれば在韓米軍は必要ない。
    トランプは在韓米軍の駐留費の肩代わりを求めている。
    韓国も在韓米軍の駐留費を望んではいない。
    ムンジェインは何も理解していない。

    日本は世界でも突出した米軍頼りの安全保障政策を取っている。
    今も対米戦の敗北から立ち直れないと思って間違いない。
    彼らが今も受けている教育の内容はそれを証明している。
    2019年03月10日 16:29

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