ブルーチームから外された韓国
今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
3月8日、衆議院外務委員会で河野外相はハノイでの米朝首脳会談について「合意に至らなかったことは残念だが、事前の実務協議の段階で『なかなか進展は難しい』ということを日米で共有していた……完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄ということから考えると寧辺の核施設はその一歩でしかない。制裁の解除を求めるなら、しっかりと非核化を実現してもらわなければならず、北朝鮮が大きな歩幅で一歩踏み出すことを期待したい」と述べ、事前に進展は難しいと伝えられていたことを明らかにしました。
これは、米朝実務協議の段階で日米間で内容を共有していたということで、日米間の連携の強固さが窺えます。
一方、韓国政府は、米朝ハノイ会談の直前の2月25日に、朝鮮戦争の終戦宣言で合意する可能性があると発表していました。つまり、韓国政府はアメリカから何の情報も貰っていなかったことを意味します。
韓国はアメリカから切り捨てられていたということです。
朝鮮日報は3月9日のコラム「韓国は米国の同盟国ではない」で、3月7日に東京で行われた国際会議で、インド・太平洋地域の国々をアメリカとの関係の深さに応じてブルー、パープル、ピンク、レッドの4色で分類し、韓国は同盟国であることを示すブルーに含まれていなかったと報告しています。
この国際会議とはおそらく、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が3月7日に千代田区の日本プレスセンタービルで行ったFPCJシンポジウム「自由で開かれたインド太平洋 ~地域の平和と繁栄をどう確保するか~」のことだと思われます。
このシンポジウムの主催は公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)ですけれども、外務省が後援しており、パネリストも慶大学法学部の田所昌幸教授、ニューヨーク・タイムズ・北京特派員のスティーブン・リー・マイヤーズ氏、フィナンシャル・タイムズ・首席外交問題担当論説委員のギデオン・ラックマン氏、シンガポールのストレーツ・タイムズからラビ・ベロア副編集長、インドのヒンドゥスタン・タイムズからプラミット・パル・チョードリー外交部長と、日米英にシンガポール、インドと、インド太平洋地域からそれぞれパネリストを呼んでいます。
シンポジウムでは「インド太平洋地域において自由で開かれた法の支配に基づく秩序が維持されることは、世界の安定と繁栄にとって不可欠な要素だ」として「今世紀の世界経済を牽引するインド太平洋地域の安定と繁栄を確保するための課題と国際社会がとるべき対応」をテーマにして議論されたようです。
このシンポジウムに参加した朝鮮日報の記者は、休憩時間に「韓国をアメリカの同盟国に含めなかったのでびっくりした」と言葉をかけ、「うっかり忘れてしまってた」という答えを期待してそうなのですけれども、返ってきた答えは、「あえて韓国をブルー国に含めなかった」で、逆に「韓国は中国の方に近付いているのではないか」と問い返され、絶句したそうです。
この記者は、会議終了後に会った著名な日本人研究者にも話しかけ、「日本では、米韓同盟関係の永続は難しく、危険に直面しているとみる人が多い」と纏めています。
韓国の振舞いを見ている日本人からすれば、米韓同盟が危機に瀕していることはもう当たり前の認識であると思いますけれども、この朝鮮日報の記者は「韓米同盟に否定的な日本の見方は必ずしも客観的だとはいえない」としています。
ただ、この記者は客観的ではないといいつつ、記事中でその根拠を示していませんから、それこそ「客観的」とは言えません。今の所は記者の意見以上ではないですね。
事実、4日、アメリカのブルームバーグ通信は「文大統領が北朝鮮の核提案を称賛し、トランプ大統領と対立した」という記事を掲載。AFP通信も「寧辺は北朝鮮の唯一のウラン濃縮施設ではないものと見られる。その閉鎖が北朝鮮核プログラムの終了のサインではない……しかし、大統領は寧辺核施設廃棄が北朝鮮非核化が不可逆的な段階になると話した」と批判。
イギリスのフィナンシャルタイムズ紙は文大統領が「金剛山観光・開城工業団地再開など南北事業を迅速に準備せよ」との発言について、専門家らの話を引用し「文大統領が米朝首脳会談決裂にともなう仲裁者として韓国の役割を強調するが、南北経済協力をあまりに強く押し進めれば韓米間の不和が生じる可能性がある」と懸念を示し、AP通信も「一部の専門家は仲裁者としての文大統領の役割に疑問を招いていると話す」と伝えています。
日本以外の海外メディアも米韓が不仲であるとの論調なのですね。米韓同盟が危機に瀕しているという見方は日本だけのものではなく、世界から見てもそう見えるということです。
巷では、アメリカが韓国に愛想を尽かしたのは、余りにも北朝鮮へ傾斜しているからだという見方が多かったと思いますけれども、夕刊フジは、日米情報当局関係者の話として、アメリカからは、文政権は『従北』というより、『従中』『中国の属国』のように見えていると指摘しています。
なんでも、アメリカの韓国への不信感が決定的となったのは、アメリカ軍の最新鋭迎撃システムTHAADの韓国配備をめぐる対応だったそうなのですね。
文政権は2017年10月、「アメリカ主導のミサイル防衛システムに参加しない」、「日米韓の安保協力を軍事同盟に発展させない」、「THAADを追加配備しない」という所謂「三不」政策を発表しましたけれども、それが「米韓同盟離脱」に映り、「従中政権」と見做された可能性があります。
その一方、トランプ大統領はハノイ会談が決裂した後も、非核化で合意できれば、北朝鮮の将来には、すてきで明るい経済が待っているなどとラブコールを送っています。
筆者は「朝鮮半島非核化への秘策」のエントリーで、アメリカと北朝鮮が平和条約を結び、北朝鮮に在北米軍が置かれると、北朝鮮が西側に入るという事になる、と述べたことがありますけれども、トランプ大統領は北朝鮮をも西側に取り込もうと構想しているかもしれません。
実際、官邸周辺は「首脳会談でも直接伝えただろうが、『中国から離脱せよ』という意味だろう。中国とロシアに隣接する北朝鮮の地政学的重要性は、韓国をはるかに上回る。韓国・文政権が『従中・離米』姿勢を見せるなか、トランプ氏は、北朝鮮を対中包囲網に組み込もうとしているようだ。当然、『了解しないなら、考えがあるぞ』という恫喝も含んだものだろう」と漏らしているそうですけれども、これが実現すると、中国にとっては痛烈な一手になります。
ただ、今の所、北朝鮮はミサイル再発射の準備を進めるなどしているところを見る限り、トランプ大統領のメッセージに反発していると思われます。
昨今の流れを見ていると、米朝は実務者協議を含め、直接交渉、或は、双方のダイレクトメッセージのやり取りにシフトしていっているように見えます。
つまり、韓国の姿は限りなく薄くなっていくのではないかということです。いずれにしても文在寅政権が続く限り、半島情勢は大きく変わることを念頭に備えを進めて置くべきではないかと思いますね。
この記事へのコメント
金 国鎮
中国東北の朝鮮族と沿海州の高麗人だ。
北と南が言う抗日運動等彼らの前では単なる寝言にしか過ぎない。
ロシアはいざとなれば北に軍事進攻もする。
問題は朝鮮半島に具体的な協力者を見つけなければいけない。
それが韓国政府であれば申し分ないが、少なくとも韓国軍の協力は必要だ。
ロシアがクリミア・シリアで行った政治・軍事行動だ。
アメリカのドル支配とアメリカの軍事力を区別できないムンジェインと韓国人が問題を複雑化している。
トランプはアメリカのドルを守ろうとしているだけだ、至極まともだ。
韓国がアメリカのドル支配から離れれば韓国は海外から必要な産品を輸入する能力が落ちていく。
飢え死にするわけではない。
韓国企業の技術と韓国軍の軍事技術は国際的には買いだよ。
韓国がそれに気付いて適切な対応を取れば問題はないがムンジェインはその能力がない。
アメリカの核の中で安全保障を叫ぶ国のほうが安全と思っている能天気が日本には多い。
米朝会談の失敗後すかさずプーチンが北に小麦の無償援助を行った、人道援助だ。
北の産品が沿海州で販売できるように協力もするそうだ。
金正恩がプーチンと話するためにロシアに行くらしい、この話し合いで北の将来が決まるだろう。
ロシアにとって一番必要なのは沿海州の経済開発。
日本企業・韓国企業の協力が必要だ。
一番有害なのは日本・韓国の米軍だ。
韓国にとって有益なのはロシアとの安全保障の新しい枠組みである。
ロシアが北を軍事的に押さえる引き換えに韓国企業が沿海州に投資をする。
在韓米軍は適切に朝鮮半島から撤退させる。
ロシアと韓国は経済的合理を考えれば東アジアで最も協力できる相手にどういう訳か
なってしまっている。