外交メッセージを発する金正恩と幸せ回路の韓国

  
今日はこの話題です。

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3月25日、韓国統一省は、南北双方の当局者が常駐する共同連絡事務所から、先週22日、撤収した北朝鮮側の人員の一部が、復帰したと発表しました。

北朝鮮側は韓国側に対し、「連絡事務所が南北共同宣言に沿って、事業を進めていくという考えに変わりはない」と説明しています。

統一省は「北側の人員が復帰したことで、連絡事務所は正常に運営されることになった」と評価する一方で「人員の撤収と復帰の理由について、北側が明確に言及したことはなく、今後、確認する予定だ」としています。

ひっこめたり、復帰させたり、バタバタ慌ただしいですけれども、筆者は、これは対韓国というよりは、アメリカに向けてのメッセージのような気もします。

北朝鮮が、南北共同連絡事務所から人員を撤収したのは22日ですけれども、その前日の21日にアメリカ政府は、北朝鮮による制裁逃れを支援したとして、中国の海運企業2社を制裁対象に指定しました。北朝鮮が22日に連絡事務所から撤収したのはその抗議のメッセージだと思います。

というのも、同じく22日にトランプ大統領がツイッターで「きょう財務省が北朝鮮に対して大規模な追加制裁を発表したが、私はこの追加制裁の撤回を指示した」と投稿しているからです。

追加制裁を不服として、連絡事務所から撤収してみせたとすると、追加制裁が撤回されたから撤収も撤回した、ならば辻褄は合います。それに、段階的核廃棄を主張している北朝鮮にしてみれば、こういう細かい所でも、米朝互いに撤回・譲歩してみせる相互主義的な行動を示して置かなければ、自らの主張に説得力を持たせられませんからね。

トランプ大統領に最初からその意図があったかどうかは分かりませんけれども、結果として、米朝双方で段階的措置をやってみせた事になりますし、少なくとも金正恩にはその意図があったのではないかと思いますね。

では、なぜ北朝鮮は南北連絡事務所をそのメッセージの出汁として使ったのか。

これも単なる筆者の憶測にしか過ぎませんけれども、金正恩は、韓国を北朝鮮の代弁者として働かせ、経済解除させるように仕向けてるのではないかと思います。

北朝鮮が、南北共同連絡事務所から人員を撤収した日と同じ22日、北朝鮮の対外宣伝インターネットメディア「メアリ」は、韓国外交部が今年の業務計画で米朝交渉を仲介、促進する役割を担うと表明したことに触れ、「現実的に今の南朝鮮当局は言葉では北南宣言などの履行を騒ぎ立てながらも、実際にはアメリカの顔色を伺うばかりで、北南関係の根本的な改善に向けた実践的な措置を何ら取れずにいる……アメリカに対し要求することは要求し言うべきことは言う、当事者の役割を果たさなければならない」と述べています。

要は韓国に"仲裁者"ではなく、手下として働け、ということです。

ところが、韓国にはすでに、アメリカから北朝鮮の手下として疑いが掛けられています。

21日、アメリカ財務省は北朝鮮との瀬取りに関わった疑いがある船舶リストを公表し、そこに「LUNIS」という名前の韓国船籍の船をリストアップしています。

更に、アメリカ財務省は、容疑船が瀬取り前後に立ち寄った港として釜山・麗水・光陽を挙げ、韓国の港が北朝鮮との違法取引の中間基地として利用されている可能性を暗示。痛烈な警告を発しました。

北朝鮮からは北の代弁者として働けと言われ、アメリカからは北朝鮮の手下になることは許さない、と詰め寄られている状況です。

韓国は進むも引くも出来ず、立ち往生する他ない。

ただ、そこは韓国ですから、アメリカの思惑が正しく伝わっているかどうかには不安が残ります。

先月、韓国の文喜相国会議長と与野党代表がナンシー・ペロシ下院議長と会談した後、文議長と共和党の主要人物が会話した際、文議長は「ペロシ議長は『(北朝鮮の非核化意志が確実だという)皆さんの希望通りになったらとても良いだろう』という言葉を使った。ペロシ議長が十分理解したと解釈できる」と述べ波紋を呼びました。

なぜなら、ペロシ議長の「皆さんの希望通りになったらとても良いだろう」という言い回しは、全く話が通じないときに話を打ち切る外交表現であったからです。

これにはペロシ議長も相当不快感をあらわにし「今後、韓国要人との面談の時に参考にせよ」という指示を与えたといわれています。更に、このことは他国の外交官の間でもしばらく話題になったそうですから、その衝撃の大きさが伺えます。

トランプ政権のアジア担当高官は「韓国は外交官や官僚、政治家に関係なくパターンが同じだ。論理や根拠が不足すれば『われわれを理解してほしい』という。以前は同盟だけを信じて聞き入れたが、今は我々の国益を優先して考えるほかない」とコメントし、ワシントンのシンクタンク関係者は「北核問題の核心である『非核化意志』に対して、韓国はただ『過去とは違う。今回はわれわれが正しい』とだけ主張する」と述べています。

要するに、韓国は、根拠がなくてもごり押しするというパターンですね。ようやくそれがアメリカにも分かったということです。

かの国のやり口が分かった以上、アメリカもそれ相応の対応をしてくるでしょう。少なくとも日本のような甘い顔はしない筈です。

まぁ、文在寅大統領であれば、それでも、北朝鮮の代弁者として行動し、同盟国には出来ないことを平然とやってのけるかもしれません。

けれども、その想像遙かに超えた言動に、シビれはしても、憧れることは出来ません。

北朝鮮はアメリカと直接外交メッセージをやり取りし始めていることを考えれば、韓国の存在価値はどんどん小さくなるばかりです。北朝鮮にとっては、アメリカを動かせない輩は役に立たないし、どうでもよいはずですからね。

今は、制裁の抜け穴を防ぎ、確実に圧力を掛け、金正恩を核放棄に追い込むこと。やはりこれが現在取り得る最善策ではないかと思いますね。

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