初春の令月にして気淑く風和ぎ

 
今日はこの話題です。

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画像「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!

4月1日、新元号が発表されました。

令和」です。

「令和」は万葉集巻五、梅花の歌三十二首の序文「于時初春月 氣淑風梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香(初春の月にして気淑く風ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす)」からの引用です。

新元号公表後、安倍総理は記者会見で談話を発表し、令和について「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ、という意味が込められている」と説明し、出典とした万葉集に関しては「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と述べました。

元号を漢籍ではなく日本の古典から採ったのは初めてのことだそうですけれども、関係者によると、政府は元号に関する懇談会などで「令和」を含む計6案を提示。その中には中国古典を出典とする案もあったそうです。

前回、平成への改元時には、委嘱した考案者にも国文学者が含まれていたのですけれども、日本古典を出典とする案は「平成」を含む3つの最終案には残らなかったそうですから、今回の万葉集からの出典はある意味歴史的なものだといえるかもしれません。
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今回の改元に際しては事前から色んな案が取り沙汰されていました。

中には新元号の情報が漏れたのではないかと騒ぎになったこともあります。

検索エンジン導入支援などを手掛けるロンウイット社は、「新元号『安久』に対応する検索エンジンのパッチリリースを発表」と題した発表文を一時的に公開。ネットを騒がせたとして謝罪しています。

何でも検索エンジンのパッチを作成する際に仮置きした文字で動作確認を行い、それをそのまま発表してしまったそうで、ロンウイット社は3月28日、てしまったとして「大変申し訳ございませんでした……大変軽率な行いで、深く反省している」と謝罪しました。

また、東京の人形店「久月」がインターネットで予想を募った結果が「安久」だとして、安倍総理、菅官房長官をモデルにした武者姿の人形を展示。4月1日には正しい元号に差し替えるとしています。

「久月」の予想もロンウイット社と同じく「安久」だというのは、中々興味深いのですけれども、どこか世論の心理として、久しく安心が欲しいという気持ちがあったのかもしれません。

予測といえば、最近注目を集めている人工知能(AI)も新元号の予想に取り組んだ所もありました。

東京のAI開発企業「GAUSS」は2月からAIの新元号予想を行い、2月28日時点の暫定予想として「功良」。3月31日時点で、「仁愛」と予想していました。

予測は常用漢字の2136文字から過去の元号を省いた2文字の組み合わせを出し、そこに「日本書紀」「古事記」「礼記」など日本や中国の古典計8種類のデータを加えていきます。そして、常用漢字として使われているかなどを精査し、2文字の組み合わせ約482万通りを抽出。それらの意味合いや画数などを分析し、組み合わせのランク付けを行っていくことで予測したとのことです。

GAUSS社によると、AI新元号予想で大事なのは、書きやすさや意味合いなどを分析する「現状分析」と不必要なものを取り除く「前処理」で、時間がかかるし、地道な作業である上に人が間違えると全てが崩れるという繊細な作業だったようです。

確かに2月末に予想していた「功良」は3月末の予想ではトップ10にも入らなかったそうですから、中々大変な予測作業であることが窺えます。

けれども、その努力も虚しくAI予測は外れてしまいました。

ところが世の中は広いもので、見事「令和」を予言していた人がツイッター上で発見され話題になっています。

そのツイートは実に2016年7月にツイートされていたもので、「明治大正昭和平成令和 違和感ないね!」とドンピシャで的中させています。すごい。

新元号「令和」は、海外メディアもこぞって取り上げ、英ガーディアン紙は、英訳に難儀していると伝えた上"decree and peace"と翻訳。英BBCは「order and harmony」と訳し、日本のSNSでは「令和で正解だった」との声もあがっています。

確かにBBCの「order and harmony」はセンスがありますね。

ネットでは引用元の万葉集の歌に「梅」と「蘭」の花が使われていることに注目し、梅の花は台湾の国花であり、蘭がシンガポール、インドネシア、パプアニューギニアの国花であることから、台湾との外交を復活させ、日本のシーレーンの為にシンガポール、インドネシア、パプアニューギニアと関係を強化していくメッセージの込められた元号だという指摘もあるようです。

また、チベット学者で早稲田大学教育・総合科学学術院教授の石濱裕美子氏によると、「新元号『令和』はチベット語では「希望」を意味する re ba と同音。チベット人が喜んでいるとのこと」と紹介。

更に、ダライ・ラマ法王日本事務所の代表は、「令和」について「とても良い言葉なんです。新しい元号が決まった日本でも、未来に向けた、たくさんの希望が生まれますように」とコメントしています。

ついでに台湾のネットでは令和が台湾語で「*們好(こんにちは)」とも読めると話題になっているそうで、偶然か必然か、いろいろ深読みできる元号のようですね。

もしも、官邸が狙ってやったのだとしたら相当な深謀遠慮だといえます。

筆者には、今回始めて万葉集から取ったことで、中国の軛から日本が離脱するぞという宣言にも思えました。

ともあれ、今上陛下が譲位され、平成の世が終わります。

新しい「令和」の時代は名の如く、秩序と平和の中で美しい文化が生まれ育つ御代になると良いですね。

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