今日は、感想エントリーです。
#昨日のエントリーとコメ返信等々で、筆者の方が力尽きました(苦笑)……。
#蔵も空っぽでして、今週はブログ更新を最優先でなんとか乗り切りたいと思います。


5月28日、アメリカのトランプ大統領が4日間の訪日日程を終え、帰国の途につきました。
トランプ大統領とメラニア夫人は25日に令和初の国賓として来日。トランプ大統領は事あるごとに安倍総理との仲の良さを見せつけ、安倍総理は最大限のおもてなしを見せました。
マスコミの報道や日本国内の反応も悪くなかったようですし、海外からも大きな反響を呼んでいるようです。
また、専門家の評価も高かったようです。木村福成・慶應経済学部教授は「外交全体からみて成功だ。日本は何も譲歩した部分がない。何も決めない訪日、にできたこと自体が奏功した」と述べ、Wilson Center Japan Fellowの中山俊宏氏も「全体的にセレモニーとして成功だった。これ以上、期待できるだろうか」と評価しています。
確かに、木村教授の指摘するように、安倍総理は何も決めませんでした。
今回の日米首脳会談では、共同文書もなく、具体的に形となった成果はありません。27日の日米共同記者会見をみても、従来どおりの内容で、特に驚きの内容はなかったように思います。
その意味では、本番は来月のG20にまで取っておくのかもしれませんし、あるいは、トランプ大統領がツイートでバラしているように、参院選後に何某かの発表があるのかもしれません。
尤も、安倍総理が共同記者会見での冒頭発言で自由で開かれたインド太平洋戦略について、「今後とも、日米で手を携え、この日米共通のビジョンの実現に向けた協力を力強く推進してまいります。豪州、インド、ASEAN、英国、フランスを始めとする関係諸国と、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を強化、拡大していく」と韓国を外していますけれども、これこそが成果だという指摘もあります。
ただ、それでも、安倍総理が何にもしなかった訳ではありません。アメリカとイランの橋渡しを買って出ています。
27日の会見でトランプ大統領はイラン情勢について日本の働きかけに期待感を示しましたけれども、日本政府関係者によると、安倍総理が6月にイラン訪問で調整を本格化させるようです。
これについて、28日、イラン外務省のムサビ報道官が「実現すれば二国間関係の転換点になる」と強調し、歓迎する意向を示していますから、実現の可能性は十分あると思われます。
実は5月16日にイランのザリフ外相が来日し、河野外相と安倍総理と会談しているのですね。おそらくは安倍総理を仲介して、トランプ大統領に何かメッセージを伝えたのではないかと思います。だとすると、安倍総理が6月にイランを訪問すれば、当然トランプ大統領のメッセージを携えていくでしょうから、アメリカとイランの仲介役を務めることになります。
トランプ大統領が出現して、世界は慌ただしくなっていますけれども、それだけにそのトランプ大統領と蜜月関係を気づいている安倍総理の重要性は増々高まっていくと思いますね。
今回の来日で、トランプ大統領は天皇陛下との会見を行いました。他の多くの方が指摘していますけれども、筆者が注目したのは、やはり宮廷晩餐会でのトランプ大統領のスピーチです。
次に引用します。
こんばんは。天皇皇后両陛下、安倍総理御夫妻、御来賓の皆様。令和最初の国賓ですし、宮中晩餐会ですから、「令和」に触れることは、まぁ分かりますけれども、万葉集はおろか、大伴旅人や山上憶良にまで言及されるとは驚きです。
天皇陛下の御即位の後、最初の国賓として、再び日本を訪問できましたことを大変光栄に思います。
陛下、私と妻は、この丁重なる御招待を決して忘れることはありません。
また、この威厳のある国で、日本の方々の素晴らしいおもてなしと心温まる歓迎に感謝します。
私は、米日間で大切に育まれてきた同盟関係について米国民が抱く希望とともに参りました。
両国の益々繁栄する関係が次なる段階に歩みを進めるに際し、米国国民は陛下の下で新しい時代を迎える日本の全ての人々に対し、幸運をお祈りしています。
おめでとうございます。
今朝、私と妻メラニアは、光栄にも、ここ宮中で、天皇皇后両陛下にお目にかかりました。
2年前、私たちが前回日本を訪問した際には、光栄にも、現在の上皇上皇后両陛下にお目にかかりました。
日本の皇室の方々が私たちとの御友誼を保って下さっていることに深く感謝申し上げます。
今般の訪日では、とても良き友人である安倍総理御夫妻と更に多くの時間を共に過ごせることについても嬉しく思っています。
この2年間、私たちは、密接で信頼に基づくパートナーシップを育み、私たちはこれを非常に大切にしています。
日本の新しい元号は令和で、美しい調和を意味します。
この言葉は、万葉集と呼ばれる日本古来の和歌集に由来していると伺っています。
令和は、日本国民の一体性と美しさを祝福するものです。
そして、それはまた、変わりゆく時間の中でも、我々が受け継いできた伝統の中に我々が安らぎを得られることを思い起こさせます。
令和がその由来をもつ万葉集の第5巻には、2人の歌人によって書かれた文章の中に、この瞬間に関する重要な洞察を与える記述があります。
その歌人の一人は、大伴旅人ですが、春がもつ潜在的な可能性について書いています。
もう一人の歌人は山上憶良で、1人目の歌人の良き友人であり、家族や将来の世代に対する私たちの厳粛なる責任を想起させます。
これらはいずれも古来の叡知から受け継がれてきた美しい教えです。
そして今、私たちは目の前に広がる無限の可能性を喜ばしく思います。
それは、技術、宇宙、インフラ、防衛、商業、外交、その他はるかに多くの分野での新たなフロンティアにおける協力です。
そして、万葉集の古い和歌を日本の子供たちが受け継いできたように、私たちの同盟も受け継がれてきた豊かな財産であり、子供たちに受け継いでいかなければならないものであることを心にとどめています。
陛下、美しい調和の精神の下で、この新しい時代における多くの可能性を共に祝福します。
過去と将来の世代への私たちの務めを心にとどめます。
そして、米国と日本との間で大切に育まれてきた絆を我々の子孫のために守っていきます。
御礼を申し上げるとともに、令和が両陛下と皇室、日本全国の人々にとって平和と繁栄の時代となることを心よりお祈り申し上げます。ありがとうございました。
28日のテレビ朝日「モーニングショー」に出演した宮内庁の元職員で、皇室ジャーナリストの山下晋司氏は、「おそらく安倍総理といろいろ話をしてこういうスピーチになったんでしょうね。そうとしか思えないですよね」とコメントしていますけれども、よほど優秀かつ知日のスピーチライターがいるのでしょうね。
トランプ大統領はその他にも大相撲観戦、北朝鮮拉致被害者家族との面会。護衛艦「かが」への乗船などを行っていますけれども、日米の強固は繋がりをアピールすると同時に、対北朝鮮、国防面でもがっちりアメリカと連携していく姿勢を世界に発信したと言っていいと思います。
ひとまずは大過なく日程を終えたといえますけれども、トランプ大統領はこの4日間で日本国民に対して、悪くない印象を残したのではないかと思いますね。
この記事へのコメント
ばる
正「蜜月関係を築いている」
通りすがりです
いやはや、貿易関税の引き下げは選挙の後にします「トランプ様の言いなりに!」
って決めましたがな。
農業・畜産・車!アメリカの言いなに!ってね
今をやり過ごせば、後は野となれ山となれ!by安倍首相