新型警備艦で幽霊船を追え
今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
6月5日、アメリカ第7艦隊は、沿岸警備隊所属の大型警備艦バーソルフが「第7艦隊を支援するため西太平洋に配備されている」と西海(黄海)で作戦中であることを公開しました。
バーゾルフは2008年以降に就役した、最も新しいクラスの大型カッターの一番艦で、従来のハミルトン級カッターの後継として、新造されました。
バーソロフは、沿岸警備隊と海軍の沿海域戦闘艦(LCS)の共通化を意図した設計がなされ、極力低コストを意識して建造されました。見た目はかなりステルス艦に近い船体形状をしています。
最新のカッター艦が西海(黄海)で何の作戦をしているか公にはなっていませんけれども、状況から言って北朝鮮の瀬取り監視任務だと思われます。
最近、アメリカ国務省は、自身が運営するウェブサイト「正義への報酬」に「北朝鮮による違法活動に関する情報提供者には最大で500万ドルを支払う」との文言を掲載しました。
違法な瀬取りはもちろん、北朝鮮による海外への労働者派遣、違法取引や武器取引、贅沢品の輸出、サイバー犯罪関連の情報なども報奨金の対象になっているようです。
アメリカ国務省は国際テロ組織に関する情報提供者には報奨金を支払っているのですけれども、これをを北朝鮮の違法行為にも適用したということは、瀬取りを「国際テロ」と同格に扱うということです。
これについてある韓国軍筋は「米軍の艦艇が西海で作戦を行うと中国を刺激するため、これまでアメリカは公表を控えてきた……今回は北朝鮮に対する制裁の意志を明確にし、中国にも制裁に加わるよう圧力を加えるためだ」などとコメントしていますけれども、確かに、北朝鮮と、制裁緩和を主張する中国を同時に牽制する意味合いはありそうです。
あと、もしかしたら、韓国に対する警告の意味合いもあるかもしれません。
というのも、韓国・北朝鮮間を行き来する怪しい船が報告されているからです。
5月28日、アメリカ政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は8年前に廃船となった漁船「ゴールデン・レイク801」がリアルタイムの船舶位置情報を示す「マリン・トラフィック」で昨年から韓国と北朝鮮の双方で相次いで表示されていると報じています。
「ゴールデン・レイク801」は昨年9月5日に一般の船舶が出入りできない仁川海洋警察署の専用埠頭に表示され、1ヶ月後の10月4日には北朝鮮の黄海道にある長山岬から7キロ沖合で再び表示。その後、昨年11月15日には再び仁川海洋警察署専用埠頭で表示されたそうです。
そして、さらに今年5月3日には突然、北朝鮮の南浦港に現れ、5月21日には再び仁川海洋警察署専用埠頭で表示されたとしています。
これについて韓国の海洋水産部は「ここ3年の間にこの船が韓国の港を出入りした記録はない」と答え、仁川海洋警察も「ここ1年で民間の船舶が専用埠頭に停泊した事実はない」と説明しています。
一時的なエラーや故障があったとしても、1年のうちに5回もそれぞれ別の場所でキャッチなんて考えられません。怪しいどころではありません。
6月1日、岩屋防衛相は、北朝鮮の制裁回避に対応するために国際的な監視強化が必要だとし、「北朝鮮問題に直接関連した韓国、中国、ロシアなどに公共の利益のため一層さらに深い連帯を訴えたい」と連携強化を指摘しています。
瀬取監視については、去年始めから、日本、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの7ヶ国が東シナ海と近海に、海上哨戒機や護衛艦などを交代で派遣。国連制裁違反の船舶間不法積み替えの取り締まりを行っています。
ところがこの瀬取監視に韓国は参加していないのですね。
外務省によると、対北朝鮮海上監視のための多国籍活動に韓国も参加しているかとの問い合わせに「韓国が監視活動のために航空機や艦船を派遣した記録はない」と回答。これについて韓国国防部は「作戦保安事項」で答えられないとしていますけれども、北朝鮮制裁に消極的な姿は隠せません。
いっそのことバーゾルフで調査にいっていただいて、その怪しい”廃船”の正体を突き止めて欲しいものですね。
この記事へのコメント
戯け者の戯れ言
西海(黄海)は朝鮮半島の西の海という意味ですか?日本海は朝鮮半島の東の海ですから東海と呼ぶのですか?出典などからの転用が私の誤解であれば良いのですが、蟻のひと穴にならないかと気になりましたのでコメントいたしました。
日比野
コメントありがとございます。
>西海(黄海)は朝鮮半島の西の海という意味ですか?日本海は朝鮮半島の東の海ですから東海と呼ぶのですか?
はい
韓国は黄海=西海 、日本海を=東海 と呼称しています。
https://www.sankei.com/world/news/140211/wor1402110047-n1.html
本エントリーもそうですけれども、他の記事の引用元が朝鮮日報なのでこういう表現になっていると思われます。
御指摘ありがとうございました。