今日もこの話題です。


1.問題の本質を理解していない文在寅
7月8日、韓国の文在寅大統領は韓国大統領府で首席秘書官・補佐官会議を主催し、日本政府による輸出優遇除隊措置に関連して「対応と仕返し対抗の悪循環は両国にとって決して望ましくない……しかし韓国企業に実際に被害が生じた場合、韓国政府としても必要な対応をしないわけにはいかない」と発言しました。
文大統領は「日本側の措置撤回と両国間の誠意ある協議を求める」と日本に撤回を要請。国内に向けては「韓国政府は部品・素材・設備産業育成を国家経済政策の最優先課題の一つにして、予算・税制など用い得る資源を総動員し、企業を支援したい……企業側も技術開発や投資を拡大し、部品・素材メーカーとの共生・協力を通じ、対外依存型の産業構造から脱皮することに力を注いでくださることを望む」と官民挙げての対策を取ると表明しました。
けれども、元徴用工判決問題で日本の要請を一切無視して、自ら信頼関係をズタズタにしておきながら、どの口が言うのかというものですし、予算・税制を総動員して企業を支援などと、最低賃金引上げで企業を痛めつけておいてこの発言です。白けます。
現在、韓国政府がやっていることといえば、対外的には、日本に対して輸出規制と優遇措置撤廃を辞めさせようと協議を持ちかけていることと、日本のやっていることは酷いと批判し、他国に告げ口して圧力を掛けようとしていることくらいで、国内的には、対日依存から脱却するための開発投資支援を打ち出したくらいです。
今回の事態に至った根本原因である、信頼関係の破壊と、戦略物資の安全保障問題については全くといっていいほど対策らしきものが見当たりません。何が問題なのかまったく分かっていないという他ありません。
前者の対外向け対応については、韓国の産業通商資源部が二日連続して日本に両者協議を要請したそうですけれども、当然日本側は拒絶しています。また、産業通商資源部はユ・ミョンフイ通商交渉本部長をアメリカに派遣して、日本政府の措置の不当性と私たちの立場を説明する方針を出していますけれども、フッ化水素の横流し疑惑がある中で、ノコノコと出て行って何を説明するというのでしょうか。
日本の官邸周辺は「当然、同盟国であるアメリカなどには、事前に内々で伝達していると聞いている」と明かしています。つまり、根回し済みだということです。
2.どんなに望んでもアメリカは仲裁してくれない
日本側は、輸出規制措置に関連して、「不適切な事案があった」と再三指摘しています。
これについて、韓国外務省当局者は「我々は四大国際輸出統制体制の参加国として、徹底して義務事項を順守している……国際社会との緊密な協調の下、国連安保理の北朝鮮制裁決議を忠実に履行している」と反論していますけれども、それならば、猶の事、「では、管理をちゃんとしている証拠を出せばよいではないか」とアメリカに冷たく”アドバイス”されるだけではないかと思います。
実際、トランプ政権のある高官は、「2015年の日韓慰安婦合意をはじめ、悪化した日韓関係を米国が解決するために水面下で役割を担うのは、日韓両国がアメリカに助力してほしいと要請してきたからだった。今はそのころとは違う。今回の確執は韓国と日本が自分たちで解決していくだろう」と述べたそうです。
また、ジョセフ・ユン前国務省北朝鮮担当特別代表兼韓国・日本担当副次官補も「トランプ大統領は同盟や同盟国間の結びつきを気にしないので、これまで米国は日韓間について水面下での役割ができなかった」と指摘しています。
これらを見る限り、韓国政府が期待するアメリカの仲裁はほぼ無いのではないかと思いますね。
3.無能極まる韓国政府
対外的に手詰まりになると、今度は国内から文政権への批判の声が上がることになります。
今回の輸出規制卒については、今年1月の段階で日本のメディアは、韓国に対し、半導体素材の禁輸を検討していると報じていたのですけれども、韓国政府はどうせ日本は何も出来ないと多寡を括り、相対的に韓国に優しい外務省からの情報ばかりに頼って、肝心な官邸と通産省には殆どアプローチしていなかったようです。
その結果は見ての通り。文政権の経済・通商を切り盛りする力は驚くほど低いと言わざるを得ません。
冒頭で取り上げた談話で文大統領は「前例のない非常事態で何よりも重要なのは、政府と経済界が緊密にコミュニケーションを取り、協力すること……状況の進展によっては、民・官共同の非常事態対応体制の立ち上げも検討すべき」と発言していますけれども、7日に洪楠基副首相と金尚祖室長が行った大企業トップ懇談会では、「ひとまず政府を信じて従え」というだけで具体策は一切ありませんでした。
その一方、韓国政府の対応については「対抗するなら、日本の強気の攻めに巻き込まれる恐れがある……意図的に強度の低い対応」をしていると言い訳しています。
政府に従えといいながら、具体策がゼロ。これでは、企業にそのままサンドバックになれというに等しい。お話になりません。おそらく何をしていいのか分からないのでしょうね。恐るべき無能ぶりです。
まぁ、韓国の財界もそれを知っているのでしょう。
10日に文在寅大統領が各企業のトップを呼んで行う緊急対策会議についても、「トップを30人も呼んで何の話を聞こうというのか。結局はトップたちを取り巻きのようにして、『見せるため』の対策を打ち出すのにとどまるだろう」とコメントしています。要するに、自己保身に過ぎないと醒めた目で見ているということです。
自己保身に走っているのは、通商関係の担当者だけではありません。
4.保身に走る文喜相と学習した日本国民
7月8日、韓国国会は、日本政府の輸出規制措置について、超党派の訪日団の派遣を決めたと発表しています。
なんでも、文喜相国会議長が、超党派的な国会訪日団の派遣を提案し、与野3党の院内代表が合意したそうです。
文喜相国会議長については以前、「目先の保身に走って国ごと沈む韓国」のエントリーで、彼が今年6月に天皇陛下(現・上皇陛下)に謝罪を要求した問題で、鳩山由紀夫元首相に「謝罪の意」を表明したのは、国内向けに「日本に遺憾を意を示した」という既成事実を作ることが目的であり、単なる保身に過ぎないと述べたことがありますけれども、今回の訪日団の派遣についても、同様に保身を図るただのポーズのような気がしますね。
世耕経産相は既に、今回の規制強化と「ホワイト国」優遇措置の撤廃について、見直しも撤回もしないと発言していますし、JNNの世論調査でも政府の対応が「妥当だ」と思う人は58%と「妥当でない」の24%をダブルスコアで圧倒しています。
事は安全保障問題ですからね。核開発物資の横流しの共犯にされては堪りません。
9日、韓国の成允模・産業通商資源相は、韓国から北朝鮮にフッ化水素が横流しされているとの日本メディアの報道について「根拠のない主張を即止める」べきだと述べていますけれども、根拠がないというのなら、行き先が分からない分も含め、物資の管理リストを耳を揃えて出して見せればよいだけです。
慰安婦合意破棄、火器管制レーダー照射、元徴用工判決問題と立て続けにやらかしてくれたお蔭で、韓国の嘘と卑怯さ、そして、責任転嫁の手口が日本中に知れ渡りました。
ネットでも韓国の言い分はレーダー照射の時と同じだという指摘で溢れていますし、韓国政府のフェイク発表も、日本政府が即座に反論、否定しています。
これは、日本政府と日本国民が韓国への適切な対処法を学習した証拠ではないかと思いますね。
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