今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.ウラン濃縮を進めるイラン
7月8日、国際原子力機関(IAEA)は8日、イランの濃縮度が上限の3.67%を超えたことを査察官が確認したと発表しました。
ロイター通信によると、IAEAはオンラインの監視システムを使ってウラン濃縮を確認したそうなのですけれども、具体的な濃縮度については不明です。
ただし、イラン原子力庁のカマルバンディ報道官がイラン学生通信(ISNA)とのインタビューで、「濃縮度はきょう、4.5%に達した」と語っています。
筆者は「イランのウラン濃縮と韓国のフッ化水素横流し疑惑」のエントリーで、イランは20%の濃縮には4日で出来ると述べていたことを紹介しましたけれども、7日の宣言から1~2日で3.67%から4.5%に濃縮出来たのだとすれば、その言葉に一定の信憑性を与えたことになります。
カマルバンディ報道官は、国営イラン通信(IRNA)のインタビューに、濃縮度を20%まで引き上げるか、ないしは後の段階で、濃縮のためにより高性能な遠心分離機を使用することを検討する可能性があると説明しています。対決モード全開です。
2.アメリカの対イラン12ヶ条
当然アメリカは黙っていません。
6月8日、ペンス副大統領は、イスラエルを支持するキリスト教右派の集会で「アメリカ軍は中東における国益を守る準備はできている……アメリカの自制と決意の欠如を取り違えてはいけない」と武力行使も視野に入れつつ、今後も制裁措置でイランに圧力をかけ続ける考えを示しました。
トランプ政権は昨年5月の核合意離脱表明後、新たなイラン政策を発表し、次の12項目を突きつけています。
1)IAEAに対してこれまでの核兵器開発計画の全容とそれを永遠に破棄したことを明らかにするどれもこれもイランにとっては厳しい条件です。見方によっては全面降伏を求めているようにさえ見えます。
2)ウラン濃縮の中止。重水炉の閉鎖を含むプルトニウム再処理の断念
3)IAEAにイラン全土のすべての関係先への自由なアクセスを認める
4)弾道ミサイルの拡散を止める。核搭載可能なミサイルシステムの発射や開発を中止する
5)米国民や米国のパートナーや同盟国の市民を解放
6)レバノンのシーア派組織ヒズボラ、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス、ジハーディスト(聖戦主義者)を含む中東の“テロ”グループへの支援を終結
7)イラク政府の主権を尊重し、シーア派武装勢力の武装解除や解散に応じる
8)イエメンの武装組織フーシ派への軍事的支援を止め、平和的で政治的な和解に努力する
9)イラン司令官の指揮下にあるすべての武力をシリアから撤退する
10)アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンや他の“テロリスト”への支援や、国際テロ組織アルカイダ幹部を匿うのを止める
11)イラン革命防衛隊による世界中の“テロ”や“武装組織”への支援を止める
12)イスラエルやサウジ、アラブ首長国連邦(UAE)など近隣諸国や国際輸送への脅し、サイバー攻撃を止める
アメリカはこれらに加え、6月24日から最高指導者ハメネイ師を制裁対象に加える追加制裁を行っています。
上述の11のイラン革命防衛隊は、イラン最高指導部直属で、傘下企業は国内の通信関連市場をほぼ独占。石油化学で3分の1、金融で15~20%のシェアを有するとされています。アメリカはイラン革命防衛隊を核・ミサイル開発やテロ支援の資金源とみて、「テロ組織」に指定しています。
アメリカは石油部門などに対しては昨年11月から制裁を再開。猶予措置も今年5月に撤廃し全面禁輸に踏み切っています。
ロイター通信によると、これら制裁措置により、イラン産原油の輸出は昨年5月の日量240万バレルから今年6月には、日量30万バレルに減少しています。
けれども、これでイランが石油を一切輸出しなくなった訳ではありません。
3.イランの型破りな石油販売
6月8日、イランのビージャンナムダル・ザンギャネ石油相は「わが国は非公式な、もしくは型破りな販売を行っているが、いずれも秘密だ。米国が知ればたちどころに止めるだろう」と述べ、迂回輸出による原油の販売継続を示唆しました。
イランのいう非公式とか、型破りが一体何かは分かりませんけれども、ネット等で囁かれている、韓国がフッ化水素をイランの原油と物々交換している説なども、あるいは「型破り」の範疇に入るかもしれません。
実際、昨年12月にイランは輸出した原油の代金を物品で受け取る取引を行うことで、韓国と最終合意したことを明らかにしています。
また、韓国の国会議員が産業通商資源省から入手した「戦略物資無許可輸出摘発現況」というリストには、2015年から2019年3月まで、韓国から戦略物資が無許可で流出した不正輸出案件が156件あったと記されていることが、報じられています。
韓国の密輸に、イランとの物々交換。何やら点と点が結びついて、噂が噂で無くなってきている感がしなくもありません。
ジャーナリストの加賀孝英氏によると、韓国の戦略物資横流し疑惑について、アメリカは激怒。アメリカ情報当局者は、「韓国が騒いでいるが、『Shut up!』だ。日本が100%正しい。ドナルド・トランプ大統領は、文大統領が大嫌いだ。文政権下の韓国は『同盟国を裏切る敵性国家』と見て、激怒している」と語ったそうです。
日米情報当局関係者は「米国はCIAを中心に、北朝鮮やイランに、どこから核・生物化学兵器の開発に必要な戦略物資が流れたのか、徹底的に洗ってきた。韓国の存在が浮上し、ホワイトハウスは激怒している……日本側は今回の措置について、大阪でのG20首脳会合前に、アメリカなどに伝達したようだ。アメリカは『米韓同盟破棄』や『テロ支援国家指定』についても検討しているとされる」と述べており、相当危険な状態にあると言えます。
そういえば、G20の会場で出席者用のペットボトルの水が「水素水」だったことが、ネットの一部で「何でだよ」と話題になっていましたけれども、今になって思えば、あれはフッ化水素の横流しを暗喩していたのではないかという指摘もちらほらあるようです。なるほど、そうかもしれません。
だとすると、ある意味日本はG20の場で「横流しは許さない」と宣言したともいえ、元徴用工判決問題云々とは全く別の次元で規制・管理するということなのだと思われます。
韓国政府は日本に対し、「不適切な事例」の証拠を出せと叫んでいますけれども、火器管制レーダー照射の反省を踏まえ、言い訳できない形での開示を考えているのではないかと期待したいですね。
いずれにせよ、韓国は日本に甘え、世界を欺くことはもはや不可能になったのではないかと思いますね。
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