NHKに不満よな。N国党、集めます。
今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.みんなのN国党
7月29日、例の「戦争発言」で日本維新の会を除名された丸山穂高衆議院議員とNHKから国民を守る党(以下N国党)の立花孝志代表が会談を行い、丸山議員がNHKから国民を守る党へ入党することで合意しました。
会談後の記者会見で、丸山議員は「最終的にわたくし丸山穂高が、NHKから国民を守る党に入党して、一緒に共闘をしていくことと相成りました」と述べ、入党を決めた理由について「立花代表がNHKを改革するんだ、特にスクランブル放送の1点に向けて、しっかり政策を前に進めていくために国政で全力で行動していくことを、2%の支持を得て政党要件も得たということで、国民の皆さんの不満の声に対して国も対応していく必要があるのではないかと感じる。その他色々な政策があるが、私自身も無所属となり1人でできることは限られている。NHKをぶっ壊す、スクランブル放送をなんとか実現するんだという1点において共闘する。その他の政策は自由、発言・行動はそれぞれが判断すると合意に至った」と説明しました。
一方、N国党の立花代表は「選挙前から丸山先生にはラブコールをしていたので、念願叶ったというか、ドラフト会議で希望選手を獲得した監督のような気持ち。ご批判があることは理解しているが、この2人にはとどまらない方向で、NHKの問題1点のみ合意して戦っていくというお返事をいただいて、もうもううれしい。国会で710分の1が710分の2になるのはすごくやりやすいこと。国民の皆さんにも投票頂いたので、しっかりと共闘していきたい」と期待を寄せています。
また、立花代表は翌30日、無所属の渡辺喜美参議院議員と記者会見を行い、参院で会派「みんなの党」を結成すると発表しました。会派代表となる渡辺参院議員は「これを第一歩として、みんなの党を復活させたい」と抱負を述べました。
渡辺参院議員はN国党には入党せず、法案への賛否は、2人がそれぞれ独自に決めるとしていますけれども、これは希望する委員会に入る可能性を上げ、国会での質問時間を確保することが狙いのようです。
渡辺参院議員はNHK改革について「正直、深く考えたことがない」としながらも「公共放送として強制的に徴収するなら、今の課金システムや値段は考えた方がいい」とN国党との連携に含みを持たせています。
これでN国党所属議員は2人。参院会派では3人。参院選が終わって一週間かそこらで急速に勢力を拡大しています。
2.ワン・イシューと政党助成金の力
N国党は何故そこまで勢力を拡大できるのか。考えられる理由には大きく2つあります。
一つは「NHKをぶっ壊す」以外に何もないワン・イシュー政党だということ。もう一つは政党助成金です。
NHK改革以外の政策は党議拘束もない自由行動がOKというN国党は、「NHKをぶっ壊す」だけを飲んでくれれば良い訳ですから、左右問わず受け入れることが出来る上に、丸山議員のように”失言”で除名となった議員の受け皿になる土壌があります。
立花代表は、丸山議員、渡辺議員以外にも10人前後、N国党への入党を呼び掛けていますけれども、元自民から元民進まで、左右関係なく、また除名された議員やはたまたN国党を批判している維新の会の足立議員まで節操ありません。
行き場を失った議員にしてみれば、「NHKをぶっ壊す」以外なら何でもOKの政党は身を寄せるためのハードルは低いでしょうね。
けれども、それだけでN国党に身を寄せる理由になるかといえば、そうではありません。もう一つの大きな理由があります。それが後者の政党助成金です。
政党助成金とは、政党の活動を助成する目的で国庫から交付される資金のことで、公職選挙法では国会議員が5人以上、もしくは1人以上で直近の選挙で比例区か選挙区のいずれかで得票率2%を満たせば政党として配布されます。
その額は国民1人あたり年間250円で決められる額で、直近の国勢調査で判明した人口を元に計算されます。助成金の半分は総務省に届け出た政党の所属議員数の割合に応じて配分され、もう半分は直近の国政選挙の得票率に応じて各政党に配分されることになっています。
7月23日、立花代表は、AbemaTV『AbemaPrime』に出演し、「今後、無所属の議員さんをお金の力を使っていっぱい引っ張ってきます。そのための政党助成金ですから。明後日、丸山穂高さんとお会いする予定。彼は無所属なので、次の選挙では勝てない。僕とひっついて、うちの党から重複立候補すればいい。丸山さんがうちの党に来てくれることによって、政党助成金が2430万円上乗せされる。それをそのままどうぞ、と。……明後日、それを飲むか飲まないか。僕の頭の中には、その候補が全部で9人います。実際、“立花さんのところに行ったら2430万円くれるんですか!“と言ってきた人もいた。お金に釣られて来たと思われても、NHKの被害者のために使うんですとなればいい」と発言しています。
立花代表は、無所属では次の選挙に勝てないと明言。政治は金と数であるとはっきり割り切っています。建前も何もない。でなければこんな発言になるはずがありませんし、選挙という政治家にとっての急所をついています。
しかも、N国党に入党することによって、上乗せされる政党助成金をそのままくれるとなると、次の選挙が不安な無所属議員にしてみれば願ったり叶ったりでしょう。しかも「NHKをぶっ壊す」以外なら何でもOKですから、ハードルも恐ろしく低い。
選挙に強く、無所属で当選できる議員以外にしてみれば食指は動くでしょうね。
実際、丸山議員が入党し、渡辺喜美議員も会派を結成している訳ですから、この立花代表の戦略はそれなりの効果を出している訳です。
筆者は「令和最初の参院選を終えて」のエントリーで、N国党が参院選で勝てたのはワンイシュー政党に徹し、国政全部を預ける訳ではないが故にリスクが低いと見た国有権者がそれなりに票を投じたのではないかと述べましたけれども、ネットの反応を見ても、リスクの少なさに言及している声もそこそこ見受けられました。
3.NHKは誰の為の公共放送なのか
早くもN国党はその影響力を見せ始めています。
7月30日、松井一郎・大阪市長は市役所で記者団に対し「現職議員でごねて(受信料を)払わないと表明している。それを(NHKが)見て見ぬふりをし、おとがめなしで通るなら、一般の人はばからしくて受信料払われへん……NHKが現職国会議員の受信料不払いを認めるなら、大阪市もやめさせてもらう」とN国党側の不払い方針にNHKが見解を表明し、徴収手続きに入らないのであれば、大阪市としても今後は受信料を支払わないと明言しています。
NHKは即座に反応。30日、「受信料と公共放送についてご理解いただくために」という声明を発表しました。
声明では「NHKを見なければ受信料は支払わなくてもいい」との発言に対して「法律違反を勧めることになる」と非難し、
「明らかな違法行為などについては、放置することなく、厳しく対処する」と表明しています。
そして、「公共放送の役割や受信制度の意義を視聴者・国民のみなさまに丁寧に説明してご理解いただき、受信料の公平負担の徹底に全力で取り組んでまいります」と述べて締めくくっていますけれども、既にこの文章で、受信料の公平負担が徹底されていないことを漏らしていますし、少なくとも、N国党が議席を取る程度には「公共放送の役割や受信制度の意義を理解していない」もしくは、「反対している」人々がいる訳です。
であるならば、日曜討論でもクローズアップ現代でもよいですけれども、NHKはその「公共放送の役割や受信制度の意義」について、N国党の立花代表と公開討論を行って、大々的に放送し、その是非を有権者に判断して貰うべきだと思います。
単にホームページでお知らせしました、とか、2~3分だけちょっと放送で説明しました、などという一方通行なものではなく、堂々と討論すればよいと思います。
放送法は不磨の大典ではありません。昭和25年に制定された60年近く前の法律です。これが今の令和の時代にそのままでもよいのか見直す機会でもあると思いますし、国会議員にはその権限があります。
NHKも放送法があるから守れ、違法行為には厳しく対処するという建前だけでなく、法律そのものの意味と有用性を含めてこの機会に広く討論すべきではないかと思いますね。
N国党の立花代表は、今年は人集めをするだけで、それ以外は当面「何もしない」と述べていますけれども、逆にNHKに対し放送法の是非とNHKがその使命を果たしているかについての公開討論を申し込むくらいはしてもよいと思います。
まぁ、N国党が最終的にN国党が何人議員を集めるのか分かりませんけれども、5人集まれば、次の衆院選までの台風の目になるかもしれませんね。
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