イランのウラン濃縮と韓国のフッ化水素横流し疑惑

 
今日はこの話題です。

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7月7日、イランのアラグチ外務次官ら政府高官は、核合意の規定を超える濃縮度のウラン製造を開始すると発表しました。

2015年7月14日に結ばれたイラン核合意では、イラン側が濃縮ウランや遠心分離機を削減するなどして、15年に渡り核兵器1個分の核物質を得るのに要する期間を1年以上に保つことと定められました。

2016年1月16日にIAEAがイランの核施設縮小を確認したと発表。これを受け欧米諸国はイランへの制裁を解除しました。

けれども、この合意では不十分だとしたのがアメリカのトランプ政権とイスラエルです。

トランプ政権とイスラエルが問題視したのは、「サンセット条項」と呼ばれるイラン核合意の遵守期間です。

イラン核合意では、高濃縮ウランの備蓄を約98%減らし、核兵器に使用できる濃縮度のウランを15年間生産できないとしていますけれども、逆にいえば、15年過ぎれば、再び核活動を拡大することが可能になるとも言える訳です。また合意ではミサイル開発に関する制限がなされず、17年1月にはイランはミサイル発射実験を行っています。

トランプ大統領はサンセット条項をなくすことや、ミサイル開発の制限などを盛り込んだ修正案を英独仏に求め、修正案で合意が得られなければ合意から離脱すると宣言。英独仏は妥協案を纏めるなどしましたけれども、トランプ大統領は強硬な態度を崩さず、2018年5月8日、離脱と制裁の再開を表明しました。

そして、トランプ政権は、2018年11月5日からイラン産原油の輸入を禁止する経済制裁を再発動させています。

これに対し、経済制裁解除を求めるイランは今年5月、核合意の履行義務の一部停止を表明。第1段階として一日に低濃縮ウラン貯蔵量上限である300キロを超過させると宣言。合意当事国の英独仏に対し、石油輸出と銀行分野で取引継続につながる具体的な経済支援策がまとまらなければ、7日に濃縮度規制を破ると警告しました。

今回のイランの宣言は、予告を実行に移した形で、核合意の履行を一部放棄する第2段階とされています。

核合意ではウラン濃縮度は3.67%以下と制限されているのですけれども、イランは、南部にあるブシェール原発に必要な核燃料レベルまで濃縮度を引き上げるとして当面は5%前後にとどめる見通しのようです。

核合意成立以前、イランは2カ所の核施設にウラン濃縮用の遠心分離機2万台を所有していました。合意成立後は何千台もの遠心分離機が稼動停止を余儀なくされたのですけれども、新型遠心分離機の開発は許されています。

イランのアラグチ外務次官は7日の会見でウラン濃縮の上限超過について「欧州は要求を満たさなかったからだ」とし、今後60日ごとに段階的な履行停止を続けると述べました。

ただ、濃縮について、いきなり90%まで上げるではなく5%に留めるとしたことから、核兵器開発を段階的に進めるぞとチラつかせて、制裁解除あるいは妥協を引き出そうという、いわゆる「瀬戸際外交」を始めたという見方が有力です。どこか見たような戦法ですね。

あるイラン高官は、イランが保有するIR-6と呼ばれる新型遠心分離機を使えば4日で濃縮度20%に出来ると述べているそうです。

ウラン235は、原子爆弾向けには最低20%以上、実用上90%以上の濃縮度が必要とされていますから、もしも、イランが60日ごとに5%濃縮度を上げていけば、240日で20%の濃縮度に到達する計算になります。

このイランの発表に、7日、アメリカのポンペオ国務長官は「より一層の孤立と制裁を招くだろう」とツイッターに投稿し、制裁強化を警告。更にトランプ大統領も記者団に「イランは気をつけた方がいい。一つの目的のために濃縮を行うのであれば、私はその目的については語らないが、少しも良くない」と述べました。

イランに対する更なる制裁は避けられない流れです。

イラン核開発に北朝鮮が関わっているのではないかとは以前から指摘されていたのですけれども、実は韓国も絡んでいたとの疑惑が持ち上がっています。

朝鮮日報によると、保守系野党「大韓愛国党」の趙源震議員が産業通商資源部から提出を受けた「戦略物資無許可輸出摘発現況」を確認し、2015年から2019年3月までに政府の承認なく韓国の国内業者が生産・違法輸出した戦略物資は156件に上っていることを指摘しています。

2018年5月には、ウラン濃縮などに使える韓国産の遠心分離器がロシア、インドネシアなどに違法輸出され、2017年10月には原子炉の炉心に使われるジルコニウムが中国へ、また生物・化学兵器の原料となる「ジイソプロピルアミン」がマレーシアなどへ輸出されたとしています。

戦略物資の違法輸出の内訳は、生物・化学兵器系列が70件。通常兵器が53件、核兵器関連は29件、ミサイル兵器が2件、化学兵器が1件だったそうで、朝鮮日報は、これら戦略物資が第三国を経由して北朝鮮やイランなどに持ち込まれた可能性もあるとしています。

実際、日本から韓国へのフッ化水素の輸出量は文在寅政権から急増しているのですけれども、その一部は工業製品に使われず、その用途を日本が取り合わせても韓国は返答していません。

怪しさ満点です。

これについて、著名ブログ「NEWS US」は、韓国が密輸原油の代金としてイランにフッ化水素で支払っていたのではないかという仮説を提示していますけれども、可能性は大いにあると思いますね。

もしも、このようなことが事実であれば、韓国は完全に制裁対象になりますし、今回日本が規制強化した物資は完全禁輸になるでしょう。

アメリカのポンぺオ国務長官が、イランに警告した「より一層の孤立と制裁を招くだろう」というセリフは韓国の頭上にも覆い被さっているのかもしれませんね。

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参考:日比野庵新館「日本政府によるアメリカへのプルトニウム返却について

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