今日は感想エントリーです。


1.韓国が日本をホワイト国指定から除外の報復措置
8月12日、韓国のソン・ユンモ産業通商資源相が記者会見し、日本をホワイト国から除外する内容を盛り込んだ政令の改正案を発表ました。
具体的には、29カ国ある韓国の輸出管理における「ホワイト国」を「グループ1」と「グループ2」に分け、日本を新設した「グループ2」に分類。先端技術に使用される戦略物資などが対象で、日本に輸出する際に必要な審査の基準が厳しくなるとしています。
今回の輸出規制について、ソン産業通商資源相は、「戦略物資の輸出管理は、国際的な輸出管理体制の基本原則から外れた制度運営をしたり、不適切な運用が継続的に行われている国とは緊密な協力関係を築くのが難しい」と理由を説明していますけれども、日本の輸出管理に対する事実上の報復措置だと見られています。
日本が韓国をホワイト国から除外したことをあれほど制裁措置だなんだと騒いでおいて、自分もホワイト国から除外していたら世話がありません。WTOに提訴すると息巻いていたのに自分でその扉を閉ざしてしまっています。
これに対し、同じく12日、佐藤正久外務副大臣は、「これが日本の輸出管理措置見直しへの対抗措置ならWTO違反とも言えようが、どのような理由なのか細部確認する。ただ韓国から日本への機微な戦略物資は殆ど無いのでは?あまり実質的な影響はないのかも?確認する」とツイートしました。
更に翌13日、世耕経済相は「何を根拠に日本の輸出管理制度が輸出管理レジームの基本原則にのっとっていないと言えるのか全く不明だ」とツイートしました。
財務省の貿易統計によると、平成30年度の韓国からの輸入額は前年度比6.6%増の約3兆4800億円ながら、輸入総額(約82兆3000億円)に占める比率は約4.3%に留まっています。
そもそも、日本にしてみれば、韓国以外に代替が利かない品目なんて殆どありませんし、取り分け、韓国から日本への戦略物資の輸出は少ないとされています。経産省幹部は「企業活動への影響はないのではないか」とコメントしています。
韓国政府は9月中に日本を対象国から除外する見通しだそうですけれども、日本にそれ程のダメージは与えられないことを考えるとどうぞ御勝手にと言う他ありません。
2.日本離れする韓国を自爆させよ
それにしても、韓国による日本のホワイト国指定除外など、その効果も碌に見積もりもせず、日本への意趣返しというか、オウム返しにそのままやっているだけにしか見えません。殆ど自己満足の世界です。
8月2日、佐藤正久外務副大臣がBSフジの報道番組で、文在寅大統領が日本に対して「盗っ人猛々しい」と発言したことについて「『盗っ人たけだけしい』と品のない言葉まで使っているのは異常だ。日本に対して無礼だ」とツイートしたのですけれども、この発言に対して、韓国大統領府の尹道漢・国民疎通首席秘書官が自らのFacebookで、「次官級の関係者が相手国の首脳に対し、こうした下品な言葉を言うのが果たして国際的規範に合致するのか疑問」などと反発しました。
こんな風に言えば言い返す、やればやり返すこと自体の有効性は認めますけれども、国益に資する計算があってのもので、自分へのブーメランとなって自らを傷つけてしまう韓国の外交はおよそ戦略的とは言えません。
ここ最近の日韓関係を見るにつけ、日本がちょっと何かを言ったり、やったりするだけで、その何倍も勝手に騒いで、勝手に韓国が日本離れをやってくれる構図が出来つつあるようにも感じます。
このまま、日本が国際法に照らして韓国の間違いを指摘して"適切な"対策を取るだけで、韓国はオウム返しに反応し、自己矛盾の姿をどんどん晒していくように思います。
例えば、元徴用工判決問題にしても、11日、毎日新聞などがアメリカ政府が日本政府に「元徴用工への損害賠償を含む請求権問題は、1965年の日韓請求権協定で解決済み」とする日本の立場を支持する意向を伝えていることを報じていますけれども、これについても韓国政府は脊髄反射しています。
12日、韓国外交部当局者は記者団に「韓国は当時、サンフランシスコ平和条約に戦勝国として参加することができなかった。この条約の締約国が請求権を放棄した条項と韓国とは関係がない……しかし、韓国は当時、戦勝国でなかったため、当事者にはなれず、この条約にもとづいて強制徴用の賠償請求権を放棄したとみることはできない」と反論しました。
当時日本に併合されていた半島に戦勝国もクソもありません。それが戦勝国はおろかサンフランシスコ条約そのものを無効とは、言うも言ったり、厚顔無恥も限界突破しています。
先日「韓国は世界秩序の破壊者である」のエントリーで筆者は、日本は韓国に対して、「韓国は世界秩序を破壊している。世界の破壊を止めよ」と戦略の階層の最上位階層である世界観から批判すべきだと述べたことがありますけれども、サンフランシスコ条約を否定することは、まさに戦後世界秩序の破壊そのものです。
日本政府はこの韓国外交部当局者とやらの言動に対し、「サンフランシスコ条約の否定は戦後社会秩序の否定である。韓国は世界の破壊者だ」くらい言ってやれないかと思いますし、少なくとも、韓国がサンフランシスコ条約を否定した事実は、世界各国に周知すべきだと思いますね。
この記事へのコメント
Ken