今日はこの話題です。
ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。
「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.法治を投げ捨てる文在寅
韓国が日本のコメントに脊髄反射で反発しています。
8月23日、韓国がGSOMIAの破棄を決めたことについて、安倍総理が「まず国と国との信頼関係を回復し、約束を守ってもらいたいという基本的な方針は今後も変わらない。彼らが国と国との約束を守るように求めていきたい」とコメントしたことに対し、27日、韓国外交部の金仁チョル報道官は定例会見で、「決して受け入れられない……日本こそWTOに反し、自国が議長国を務め採択したG20首脳会議の宣言文にも真っ向から反する一方的な経済報復を続けている」と反論しました。
更に「こうした不当な経済報復を即刻撤回することを求める……外交ルートを通じて輸出規制措置は不当であり、速やかな撤回、そして問題解決のための対話が必要という立場を継続的に促してきた……今後もそうしていく」と要求。お門違いも甚だしい。
国と国との約束を守れという極々当たり前のコメントに「決して受け入れられない」とは、理解の斜め上の天井を突き破っています。
そして、それに追い打ちをかけるように文大統領が法治を投げ捨てる発言をしました。
8月29日に行われた閣議の冒頭、文大統領は「一度反省を言ったので反省は終わったとか、一度合意したからといって過去の問題が全て過ぎ去ったのだと終わらせることはできない」と述べました。 国際合意をいくらしようが、歴史問題で延々と非難と賠償を求めるという宣言です。これからもムービングゴールポストをやるということです。
もはや国際常識の欠如どころか、国際秩序の破壊者としかいいようがありません。
2.説明と理解は別の話
批判や抗議されたら、何でもかんでも抗議する反応はアメリカに対しても変わりません。
28日、韓国外交部の趙世暎・第1次官はハリス駐韓米国大使を呼び、日韓や米韓関係について異例の協議を行ったのですけれども、趙次官は、協定破棄は日韓関係の文脈で決めたものだとし「韓米同盟と関係なく、今後も米国と緊密に協調し、韓米日の安保協力を維持する」と主張しました。
また、アメリカが韓国のGSOMIA破棄決定について、「韓国政府のGSOMIA破棄決定に深く失望し懸念している。これは韓国を守ることをさらに複雑にし、米軍に対するリスクを増大させる可能性がある」などと、度々失望を表明していることについて、「アメリカ側には十分に説明したが、それにもかかわらず失望などの表現を公の場で繰り返すのは、韓米同盟強化の一助にならない。このようなメッセージは自制してほしい」と趙次官はハリス駐韓大使に伝えたそうです。
けれども、説明したことと相手が理解したこととは別の話です。
GSOMIA破棄について、金鉉宗・国家安保室第2次長が、「GSOMIA破棄の決定前には米国と協議し、コミュニケーションを取った。米国に理解を求め、米国は理解した」とコメントしたところ、アメリカ国務省から「韓国政府は一度も米国の理解を求めたことはない」と即座に否定されています。
既に「一度も米国の理解を求めたことはない」とまで言われているのに、自分達が説明しただけで、それで思い通りになると思っていたら、実にオメデタイ思考としか言わざるを得ません。
私がアメリカの担当官だったら、「アメリカと韓国では『説明』という言葉の意味が違うようだ」と皮肉で返したいところです。
3.「ネルソン・リポート」でボロクソ
アメリカは韓国政府の振る舞いに激怒しています。
ワシントンの政策コミュニティで、アジアに関する政治、経済・貿易、外交問題について、毎晩配信される会員制のレポートに「ネルソン・リポート」というものがあります。GSOMIA破棄決定後、このリポートにアメリカ政府高官や元高官による韓国政府に対する辛辣なコメントが並んでいるそうです。
次に引用します。
トランプ政権高官:「文在寅という男は本当に阿呆(Fool)。どうしようもない」もうボロクソです。なるほど、トランプ大統領が「文在寅という人は信用できない」という訳です。
駐韓国大使館で高位の外交官だった人物:「文在寅は戦略的痴呆症(Strategic stupidity)と言い切っても過言ではない」
米情報機関で朝鮮半島を担当した専門家:「文在寅の決定は愚かで誤り導かれた決定(Foolish and misguided decision)以外のなにものでもない」、「後世の史家は、こう述べるに違いない。『この決定は何十年にもわたって築き上げられてきた北東アジアにおける米国の安全保障の中枢構造が終焉する、その始まりを暗示するシグナルだった、と』」
別の米外交官OB:「文在寅という男は、韓国に対する安全保障上の脅威(Security threats)はどこから来ると思っているのか、全く分かっていない」、「コリア第一主義(Korea First Tribalism)に凝り固まった衆愚の知恵(Wisdom of the crowd)としか言いようがない」
4.今すぐにGSOMIA破棄を見直せ
それでもアメリカは、韓国にGSOMIA破棄の見直しを求めています。
アメリカ・シュライバー国防次官補は、ワシントンでの講演で、「北東アジアが直面する安全保障の難題について、文在寅政権は、重大な誤った認識を持っている」と批判し、"今すぐに"GSOMIAに戻るよう求めました。
シュライバー国防次官補は27日に日経新聞のインタビューでも「我々ができるのはこの決定がもたらす否定的側面やリスクなどを指摘することだ」とGSOMIA破棄見直しに向けて韓国に粘り強く働きかけを続けるとしています。
シュライバー国防次官補は韓国がGSOMIA破棄を決断したことについて「具体的な決定について事前通告はなかった……決定が発表された時点では、我々はまだ検討中だと理解していた」と破棄決定がサプライズだったことを示唆しました。
そして、GSOMIAが失効した場合は、アメリカが仲介役となることで、日米韓で一定の情報共有が継続できるとしつつも「煩雑でスピードも遅くなる……現在の安全保障環境下では最適ではないだろう」とその弊害を指摘しています。
5.文在寅はアメリカからの踏絵を踏めるか
韓国政府は、GSOMIA破棄決定後、米韓二国間の安全保障関係を一層強化すると宣言していますけれども、トランプ政権は甘くない。ならばと今後韓国に大きく2つの要求をするのではないかと見られています。
一つは、駐韓米軍駐留費問題で、もう一つはイランによる外国籍タンカーの危機管理問題です。
前者について、米韓問題を専門とすトロイ州立大学のるダニエル・ピンクストン博士は「米軍駐留費協定交渉は昨年末以降中断したまま。韓国側は年間10億ドルを分担するとしているが、トランプ政権はその5倍、50億ドルを要求してくるといわれている……協定だから議会の承認が必要だ。来年4月には選挙がある。それまでに協定に合意できなければ、駐留費問題は選挙の最大のアジェンダになってしまう」と述べています。
後者は、ホルムズ海峡を航行する船舶の安全を確保する為にアメリカが主導している「有志連合構想・海洋安全舗装イニシアティブ」への参加協力要請のことです。
これらを強く求めてくる、ということです。
「ネルソン・リポート」で文在寅は阿呆だ、どうしようもないと叩かれているように、早晩、韓国は中国サイドにつくだろうから、安保の枠組みから「韓国は外すべきだ」という主張が台頭しているそうです。
そこからいくと、上述の2つの要求に韓国がどう答えるのか、ある種の踏み絵を迫られる可能性は極めて高い。
GSOMIA破棄の代償がどれほど大きいものなのか、文在寅大統領は理解しているのでしょうか。
ただ、日本にしてみれば、GSOMIA破棄を巡って、アメリカがどのように韓国に言うことを聞かせるのか、その手並みを拝見できるチャンスでもあるとも言えるかもしれません。
日本政府は、アメリカがどうするか横目で見ながら、安倍総理のように韓国に対して「約束を守れ」と主張することは大きな意味を持ちます。
なぜなら、韓国の言い分は、国際法違反であり、戦後世界秩序の破壊であるからです。それを強調することで、韓国の無茶苦茶さを世界にアピールすると同時に、「韓国に対する妥協は、戦後世界秩序を否定することになるぞ」とアメリカを牽制することになります。
日本は、アメリカから韓国という厄介ごとを押し付けられないように「約束を守れ」と批判しし、決してぶれない事が大事だと思いますね。
この記事へのコメント
ばる
正:批判し or 批判し続けて