文在寅という名の無能の旅人
今日はこの話題です
ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。
「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.先送りされたサムスン副会長への判決
8月29日、韓国の大法院は、朴槿恵前大統領の罷免につながった贈収賄スキャンダルで、ソウル高裁がサムスン電子の李在鎔副会長に言い渡した執行猶予付きの判決を破棄し、ソウル高裁に差し戻す決定を下しました。
朴槿恵前大統領は、親友の崔順実被告と共謀してサムスングループなどから巨額の賄賂を受け取ったとされる。二審判決で、賄賂として約86億ウォン(約7億5000万)受け取ったと認定されていました。
サムソンの李副会長は2017年2月に逮捕され、ソウル中央地裁は贈賄などの罪で懲役5年の実刑判決を言い渡したのですけれども、昨年2月、ソウル高裁は懲役2年6月に減刑し、執行猶予4年を言い渡していました。
最高裁は朴前大統領についても2審判決を破棄し、高裁に差し戻しました。
この決定にサムスン電子は「社会全体に引き起こした不安を非常に申し訳ないと考えている……責任ある企業市民としての役割を果たすとともに、過去の過ちを繰り返さないようコミットメントを新たにする」とのコメントを出しました。
調査会社CEOスコアのパク・ジュグン代表は、今回の最高裁決定を前に、2審判決の破棄は「李氏が再び収監される可能性が高まることを意味する……ガバナンスの再編成だけではなく、重要な経営判断も滞ることになる」と指摘。サムスン電子の株価は一時2.5%下落しました。
日本による、韓国への半導体材料の輸出管理適正化と「ホワイト国」除外によって、サムソンやSKハイニックスの半導体生産環境が厳しくなっているこの時期に、李副会長が収監されようものなら、かなりの痛手になることが予想されます。
2.中国産フッ化水素の品質
8月29日、財務省が発表した7月の品目別の貿易統計によると、半導体の洗浄に使う「フッ化水素」の韓国向け輸出量は479トンで前月比83.7%減少。輸出額は32.6%減の4億円だったことが明らかになりました。
7月の輸出は管理適正化さえる前の6月分のも含まれているのでしょうけれども、それにしても8割以上の減少とは、輸出管理の適正化がモロに出た形です。管理適正化以前の状態に戻らない限り、8月以降は更に減ることが予想されます。
そんな中、サムスン電子は、中国産フッ化水素の品質テストを開始していたことが明らかになりました。半導体業界関係者によると、サムスン電子は昨年から他の国の会社のフッ化水素をテストしてきたらしく、その中で、中国の化学品・電池素材メーカーの多フツ多化工(DFD)のフッ化水素が合格したとのことです。
ただ、中国の3大証券新聞の一社である証券時報は、複数の韓国企業から多フツ多化工(DFD)に接触があったと、7月18日に報じています。
7月22日のエントリー「リスカブス韓国の瀬戸際外交」で、サムソンが協力企業に公文書を発送し、日本製品の90日分の在庫を持つように要請したことを取り上げましたけれども、筆者には要請を受けた韓国企業が慌てて、多フツ多化工(DFD)にコンタクトを取ったのではないかという気がします。
現在、中国産フッ酸は、サムスン物産が輸入してFEM Technology社が加工し、サムスン電子に納品しているそうですけれども、サムスン電子からは、まだ量産に適用した云々のコメントはありません。
実際、日本製に比べて純度の落ちる中国産フッ化水素を使って、満足のいく歩留まりが出せるのか、ラインの汚染対策はどうなのか。
中国企業は、試験サンプルだけ高品質のものを提出して商談を取り、実際に納入する製品は粗悪品ばかりであるなんて噂もあるようです。仮に多フツ多化工(DFD)のフッ化水素がどれほどのもので、実際サムソンの製造ラインに使ったのかどうか確認できないと、サムソンが日本製フッ化水素を必要としなくなったと結論づけるのはまだ早いかもしれません。
3.輸出許可された日本製フッ化水素
そんな中、日本製フッ化水素の韓国輸出が許可されたと報じられました。
8月30日、韓国の産業通商資源省は「フッ化水素」の輸出が許可されたと発表したと報じられています。中央日報は、フッ化水素の輸出許可を受けたのはステラケミファのサムスン電子向け製品だとしていますけれども、ステラケミファの広報担当者は「30日朝の時点で経済産業省から通達は来ていない」とのことなので、その正否はもう少しみなければならないでしょう。
もし、仮に「フッ化水素」の輸出が許可されたのであれば、資料をきちんと出せば、輸出されるということの証明にはなりますけれども、使途不明の「フッ化水素」の行方は気になります。
まぁ、日本政府が輸出管理の問題であると公言している手前、サムソンからの横流しはなかったことが確認されれば、輸出許可するのは致し方ないにしても、もう少し粘っても良かったかなという気もします。
ただ政府からの正式発表を確認できていないので、フェイクの可能性もなくはありませんけれども、もしも本当に許可されたとして、このタイミングで許可を出すのに何か狙いまたは効果があるとすると、3つ考えられるかもしれません。
一つは、韓国が自爆して馬脚を現したから。二つ目は、アメリカ含めた世界への牽制とアピール。三つ目は日本政府の許認可制度に服従させたこと、です。
最初の韓国の自爆ですけれども、数ある自爆の中でその際たるものはGSOMIAの破棄でしょう。輸出管理と安保という全く関係ないものをごっちゃにした。これで日韓の二国間関係から米韓の安全保障問題に飛び火することとなりました。
これが確定した段階で、フッ化水素をも輸出許可を出すことで、梯子を外した。韓国の無軌道ぶりを世界の目に晒した訳です。
二つ目は、そのまま、先般のレジスト輸出許可に加えて、フッ化水素も許可することで、輸出管理の問題であるとの実例を積み重ねた。もちろん、WTOや世界に対してのアピールもあるでしょうし、GSOMIA破棄で怒り心頭のアメリカに対して、日本は輸出管理を厳にしているだけで落ち度など何もないと見せつけることで、アメリカに変な介入をさせず、怒りの矛先を韓国に向けさせる狙い。
三つ目は、韓国の半導体産業は日本からの物品輸出に握られていることを知らしめることで、日本に頭が上がらない構造であると周知させたこと。韓国は輸出管理厳格化されてから、やれ国産化だ、他国から輸入だなど息巻いていましたけれども、わずか1~2ヶ月のうちにどれも駄目であることが明らかになりました。
要するに、韓国半導体産業、あるいはその他の産業の生殺与奪を決める蛇口が日本の手に握られていることが明らかになった訳です。もちろん、日本はその蛇口を恣意的に開け閉めすることはないでしょうけれども、蛇口を握っている事実そのものが韓国へのプレッシャーになります。
「否定的で非合理的な韓国政府」のエントリーで、日本はフッ化水素については、貨物需要者の当該貨物調達実績と最終製品の生産状況に関する資料以外に、使用する工場の最終製品の製造工程、配管、設備配置図も資料として提出を要求していると紹介しましたけれども、今回、フッ化水素が輸出許可されたということは、サムソンはそれら資料を提出したのでしょうね。
ただ、今回出荷許可したフッ化水素分についても、許可してそれで終わりではなく、経産省はおそらく、使用量の追跡を行う筈です。つまり、出荷したフッ化水素の量と、サムソンの半導体製造数量とを比較して、横流ししていないかの確認をすると思います。そして、それらが問題ないことを確認してからでないと、次の出荷許可を出さないのでないか。そうしたことも考えられます。
4.無能の旅人
8月29日、今回のGSOMIA破棄について、韓国大統領府の関係者は「アメリカはアメリカの立場と見方により事案をみているが、韓国も同様であり、各国は自国の利益のために最善を尽くす……同盟関係であっても、韓国の国益のためには、何も優先することはできない」との見解を示しています。
けれども、その大統領府関係者のいう国益とは、一体何の国益なのか。筆者には韓国の国益というよりは、大統領府の益。もっといえば、文在寅大統領益ではないのかと思えてなりません。
韓国は、GSOMIAを破棄することで、日韓関係に対し、アメリカが仲介してくれることを期待していました。もしも、その通りになっていたとしたら、確かに国益になったかもしれません。けれども現実は真逆です。つまり、アメリカの仲介がない時点で、期待する国益は消えたのですね。
それなのに、まだ"国益"が云々ということは、それ以外の「益」があるということです。
一部には、今回のGSOMIAを破棄を宣言した理由は、文在寅大統領の最側近で司法相候補の曹国(チョ・グク)氏をめぐるスキャンダル隠しの為ではないかという見方もあります。
その文脈でいえば、今回の最高裁判決も同じです。
韓国政府は、今回の朴槿恵前大統領と、サムソンの李副会長の判決を出す期日を22日に発表しているのですけれども、この日は韓国がGSOMIA破棄を決めた日なのですね。
このことから、かつての政敵に判決を出すとしたのは、曹国氏の「疑惑隠し」の為だとの指摘も出ています。
更には、その判決が、高裁への差し戻しになったのも怪しい。
文在寅政権が司法にどこまで介入できるのか分かりませんけれども、もしかしたら、判決を出させずにわざと引きのばすことで、今後支持率が落ちた時のために目晦まし用のカードとして温存したのではないかとさえ。
判決が確定したら、そのネタはそれで終わりになりますからね。いつまでも引っ張ることで何度でも使おうという訳です。
その意味では、簡単に韓国国民の目を逸らさせることのできる「反日カード」はもう何度でも無限に使える「黄金カード」以外の何物でもないですね。こんな美味しいカードを捨てる訳がない。
なるほど、文在寅大統領が「一度の合意で、過去の問題を終わらせることはできない」というわけです。今後もこの"回数無制限カード"を何度も使ってくるでしょう。
けれども、日本はそんなものに付き合う必要は全くありません。
韓国の戯言には逐一反論し、事あるごとに韓国は「国際法を守らない無法国家であり、世界秩序の破壊者である」と繰り返しいう必要があると思いますね。
この記事へのコメント