文在寅の外交成果はゼロだった米韓首脳会談

 
今日はこの話題です。
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1.文在寅の発言を許さなかったトランプ大統領

9月23日、トランプ大統領は韓国の文在寅大統領は、ニューヨークで首脳会談を行いました。

今回の会談前、ネットでは前回の2分会談を更新するのか、などと意地の悪い見方もあったのですけれども、意外にも1時間の会談を行ったようです。

韓国大統領府の関係者によると、両首脳は「北朝鮮に武力行使はしない。非核化が実現すれば明るい未来を提供する」との約束を履行する方針を確認。米朝の非核化交渉に関して早期に実務者協議を再開すべきだとの考えで一致したようです。

ただ、トランプ大統領は北朝鮮への制裁を維持する方針としていますから、大枠では変更ありません。

今回の会談では、対立を深める日韓関係や日米韓の協力体制について、トランプ大統領が言及するかどうかも注目されたのですけれども、韓国のGSOMIA破棄には触れられることなく、米韓関係に多くの時間を費やしたようです。

文大統領は、増額を求めている在韓米軍の駐留経費について「合理的な水準の公平な分担」をするよう主張し、向こう3年間のアメリカ製武器の購入計画について説明したほか、アメリカ産液化天然ガスの輸入契約などに言及したそうですけれども、これまで主張していた、開城工業団地の操業や金剛山観光事業の再開といった南北経済協力の先行について、話題にすることも出来なかったようです。

自分で勝手に悪化させた米韓関係をどうする積りなのか問い詰められたのではないかと思います。おそらく会談のペースはトランプ大統領に握られっぱなしだったのではないかと思います。

というのも、トランプ大統領は会談冒頭後の記者質問で、文大統領に一切発言させなかったからです。

首脳会談に先立ちトランプ大統領と文在寅大統領が冒頭発言を行った後、4分ほど記者との質疑応答がありました。質問は17件に及んだのですけれども、その全てをトランプ大統領が答えているのですね。

しかも、「北朝鮮の短距離ミサイル発射について懸念しているのか、文大統領の意見を聞きたい。文大統領はあなた(トランプ大統領)が金委員長に(短距離ミサイル発射を)中断すべきと話すことを望んでいるのか」との質問に、トランプ大統領が割って入り、「金正恩委員長とはそのような問題について議論しなかった……核実験とほかのことについては議論をした。金正恩委員長は自分の約束を守ってきた……私が大統領でなかったとすれば、今ごろ北朝鮮と戦争をしていただろう」と答えて会見を終了させました。文大統領に好き勝手な発言など許さないと言わんばかりです。

つまり、文大統領の言う事など聞かないし、公に言う事も罷りならんということでしょう。全く信用されていません。

2分だろうが1時間だろうが、もうこんな扱いになっています。韓国メディアは「同盟亀裂の懸念を払拭した」なんて報じているようですけれども、現実は全然違うと思いますね。


2.外交成果はゼロだった文在寅

トランプ大統領は首脳会談での冒頭で「私たちには長きにわたる友情があり、多くの進展を成し遂げている……貿易交渉も完了し、両国にとって非常に有益に働いている……私たちは貿易においていくつかの追加的なことをしようとしている……もちろん、私たちは北朝鮮に関して話をする……韓国はアメリカの最大の軍事装備品購入国の一つであり、私たちは非常にうまく協力している」と述べていますけれども、長きにわたる同盟ではなく「友情」と表現し、貿易交渉と在韓米軍駐留経費ではなく、軍事装備品購入について口にしています。

要するに、アメリカが韓国に求めているのは「そっち」の方だと公にした訳です。

特に、在韓米軍駐留経費ではなく、軍事装備品購入を出したということは、韓国は自分の国は自分で守れという意味にも取れますから、場合によっては在韓米軍撤退もテーブルの上に置いているぞ、というメッセージと解釈出来なくもありません。

コリアレポート編集長の辺真一氏は、米韓首脳会談前、会談について、早ければ今月下旬にも米朝実務交渉再開の機運が生まれたことから、急遽、文大統領自身がトランプ大統領に首脳会談を打診したことを挙げた上で、米韓関係の改善と米朝非核化交渉が前進すれば、低迷する政権支持を回復させられるという計算があり、4回目の米朝首脳会談が実現ともなれば、凍結した南北関係も氷解し、8月15日の記念式典でぶちあげた経済競争で「日本に克つ」構想が絵にかいた餅ではなく、現実のものになるとの読みもあるようだとしています。

筆者には、米朝非核化が進展したくらいで、支持率回復はまだしも、経済競争で日本に勝つなど、どうやって実現するのだと思いますけれども、辺氏は、そのために文大統領は米朝首脳会談で、北朝鮮の非核化措置への見返りとして韓国が独自制裁をしている金剛山観光の再開と開城工業団地の再開、さらには南北縦断鉄道連結の許可をトランプ大統領から取り付け、更にGSOMIAについても、日米韓協調体制の再構築を大義名分にトランプ大統領に「日韓紛争」を仲裁するよう説得を試みるのではないかと述べていました。

ところが実際は、会談冒頭で、文在寅大統領が次の米朝首脳会談について、「開催されれば歴史的瞬間となるだろう」と水を向けたのに対し、トランプ大統領は開催されればよいが、されなくても構わない」と突き放され、会談の中でも、GSOMIAについて議題になることはなく、南北縦断鉄道の開通はおろか、開城工業団地の操業や金剛山観光事業の再開という話題を挙げることすら出来ませんでした。辺氏の”期待”は完全に外されてしまった形です。

果たして、文大統領にとって、今回の首脳会談で何らかの成果があったのかというと、「2分が1時間になった、米韓同盟は強化された」と表向きに言い張ることが出来ても、実質の外交成果はほぼゼロだったといっていいのではないかと思いますね。

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