今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.話し合いをという雰囲気にはなってきている
10月27日、菅官房長官は、東京都内で講演し、対立が続く日韓関係について言及しました。
菅官房長官は、元徴用工をめぐる韓国最高裁の判決は、1965年の日韓請求権協定に違反すると指摘し、「国際法は大原則だ。ここを崩したら、すべてが崩れてしまう」と韓国側に是正を求めた上で、「韓国もこのままではだめだと、何らかの話し合いをという雰囲気にはなってきているのかなと思う」と述べました。
これは、24日の安倍首相と韓国の李洛淵首相の会談と、その際に渡された文在寅大統領の親書などを念頭にしたものとみられていますけれども、元徴用工判決問題については、これまで散々日本が協議を要請したにも関わらず、無視してきましたからね。
それがここにきて親書に会談と擦り寄ってきたということですから、政府官邸も韓国政府の雰囲気の差を感じているということなのかもしれません。
これについて、龍谷大学の李相哲教授は「ボールは韓国にあったのに、文政権は何も提示できなかった。韓国では日韓関係改善への期待値が上がっていただけに、ガッカリムードだ。アメリカはGSOMIAは欠かせないと考えており、韓国に相当な圧力が加えられるだろう。今回、個別会談が設けられたのもアメリカの意向があったと考えられる。文政権は厳しい国内事情のなか、非常に慌てているのではないか」と述べています。
現に、李洛淵首相は元徴用工判決問題を解決する案を持ってきた訳でもなく、文大統領の親書とやらも、平和と安定のために協力を求めるという、ありきたりの内容でした。要するに手ぶらでやってきた訳です。これで日本に何かして貰おうと考えること自体がおかしい。
先の李相哲教授も「韓国からすれば『日本にメンツを立ててほしい』と思っていたのだろうが、甘すぎる」と斬って捨てています。当たり前です。
2.日本側と認識が違う
25日、韓国の趙世暎外交部第1次官はCBSラジオ「キム・ヒョンジョンのニュースショー」に出演し、李洛淵首相が訪日時に、韓国が日韓基本協定を守ってきたと発言したことについて、「日本が『韓国は約束を守らない国』というメッセージを発信してフレームを形成してきた面があるが、そのフレームを絶たねばならない、と考えた。『私たちが約束を守らないことはない』ことを強調しようとした」と説明しました。
もしかしたら、交渉テクニックとしての発言なのかもしれませんけれども、ここまで認識が違うと、却って逆効果だと思います。あの台詞を聞かされれば、日本人なら十中八九、「じゃあ日韓請求権協定を守れよ」となるだけで、韓国が今現在、約束を守っているとは思わないからです。
この発言について、茂木外相が閣議後の記者会見で、「日本側と認識が違う」と述べ、元徴用工に対する韓国大法院の判決についても「協定で決められた内容と異なる……韓国政府に国際法違反の状態の是正を強く求める立場に変わりはない」と指摘していますけれども、まぁ、そういうことですね。
3.韓国にGSOMIA破棄撤回を促す
また、GSOMIAについても、韓国はアメリカを激怒させています。
10月26日、来日中のアメリカのスティルウェル国務次官補は産経新聞などの取材に応じました。スティルウェル国務次官補はミサイル開発を進める北朝鮮の脅威が増していると指摘し、日韓GSOMIAについて協定は「米日韓にとって有益だ」と強調。「情報のやり取りは多い方がいい」として「韓国側に働き掛ける」と述べています。
スティルウェル国務次官補は来月5日からソウルを訪問する予定で、一説には韓国に最後通牒を突き付けるのではないかとも囁かれています。
また、25日には、アメリカ国防次官補を務めたジョセフ・ナイ・ハーバード大教授は、東京国際大が都内で開いたシンポジウムで、歴史問題にこだわる韓国の姿勢を問題視し、「アメリカが韓国にもっと強く姿勢の改善を働きかけるべきではないか」とし、GSOMIAを更新するための協議の実現を「関係改善の第一歩」とすべきだとの考えを明らかにしています。
25、26日とアメリカの元国防次官補、現国務次官補と立て続けに、韓国がGSOMIAの破棄撤回をすべきだと指摘してます。韓国が一生懸命、カードにしようとしている、日本の韓国への輸出規制適正化撤回云々など微塵も出てきません。アメリカもこれらは別問題だと認識しているということですね。
4.「もう一度!」ではなく「もう二度と!」
けれども、わざとなのか本気なのか分かりませんけれども、相変らず、韓国は一緒くたにしています。
10月25日、韓国政府高位当局者は記者団に「GSOMIA終了期限まで1カ月を切ったが、日本の報復措置に変化がないならばGSOMIAを復元することは国民が容認しないだろう……日本は報復措置を解くためには強制動員問題を解かなければならないと言っている。結局、3個のボタンがすべてそろってこそ解くことができる……韓日関係は、アメリカに解決してくれと言うのでなく、韓日間で解かなければならない」と述べたそうです。
一体、「報復措置を解くためには強制動員問題を解かなければならない」などと日本が何時言ったのか。輸出規制適正化は報復ではありませんし、元徴用工問題と全く関係ありません。現状認識に欠けているというか。根本的におかしいと言わざるを得ません。
この韓国高官は、日本の報復措置に変化がないならばGSOMIAを復元することは国民が容認しないと言っていますけれども、どうぞ御勝手に、というのが日本の世論です。GSOMIAが無くても日本は困らないからです。
10月25日、韓国KBS第1テレビが放送した『時事直撃』という時事番組が、「日韓関係、認識と理解2部作 - 2編・日韓特派員の対話」という番組を放送しました。
これは、日韓関係をより深く語り合うという主旨で、日本の新大久保の居酒屋で日韓特派員が酒を飲みながら話し合った内容を報じたものです。
日本からは、朝日新聞論説委員の中野晃氏、産経新聞解説委員の久保田るり子氏が参加。韓国からは朝鮮日報副局長兼社会部部長のソン・ウジョン氏、ハンギョレ新聞国際ニュースチームのキル・ユン氏が参加しました。
日本から朝日と産経の左右の特派員を呼ぶ当たり、韓国の放送にしては、公平に務めようとする僅かばかりの意欲が感じられたのですけれども、果たして、口火を切ったのは産経の久保田氏でした。
久保田氏は、「今の日本の嫌韓ムードは至上最悪だ……全国民的に雰囲気は最悪である。多分、韓国を擁護する国民はほとんどないだろう……嫌韓があって反日があるのではない。韓国の反日があるから日本が嫌韓で対応しているだけ……70~80代の年輩たちの中には韓国の民主化や近代化を支持する愛韓派が多かったが、今は逆に韓国を非難している」と指摘。
続けて、「日韓関係が悪化した原因は文在寅氏の歴史観のせい……文政権は親日のルーツを持った朴槿恵がして来た事を外交の失敗と規定して、それを倒して正そうとする。反日に対する文在寅政権の信念は変わるはずがない。そこに信念がある限り、日韓の話し合いは不可能である」と述べました。
久保田氏の指摘は簡潔にして、日本の韓国に対する世論を的確に述べているものだと思いますけれども、韓国の番組でよくぞ言えたものだと妙に感心してしまいました。この意見が韓国で理解されるのであれば、まだ日韓関係改善の脈は残っているのかもしれませんけれども、案の定、この番組は韓国で炎上しました。
放送が始まると時事直撃のインターネット掲示板などには、韓国を代表する公営放送で、酒の席で日本の極右気質媒体の記者を呼び、彼女の一方的な主張をそのまま放送することが果たして正しいのかという批判が殺到したようです。
なんのことはない、久保田氏が文在寅政権の信念がある限り、日韓の話し合いは不可能であると指摘する以前に、両国間の世論でさえも話し合いは不可能になっているように思います。
件の「時事直撃」の番組は、「憎くてももう一度!」を締めの言葉にして終わったようですけれども、日本の世論はもはや韓国をどうでもいい国と見做し始めていると筆者は見ています。
日本経済新聞が25~27日に実施した世論調査では、日韓関係について「日本が譲歩するぐらいなら関係改善を急ぐ必要はない」という回答が69%に達しているのですね。日本は世論レベルで「無視」に向かっているのだと思います。
ですから、憎いとか憎くないとかそういう、相手に関心を持っていた段階は超えてしまった。「もう一度!」ではなく、「もう二度と!」になっているのではないかと思うのですね。
韓国が反日を止める日が来るのかどうか分かりませんけれども、少なくとも、何年か何十年か、冷却期間を置くなりして、一度両国関係をリセットする必要があると思いますね。
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