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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.リスカブスと責任逃れの文在寅政権
独裁的に強権発動して、世論を抑え込もうとしている文在寅大統領ですけれども、それでも無理なものがあります。経済です。
世論調査とかデモとかは、情報統制して報道しなければ、拡散をある程度以上防ぐことは可能ですけれども、経済はそうもいきません。日々日日のものであるからです。
企業に最低賃金の賃上げを強制した結果、雇用が落ち込んでいる中、昨今の日本不買運動の煽りを受けて就活にも影響が及び、韓国で行われていた日本企業就職フェアも保留と、日本に逃げることもやりにくくなっています。
9月12日、殷成洙金融委員長が、人事聴聞会で「日本と新たに締結したほうがいい」と述べ日本との通貨スワップ再開を希望する意思を明らかにしていますけれも、金融危機が発生した時のリスクが視界に入っているのだと思われます。
これについて、ジャーナリストの須田慎一郎氏は「韓国の場合、ウォン建ての国債を発行してもリスクがあるため、投資家に信用されていない。急激なウォン安に備えてドル資金を確保するためにも通貨スワップ協定を結んでおきたい……日本なら締結して当然と厚かましく思っているのかもしれない。通貨スワップは韓国への救済に等しいが、まるで韓国は『デフォルトになってもいいのか?』と自らを人質に取り、日本の道連れも辞さずと脅しているようだ」と述べていますけれども、まさに"リスカブス"です。
韓国の野党は低迷する経済を材料に与党を攻撃しています。
10月2日に政府世宗庁舎で開かれた企画財政部の国政監査の場で、自由韓国党の厳龍洙議員は「今年は経済成長率2%達成が難しいが、雇用の質が落ち、国家債務比率も悪化した……政府主導成長の限界を見せるものであり、対外環境の悪化ではなく文在寅政権の政策失敗のため」と批判。
更に、同じ党の金光琳議員は「所得主導成長の経済実験の2年間、低所得層の所得が減り、貧富の差が過去最大になった……青瓦台と政府は8月に就業者が45万人増加したと強調するが、これは昨年8月の2500人と比較した数値であり、税金で作ったパートタイム・バイト・高齢者雇用のため」と指摘しました。
また、韓国党の朴明在議員は「全国の成人男女700人に質問をした結果、67%が現在の韓国経済は危機状況だと答えた……回答者の48.9%が経済状況が悪化した原因に現政権の経済政策を選んだ」と述べています。
経済悪化を数字で魅せられても、韓国与党は路線を変える気を見せません。
共に民主党のキム・ギョンヒョプ議員は「韓国の経済潜在成長率は2000年以降ずっと低下しているが、特に李明博、朴槿恵政権の執権当時の2008~14年に潜在成長率を決める全要素生産性が半減した……当時、研究開発投資と構造改革、革新成長のような生産性向上努力をしなかった代償をいま支払っている」と反論。
同党の金泳鎮議員も「現政権が推進した所得主導成長と革新成長、公正経済は過去の経済政策に対する反省から始まり、最近は労働所得分配率を改善するなど成果を出している……新しい経済体質に変わるための一種の費用」と一部の否定的な経済指標を正当化しています。
要するに今、経済が悪いのは過去の政権のせいなのだ、と責任を擦り付けています。日本でも民主党政権が、自分への批判を自民党のせいだとして責任逃れしていたのとそっくりです。
2.トランプを裏切った文在寅
けれども、例えば、経済政策ではなく、自身の外交政策によって、経済が悪化したとなれば、過去の政権の間違いを今の政権で正しているのだと、言い逃れすることは出来なくなります。
外交が経済に悪影響を及ぼしている最たるものは、今はいうまでもなく、対日外交の悪化による、日本不買、ホワイト国除外でしょう。ただ、こちらは、日本が悪いのだ、と反日・侮日で誤魔化すことは出来るかもしれませんけれども、日本以外の国となるとそういった"いつもの手"は使えなくなります。
その代表格は、GSOMIAでしょうね。
韓国が日韓GSOMIAの破棄を宣言しても、日本の反応は静かなものですけれども、アメリカを激怒させました。
9月23日に米韓首脳会談が行われましたけれども、アメリカ政府関係者によると、あの会談はアメリカの報復におびえた文政権側が、泣きついた結果だったのだそうです。
アメリカは在韓米軍の駐留経費や、GSOMIAの問題を会談開催の条件に出し、韓国は、なんとか首脳会談にまで漕ぎ着けたそうなのですけれども、実際の会談では、過去10年間の兵器購入実績と、今後3年間の購入計画などを繰り返しただけで、駐留経費については「合理的な水準の公平な分担を」と逃げ、GSOMIA破棄撤回もありませんでした。
先のアメリカ政府関係者は「成果はゼロだ。トランプ氏は怒りで顔色を変えていた」と述べています。
米韓首脳会談について、福井県立大学の島田洋一教授は「文氏は首脳会談で、米韓同盟をアピールして、支持率を回復させたいのだろう。だが、トランプ氏は『北朝鮮の非核化が行き詰まっているのは、文氏のせいだ』と、まったく信用していない。GSOMIA破棄決定も、トランプ氏は『安全保障を交渉カードに使うな』『日米韓の連携を壊すなら、在韓米軍撤退を早める。北朝鮮が侵略してもいいのか』と、逆に迫ったのではないか。米韓の亀裂を鎮火させたい文氏には期待外れで、厳しい会談になったとみられる」と述べています。
文大統領の態度がトランプ大統領を裏切りブチ切れさせるものだったとすると、当然、アメリカはそれに応じた報復をする筈です。甘ったるい日本とは違います。
3.国軍の日を欠席した在韓米軍司令官
10月1日、韓国は建軍71周年の「国軍の日」に大邱空軍基地で記念式典を行いました。
国軍の日は、朝鮮戦争で当初劣勢だった国連軍が1950年9月の仁川上陸作戦の成功と、その翌月に38度線を突破して北朝鮮に反撃を開始したのを記念して制定されたもので、いわば米韓の絆を象徴するものでもある訳です。
ところが、今年の記念式典に在韓米軍のロバート・エイブラムス司令官が参加しなかったのですね。
表向きの理由は「ワシントンでの米軍制服組トップの統合参謀本部議長の交代式に参加するため」としていますけれども、米韓の絆を象徴する「国軍の日」の式典を蹴とばした訳ですからこれはもう明らかに文在寅政権への報復でしょうね。
エイブラムス司令官は、就任直前の陸軍大将時代に米上院軍事委員会で「米韓合同軍事演習が中止され、在韓米軍の即応能力は低下したが、在韓米軍は性急に撤収させるべきではない」と述べ、米韓同盟を維持する立場を表明していました。その彼をして欠席させたということは、それだけトランプ政権の怒りが凄いということでしょう。
元韓国国防省北韓分析官で、拓殖大学主任研究員のコ・ヨンチョル氏は「エイブラムス司令官の欠席は、『北朝鮮主導の赤化統一を目指す態度は許されない』という強い怒りの表れだろう。文政権は、戦時作戦統制権の米軍からの移管まで求めている。米韓同盟を崖っぷちに追いやった。韓国国民は危機的現状を認識すべきだ」と語っています。
ただ、式典に出席しないことで米韓同盟の危機をどこまで韓国国民が認識できるのか。そしてそれが文在寅政権の責任だと考えるところまでいくかどうかは分かりません。それよりは、生活に直結する経済問題の方がずっとインパクトを与えると思います。
4.米韓防衛費分担金協定交渉の行方
その意味では、式典ではなく、米韓防衛費分担金協定交渉の方が可能性があります。
アメリカは韓国の在韓米軍防衛費分担金を現在9億9000万ドルから5倍近く引き上げるよう要求しています。そして、もし年内に妥結しない場合、来年4月から韓国人職員を強制的に無給休暇させる方針を在韓米軍労働組合のチェ・ウンシク委員長に文書で通告しています。
現在、在韓米軍には韓国人職員がおよそ9000人働いているのですけれども、防衛費分担交渉が決裂すると、彼らがいきなり無給になる訳です。
在韓米軍防衛費分担金交渉は先月から始まっているのですけれども、韓国は1回目の交渉当日まで新しい首席代表を任命せず、引き伸ばしに掛かっていました。そもそも、当日いきなり指名された人がまともに交渉など出来る筈もありません。のらりくらりと時間だけ潰して焦らしてアメリカの根負けを狙っているのかもしれません。
アメリカは、この妥結しなければ、韓国人職員を強制的に無給休暇させる方針について去年も同じ文書を出していたそうですから、韓国のやり方は分かっているのだと思いますけれども、今回は例年の5倍ですから決裂の可能性は高い。必然的に9000人の韓国人職員が強制無給休暇になる訳です。
在韓米軍防衛費分担金交渉は文政権の責任で行うことですから朴槿恵政権だの李明博政権だののせいには出来ません。文政権の外交政策が韓国経済にダメージを当たえる例ですね。
文在寅政権を見る限り、今の路線を帰る気はないようですから、経済の低迷はまだまだ続く事になる筈です。その結果は来年4月の韓国総選挙に出てくると思われます。
6月28日、文在寅大統領の弾劾を求める国民請願に韓国大統領府が回答しているのですけれども、なんと、その答えは「文政府は国民の力により誕生した政府。国らしい国を作ってほしいという国民の命令に従い休まず走ってきたが、よりいっそう頑張らなければならないという覚悟を新たにした」でした。
それを考えると、たとえ総選挙で惨敗したとしてもそれを殊勝に受け止めるような文在寅大統領とも思えません。文大統領は韓国を破壊した人物として歴史に刻まれるのかもしれませんね。
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この記事へのコメント
ばる
正:今の路線を変える気は