今日はこの話題です。諸般の事情で今日も超短縮です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
11月21日、アメリカの政治専門紙ポリティコは、トランプ政権がEUからの輸入自動車・同部品に対する追加関税措置を視野に入れ、新たな調査を開始するか検討していると報じました。
これは、来年秋の大統領選に向けた実績づくりのため、EUとの貿易交渉の進展を促す狙いがあるのではとも見られています。
これまでトランプ政権は、通商拡大法232条を適用し、輸入自動車に最大25%の追加関税を課すことを検討していました。
通商拡大法232条とは、ある産品のアメリカへの輸入がアメリカの国家安全保障を損なうおそれがある場合、関税の引き上げ等の是正措置を発動する権限を大統領に付与する規定です。
2017年トランプ政権が成立して以降、アメリカ商務省は、現在まで、鉄鋼製品、アルミ製品、自動車・自動車部品、ウランの4品目に関し、232条に基づく調査を開始していて、その結果、鉄鋼製品とアルミ製品に追加関税を課しています。
WTOは関税を引き上げる措置として、アンチダンピング税(AD: Antidumping Duty)、補助金相殺関税(CVD:Countervailing Duty)、セーフガード措置(SG: Safeguard)等を認めていますけれども、通商拡大法232条に基づく追加関税は、セーフガードのように発動機関が原則4年、最大延長で8年といった期限がありません。明示的に軽減、変更又は終了されない限り、原則、措置が継続するのですね。
アメリカ商務省は、2018年5月23日、自動車・自動車部品に対する232条調査を開始。調査目的を「スポーツ用多目的車(SUV)、バン、小型トラック等を含む自動車や同部品の輸入がアメリカの安全保障の脅威となっていないか」としています。
アメリカ商務省の調査はすでに終わり、報告書はホワイトハウスに提出されています。あとはトランプ大統領が、最終的に、追加関税を課すかどうか11月14日までに判断することになっていたのですけれども、トランプ大統領は判断を下さなかったのですね。
これについてWTOの元判事でジョージタウン大学のジェニファー・ヒルマン法学教授は「私見では、通商拡大法は輸入に対して行動を起こすか、何もしないと決定する以外に大統領に選択肢を与えていない。本件は終了した」と述べ、また別の専門家も、期限までに232条に基づく関税を発動しなかったことで、トランプ大統領は同条に基づく関税の発動権限を喪失したと指摘しています。
従って、追加関税を課すにしても、232条に基づいたもので掛けるのは考えにくく、どういう根拠で関税を掛けるのか気になりますね
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