文喜相の狡猾と機を窺う釣り野伏せ

今日はこの話題です。
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1.2プラス2+α

11月26日、韓国の文喜相・国会議長は、元徴用工らが参加した懇談会で、元徴用工問題の解決を図る自らの法案を提示しました。

その案は、日韓企業(2)と両国政府(2)、国民(α)が参加するいわゆる「2プラス2+α」方法で「記憶人権財団」を設立するというもの。

法案では、既に運用されている元徴用工の支援財団を「記憶人権財団」に改組し、創設した基金を通じ、元徴用工ら1500人に慰謝料などとして計約3000億ウォン(約277億円)を支給。日本企業は基金に「自発的に寄付」する仕組みとしています。

また、2015年末の日韓慰安婦合意に基づき、日本政府が出資した「和解・癒やし財団」の残金約60億ウォンも基金に組み入れ、元慰安婦支援も手掛けるとしています。

「ドイツがナチス時期の強制労働者に賠償した『記憶・責任・未来財団』をモデルにしたもの」と説明。日韓両政府が財団の運営・既存の基金の「保証人」になるのがポイントだとしているようです。

文議長は今後、関係者らの意見を聴取した上で法案に反映し、早ければ来週に文喜相案が盛り込まれた「対日抗争期強制動員特別法改正案」を発議する考えとしていますけれども、早期の立法化は厳しく、来年に持ち越されるのではないかとも見られています。


2.日本から賠償をもぎ取ろうと画策する文喜相

文議長は理屈をこねくり回して、日本に賠償させようとしていますけれども、実に勝手ですね。日韓請求権協定に違反している段階で話になりません。

或いは韓国は日韓企業が中心となって財源を用意し、不足した金額は両国国民が補完する「1+1+α」方式だから、日韓請求権協定に違反していないなどと主張するかもしれません。

けれども、日韓両政府が財団の運営・既存の基金の「保証人」になる時点ですでに政府が関与していることになります。なんとなれば、韓国企業、韓国政府ともに1ウォンも払わずにシカトして、日本に保証人だから金を払えと集ってくることだってあり得ます。そうして日本から金をせしめたら、賠償金だと吹聴するのは目に見えています。

仮にそうでなかったとしても、「和解・癒やし財団」の残金約60億ウォンも基金に組み入れる時点でアウトです。なぜなら、「和解・癒やし財団」の基金は日本政府が出資しているからです。それを元徴用工基金に組み入れたら、韓国はこれらを賠償金だと解釈し、「日本は賠償金を支払った」と世界中に喧伝する可能性があるからです。

事実、文喜相案が盛り込まれた「対日抗争期強制動員特別法改正案」には記憶人権財団が被害者に「慰謝料」を「賠償」するという表現が使われているそうです。後で賠償金だと言う気満々です。

実に狡猾なやり方だと思いますね。


3.釣り野伏せの反転攻撃はいつか

対する日本側はどうか。

11月22日、河村建夫日韓議員連盟幹事長は中央日報とのインタビューで、「徴用問題を解決するための文喜相法案が国会を通過すれば、安倍総理が首脳会談で輸出規制の撤回を明らかにすることもできる……南官杓駐日大使と安倍総理の最側近である今井尙哉補佐官兼首席秘書官が着実に疎通している」と述べています。

果たして本当にそんな事を言ったのか。今のところ日本政府は文喜相案が韓国政府の見解ではないと相手にしていません。

日本政府高官は「『1+1+α』は韓国政府の案でもなく、韓国国会の案でもなく、個人の意見にすぎない。韓国政府が正式に我々に提示している解決案ではない以上、日本政府はいかなる見解も明らかにしないだろう」とコメントしています。

まぁ、それでも、日本政府が何も話さないのは、水面下でその線で話が進んでいるからではないのかという見方もあるかと思います。

ただ、「安倍総理の釣り野伏せ(韓国との付き合い方を考える 後編)」で述べたように、筆者としては、韓国をその気に誤解させて、時間を空費させる「釣り野伏」だと期待したいところです。

というのも、経産省がつきつけた韓国ホワイト国復帰の3条件を見ても明らかなとおり、日韓の信頼関係が回復だけが条件ではないからです。韓国国内の通常兵器に対するキャッチオール規制についての法改正や、11人しかいないという輸出管理審査関連の人員強化など、大きなハードルが控えているのです。

ですから、万万が一、元徴用工問題が解決し、信頼関係が回復したとしても、それだけでホワイト国復帰にはならないはずです。

また、韓国の文喜相議長が提案した「1+1+α」だか「2+2+α」の基金構想に、日韓議連の河村幹事長は一部日本のマスコミが乗り気になっているのも、そう見せかけた「釣り野伏」であるとすると、その狙いは、韓国に期待だけ持たせて時間を空費させ、来年春の韓国総選挙直前に、それらを完全拒絶するのではないかと思います。

そうすれば、文政権にとっては大打撃ですし、総選挙もボロボロになる。あわよくは文在寅大統領を辞任に追い込む目も出てくるかもしれません。

果たして安倍総理がそこまで構想して、ひたすら、「釣り」に徹しているとするならば、大した策士だと思いますし、そうした作戦に出るのも一つの手ではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 選挙直前に、韓国に対して文提案を拒絶すると、逆効果で国会議員総選挙が反日で纏まり、
    文在寅政権が圧勝しちゃいますよ。だから選挙後がベターだと思いますが。
    むしろ文提案が国際的に孤立を招くような方法やドイツやユダヤからの否定声明など
    発想の根幹から挫折させる方策はないものか。日本国内の親韓派の無理やりの理屈と横車を封じることも
    非常に大切です。
    2019年11月29日 07:40
  • kazusa

    こんにちは。
    こんなもん認めた日にゃ
    >「ドイツがナチス時期の強制労働者に賠償した『記憶・責任・未来財団』をモデルにしたもの」
    とあるように併合時代に日本がナチスと同じことを韓国にしたと日本も認めたことになり、併合時代の当時者や子孫たちのたかりのネタにされること必須です。
    277億円は入り口に過ぎずそのあと1000年たかる口実になりますね。
    2019年11月29日 08:22
  • 詠み人知らず

    自民党の中の親中、親韓議員の排除以外、日本再生はありません。日本崩壊を画策している民団、朝総を違法団体指定排除していかないと本当に内部からの崩壊が始まってしまいます。残念ながらお花畑日本人には、実際何かしらの犠牲者が出ないと目が覚めない事が残念です。
    2019年11月29日 10:02

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