ターニングポイントだった韓国のGSOMIA破棄宣言

今日は感想エントリーです。
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1.差し押さえ資産の現金化また延期

10月30日、韓国の元徴用工訴訟の原告側弁護士が会見を開き、日本企業の資産売却による現金化が当初の年内完了の見通しから書類上手続きなどで「早くても来年2月以降」になることを明らかにしました。

韓国の元徴用工訴訟の原告側弁護士が、日本企業の資産の現金化は早くても来年2月以降になるとの見通しを明らかにしました。

 弁護士らは韓国の最高裁判所が日本企業に賠償を命じた判決から1年を迎えた30日に会見を開き、日本企業の資産売却による現金化が当初の年内完了の見通しから書類上手続きなどで「早くても来年2月以降」になることを明らかにしました。

原告団は「被害者達の期待は、無残にも踏みにじられている」と日本側の対応を強く批判しましたけれども、であれば、とっとと現金化するよう裁判所に要請するなり、書類手続きを急ぐなりなんなりすればよいだけのことです。

先日、徴用裁判の原告側が韓国で差し押さえた日本企業の資産が現金化される場合、同じ金額の損害を韓国側に負わせる「報復措置」を日本政府が検討していると報じられましたけれども、今年6月の段階では、韓国は、日本が報復措置を取った場合「我々も黙っているわけにはいかない……報復措置が打ち出されれば、我々も対応せざるを得ず、状況がさらに悪化すると考えられる……外交当局では、そのようなことが起きないよう、綿密に準備し、協議している」とコメントしていました。

あれから4ヶ月あまり、日本への不買運動もさして効果もなく、逆に日本の存在感の大きさを浮立たせる形になりました。切り札と思っていたかもしれないGSOMIA破棄についても藪蛇でアメリカを激怒させただけ。

日本は日本で韓国に対し、国際法違反を是正せよと突っぱね、現金化すれば報復すると牽制している状態。韓国政府は身動きできない状態です。


2.ターニングポイントだった韓国のGSOMIA破棄宣言

先月24日、安倍総理と会談した韓国の李洛淵首相は、国際法遵守を迫られると「韓国は1965年の日韓基本条約および日韓請求権協定を尊重し、順守してきており、今後もそのようにする」と述べました。

けれども、7月に徴用工問題をめぐり、当時の河野太郎外相が「国際法違反の状態の是正」を韓国に求めたとき、韓国大統領府は「強制徴用という反人道的な不法行為で国際法に違反したのは、まさに日本だ」と逆切れし、日本が求めた仲裁手続きに関しても「日本側が設定した恣意的で一方的な期限に同意したことはない……一般的に問題を根本的に解決するのは難しい。長期間にわたる過程で両国民の敵対感情が強まり、未来志向的な関係に否定的な影響を及ぼす」と反発していたのですね。

それから数か月で「日韓基本条約を守ってきたし、これからも守る」と、たとえ口だけだとしても、口にはした訳です。

韓国が日本にすり寄ってきたのはアメリカの圧力だった」のエントリーで、韓国は9月の米韓首脳会談に際し、議題にGSOMIAは入れないでほしいとアメリカに懇願したことに触れましたけれども、時期的にもやはりその影響で態度が変わったのではないかと思います。

その意味ではGSOMIA破棄が一つのターニングポイントだったともいえ、文在寅政権の自爆案件だったといえます。

文在寅大統領自身はGSOMIA破棄上等、米韓同盟破棄上等でいるのかもしれませんけれども、韓国政府がそれでアメリカから批判されまくっているのは自ら招いた事態ですし、その煽りで「日韓基本条約を守る」と日本に言わなければならなくなったことも身から出た錆です。

その観点からみれば、冒頭の元徴用工訴訟で、日本企業の資産売却による現金化を行うことは、日韓基本条約を破っていることを自ら証明することになります。

筆者は昨年12月18日のエントリー「河野外相の融和発言と文在寅の策略」で「文大統領は、強制執行の執行文を出させないように圧力を掛けて放置して時間稼ぎをし、ほとぼりが醒めるのを待とうとしているのではないか」と述べましたけれども、前述の状況を加味すると、実際に圧力が掛かっているのかどうかは別として、結果としてその方向に流れていくのではないかと思いますね。


3.韓国政府に反撃を始めた「元徴用工」被害者

元徴用工訴訟問題が長期化する中、此処に来て韓国人"被害者達"自身が韓国政府に対して反撃を始めました。

10月30日「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」など、いわゆる強制徴用の被害者や遺族、支援者らでつくる連合団体が日本大使館前で記者会見を開き、「大法院判決によって韓日両国が平和的に問題を解決すると期待して待ったが、両国政府が解決の努力より政治的手段としてのみ利用している。徴用工被害者の個人請求権の補償は韓国政府の責任が大きいと考えます」と賠償問題の解決を訴えました。

会見に出席した「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」の崔容相・事務局長は、「徴用工問題にしても、慰安婦問題にしても解決を妨げているのは市民活動家であり、韓国政府なのです。私たち被害者、遺族を無視して、日本叩きばかりを行っている。いま本当に困っているのは、日韓関係が悪化して解決の途が見えなくなっている被害者・遺族です。市民活動家に牛耳られてしまった徴用工問題や賠償問題を、本当の被害者たちのための活動に戻さなくてはいけない。そのために私たちは市民活動家たちと闘うことを決意したのです」

崔氏は挺対協ら市民活動家について、「被害者でもない人達が、なぜ被害者の声を勝手に代弁するのでしょうか? 被害者や遺族は、もう上は90代と高齢なのです。もう残された時間はない。それなのに活動家たちは、終わりのない日本叩きばかりをして、被害者の救済を遅らせるばかりなのです」と批判していますけれども、韓国政府は自分の非を認めません。

これについて韓国メディアの記者は「韓国政府は判決に関して『司法を尊重する』と公式にアナウンスしていますが、実は内々で徴用工判決問題への対策を協議していました。しかし、徴用工問題は全体で10万人規模にも及ぶ大規模な問題であり、韓国政府が対応を始めたら補償費が莫大になってしまうという結論に至った。それで韓国政府は徴用工問題を放置するという方針を決めたといわれています」と述べています。

韓国政府の方針がどうであれ、この問題は韓国の国内問題であることに変わりありません。その責任を日本に擦り付けてしらんぷりするのは卑怯な行為と言わざるをえません。

日本は甘い顔を見せることなく、国際法を守れと言い続けることが大切だと思いますね。

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